村川豊(むらかわ・ゆたか)|第25期・海上自衛隊

村川豊は昭和33年1月29日生まれ、神奈川県出身の海上自衛官。

防衛大学校第25期(国際関係論)卒業で32幹候、出身職種は経理だ。

平成28年12月(2016年12月) 第33代海上幕僚長・海上幕僚長たる海将

前職は海上幕僚副長であった。

海上自衛隊史上初となる後方支援職種からの海上幕僚長誕生は当時大きなニュースになり、記憶に新しい人も多いであろう。

村川の出身職種は経理であり、隊員の給与の計算や被服、物品の調達や支給といった役割をこなしており、日本海軍においては「主計科」と呼ばれていた職域だ。

ところで、日本海軍の主計科出身の有名人といえば、やはり中曽根康弘・元総理が広く知られる。

戦前より内務省の官僚であったが、戦中に海軍主計少尉に転じ、軍人としてのキャリアを積んだ。

戦前、主計科を怒らせれば艦に燃料も補給してもらえない、などと艦船乗りが恐れたという逸話があるが、その真偽はともかくとして、主計科という職域が大きな影響力を持っていたことは間違いないであろう。

そのような主計科であり、海上自衛隊の経理職種だが、その経理職種を含めてこれまで、海上自衛隊では後方支援職種から海幕長は一人も誕生してこなかったところ、村川が初めて頂点の椅子に座ったことになる。

また村川の海幕長就任は単に、後方支援職種出身者であるというだけではなく、様々なインパクトを与えた。

すなわち従来、海上幕僚長に昇るキャリアは大体予想される範囲のものであり、当然のことながら、海上幕僚長を除くポストの中でもっとも格上とされる役職に就く人物の中から選ばれてきた。

具体的には、海上幕僚長の職に就く者は近年、自衛艦隊司令官、佐世保地方総監、横須賀地方総監に絞られていたと考えて良い。

これは、これらのポストが重要だから、というだけでなはい。

これらの重要なポストに就けるような最高幹部はそもそも、そこまでのキャリアが群を抜いており、そのような要職を任せてなお十分力を発揮すると判断されたからこそ就任することになる。

ポストは結果論であり、実力があり優れた知見があるからこそ海上自衛隊のほぼ全ての実力部隊を統率する自衛艦隊司令官となり、有事の際には大規模部隊を率いるフォースユーザー(実力組織の用兵者)となる佐世保地方総監や横須賀地方総監に就任する。

これら大規模部隊を統率し、あるいは指揮をした者の中から、海上自衛隊のトップとなる海上幕僚長が選ばれるのは自然なことであるが、村川の場合、海上幕僚副長からの海幕長昇進。

さらに佐世保や横須賀だけでなく、いずれの地方総監も経験していないという異例の抜擢人事であって、現場の司令職は阪神基地隊の司令のみであることもまた、関係者を大いに驚かせるものとなった。

阪神基地隊は掃海隊の基地として知られ、近年、「おおすみ」「しもきた」「くにさき」からなる第1輸送隊が自衛艦隊隷下から掃海隊隷下に編成替えになったように、強襲揚陸部隊と掃海隊群の連携が課題になっている。

そのような中で、阪神基地隊司令は極めて重要なポストになってきており、その経験を積んでいることは大きな財産といえるだろう。

その意味では時勢を得た要職を経験しているとも言えるが、それらのことを考慮してもなお、今回の人事は政治主導で行われたと考えるのが自然で、安倍政権にとって特に、大きな狙いと目的があって敢行した人事であったのであろう。

そして村川は、これらキャリアと前例を覆してもなお、海上自衛隊のトップに今必要な能力と知見を兼ね備えた高級幹部であると判断された故の、海上幕僚長就任であった。

さて、そのように驚きを持って受け取られた村川の海幕長就任であったが、少し早い気がするものの、ポスト村川について見てみたい。

村川の海幕長就任は2016年12月。

すなわちその任期は2018年12月までと予想される。

2018年まで、第25期生である村川が海上幕僚長のトップである可能性が高い。

一方で陸上幕僚長である山崎幸二(第27期)は、いわゆる南スーダン日報問題の影響で前任である岡部俊哉(第25期)が任期を1年残して退役となったため、2017年8月、陸上幕僚長に就任した。

その任期は何事もなければ2019年8月までとなるだろう。

航空幕僚長である杉山良行(第24期)は2015年12月の就任であったので、その任期は2017年12月と、この記事をポストしている時点で残り4ヶ月となっている可能性が高い。

そしてその後任には、おそらく、前原弘昭(第27期)丸茂吉成(第27期)が就任することになると予想している。

つまり、陸と空が2017年中に27期に代替わりする中、海上自衛隊のみが2018年の末まで25期の海上幕僚長任期が続くことになると予想され、さらにそこで26期や27期の海幕長就任となると、新陳代謝が遅く代替わりが滞ったままという批判を受けることにもなりかねないであろう。

そういった意味では、村川の海上幕僚長任期が1年に短縮されることも在り得るのか、といえば、先例を見る限りそのようなことは考えづらい。

不祥事が発生するか、あるいは統合幕僚長に祭り上げるのであれば任期1年という事例は、第27代海上幕僚長で第2代統幕長であった齋藤隆(第14期)の例があるが、2017年9月現在の統合幕僚長は、海上自衛隊出身の河野克俊(第21期)だ。

2代続けての海上自衛隊出身者は考えづらく、なおかつ後方支援出身である村川が統合幕僚長まで昇りつめるのは、さすがに難しいと思われる。

このような事を総合的に考えると、2018年12月に、村川の後を継いで第34代海上幕僚長に就任するのは、少なくとも27期組であり、26期組は極めて考えづらい。

場合によっては28期組から選抜されることも想定される。

その前提で考えると、第34代海上幕僚長の最右翼は、自衛艦隊司令官を務める山下万喜(第27期)となる。

山下は、海幕長に最も近いポストとされる自衛艦隊司令官だけでなく、その前職では佐世保地方総監まで務めている完璧なキャリアで最高幹部に昇り詰めた男だ。

この男が2018年12月の人事で海上幕僚長に昇らなければ、村川のときとは逆の意味で、海上自衛隊に衝撃が走るだろう。

他の候補者として考えられるのは佐世保地方総監と横須賀地方総監、それに海上幕僚副長といったところだが、2017年9月現在で佐世保地方総監を務めているのは佐藤誠(第26期)

26期組である上に、山下の後任として佐世保地方総監に就任していることを考えても、有力候補の一人ではあるものの、今の時勢を考えると難しいだろう。

横須賀地方総監を務めているのは道満誠一(第26期)

生粋の潜水艦乗りであり、潜水艦隊司令官の後職として横須賀地方総監を務めており、キャリアは十分だが、やはりこちらも、26期という意味で若返りが立ち遅れることから、可能性はあるものの山下に一歩譲ると言ったところか。

また、可能性としては低いものの、そのキャリアの華麗さと若さから考えると、海上幕僚副長の山村浩(第28期)という可能性も0ではない。

村川がそうであったように、海上幕僚副長から海上幕僚長へのジャンプアップは、過去にも例があり、その人物の素養次第であろう。

何よりも28期という若さがあり、海上自衛隊の若返りが一気に進むことになる。

山村のキャリアは、第4護衛隊群司令、護衛艦隊幕僚長、統合幕僚監部防衛計画部長、護衛艦隊司令官など、現場と海幕、統幕の要職を歴任したバランスが良く、最高幹部らしいキャリアになっていることから、あるいは第34代海上幕僚長の可能性を考えておいたほうが良いかもしれない。

様々なことが想定されるが、安全保障環境が極めて厳しい昨今の我が国の周辺事情がある。

村川には海上幕僚長として最善を尽くし、さらに後任である第34第海上幕僚長には、時の情勢に応じたもっとも適任である最高幹部を推し、その育成にも尽力することを期待したい。

◆村川豊(海上自衛隊) 主要経歴

昭和
56年3月 海上自衛隊入隊

平成
7年7月 2等海佐
12年1月 1等海佐
13年6月 海上幕僚監部人事計画課
13年12月 海上幕僚監部人事計画課企画班長
15年12月 海上幕僚監部経理課経理調整官兼経理班長
16年12月 佐世保地方総監部経理部長
18年8月 海上幕僚監部総務課長
20年3月 海上幕僚監部総務部副部長海将補昇進
21年3月 阪神基地隊司令
22年7月 第4術科学校長
23年8月 海上幕僚監部人事教育部長
25年8月 補給本部長海将昇進
27年8月 海上幕僚副長
28年12月 第33代海上幕僚長

◆姓名判断

行動力に優れ、またその行動を裏付ける能力にも恵まれることから若年より強引とも言える仕事の進め方で多くの成功を修め、早くから世に出る人物に多く見られる相。

負けん気が強く時にその手法は強引だが、社交性があり人に嫌われない魅力があるので、角が立つことも少ない。

基礎運も高く理想的な姓名配置になっており、充実した人生を送れる。

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的とし、軽量化処理やオリジナルからトリミングし切り取って用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/formal/about/basic/topmessage/

防衛省海上自衛隊 舞鶴地方隊公式Webサイト(視察写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/maizuru/dekigoto/dekigoto.html

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