佐藤信知(さとう・のぶとも)|第34期・航空自衛隊

佐藤信知は昭和41年12月生まれ、静岡県出身の航空自衛官。

防衛大学校第34期の卒業で幹候90期、職種は飛行でF-15戦闘機パイロット、いわゆるイーグルドライバーだ。

平成29年9月(2017年9月) 第8航空団司令・空将補

前職は航空戦術教導団司令であった。

航空自衛隊入隊以来、F-15戦闘機パイロットして我が国の国防最前線で体を張り続け、20代の若者の頃から連日スクランブルに上がっていた佐藤だ。

第6航空団(小松基地)を皮切りに、そのキャリアは非常に輝かしく、パイロット出身のエリート高級幹部らしい経歴となっている。

佐藤が航空自衛隊に入隊したのは平成2年。

それから1等空佐に昇ったのが平成21年1月なので、文句なしの1選抜(同期1番乗り)での昇進である。

さらにそこから空将補に昇ったのが27年8月。

1等空佐をわずか6年で駆け抜け、2017年現在の自衛隊において、これ以上はないという高級幹部の出世スピードで、34期組将官1番乗りを果す。

ちなみに、着帽していてわかりにくが、佐藤はスキンヘッドである。

しかし、陸自のスキンヘッド将官のように、目を合わせたらやばいことになりそうな予感がするものではなく、どちらかと言うと柔和な面持ちが温かい人柄を感じさせ、それでいて刺すような鋭い目力は、強い意志と誇り高い将官の威厳を感じさせるものだ。

防衛大学校の、34期組卒業20周年記念同窓会でも委員長を務めるなど、面倒見の良い一面も持ち合わせている。

なお、2017年10月現在において、航空自衛隊における34期組の空将補は以下の通りとなっている。

この4名(※1)が出世レースのトップを走っているということになり、近い将来の航空幕僚長候補ということになりそうだ。

なお、34期組はまだ空将に昇る年次には達していないために、空将補が最高位となる。

小笠原卓人(第34期)・西部航空警戒管制団司令兼春日基地司令

小島隆(第34期)・航空開発実験集団司令部幕僚長

佐藤信知(第34期)・第8航空団司令兼築城基地司令

谷嶋正仁(第34期)・第1航空団司令兼浜松基地司令

(肩書はいずれも2017年10月現在)

この4名はいずれも、1等空佐に昇ったのは1選抜で同時期。

そして空将補に昇ったのは

小笠原、佐藤・・・平成27年8月

小島、谷嶋・・・平成28年12月

となっており、2017年現在においては、小笠原と佐藤が、出世レースでかなりアドバンテージを持っている状態といえるだろう。

将補の段階で1年以上の差は非常に大きいと言えるが、その一方で航空自衛隊は、空将補から空将への昇進が他の自衛隊に比べ、相当短いキャリアパスで昇進させることがある。

将補に昇った時期が2年近く遅れていても、将に昇るタイミングでは最速の者に半年差まで詰めるなどはザラだ。

その意味では、空将補時代のキャリアを重視して航空幕僚長候補を絞り込む傾向があるといえるので、この4人はまだ横一線に近いという事ができるだろう。

とはいえ、佐藤と小笠原がトップを走っていることに変わりはなく、史上初のスキンヘッド幕僚長と言うものも見てみたい。

その際佐藤は、衝撃のスキンヘッド着任会見となるだろうが、内外のメディアがどう報じるか。

ワクワクが止まらない思いである。

※1

2017年7月、南西航空警戒管制隊が南西航空警戒管制団に再編された際、横尾広・司令が空将補に昇っており、その年次は34期組か35期組であるのは間違いないのだが、正確な情報がないため、暫定的に4名として記載する。

さて、その佐藤のキャリアを見ると、やはり印象深いのは27年8月から務めていた、航空戦術教導団の司令職であろう。

航空戦術教導団は2014年にできたばかりの歴史の浅い組織であり、佐藤は2代目の司令である。

ちなみに初代司令は平塚弘司(第28期相当)

早稲田大学から一般幹部候補生として航空自衛隊に入り、F-15戦闘機パイロットになった凄腕の男だ。

この航空戦術教導団とは、飛行教導群、高射教導群、電子作戦群、基地警備教導隊、航空支援隊を隷下に置くもので、実際の危機に際し、それぞれのユニットがどのように対応を行うのか。

それを研究し、より実戦的な脅威への対応方法を戦術として確立しようとする組織だ。

従来であれば、飛行教導群であれば飛行教導群、高射教導群であれば高射教導群と、それぞれの群の中で最適と思える戦い方に合わせた兵器の運用及び研究・訓練を行っていたのだが、やや辛口の言い方をすれば、これは実戦離れしているといえる。

佐藤自身も航空戦術教導団司令時代に述べていることだが、実戦では戦闘機と高射部隊がそれぞれで脅威に対し対処を行うのではなく、それぞれの段階に応じた対処の在り方と兵科が選ばれ、対処にあたることになる。

にも関わらず、どこからどこまでであれば戦闘機、どこからどこまでであれば高射、などのような脅威への対処は、従来の仕組みでは共同研究し同じビジョンを持つことが難しかった。

まして、電子作戦群、基地警備教導隊、航空支援隊と言った部隊も、どの段階まで、どの部隊が主になって脅威の排除を行うのか。

一致したグランドビジョンがないままに、それぞれの組織で考える最適解に近づこうとする努力がなされていたといえるだろう。

これらを一元的に組織化し、それぞれのユニットがどのように危機に対処するのか。

そしてその対処法に対し、どのような訓練を行うのか。

言ってみれば、2014年になってやっとこの統一的な仕組みができたと言える。

言い換えれば、この航空戦術教導団は、有事における戦い方のプランナーであり、そしてその想定される事態全てにおいて適切に行動できる精強な部隊を育てるのが使命だ。

航空戦術教導団が十分に機能しなければ、それはすなわち、我が国の敗北を意味するとも言える、極めて重要な部署になる。

まさに、近い将来の航空幕僚長候補である佐藤にふさわしい、職責であるといえるだろう。

そして、航空戦術教導団司令の後職には第8航空団司令である。

2017年現在、我が国の安全保障環境における最前線は南西航空方面隊であり、そして西部航空方面隊だ。

これら方面隊での指揮官経験は、最高幹部に昇る者にとって必須のポストとなっていることから考えても、佐藤の存在感はますます大きなものになっているといえるだろう。

34期組の航空幕僚長候補として、目が離せない最高幹部の一人である。

◆佐藤信知(航空自衛隊) 主要経歴

平成
2年3月 航空自衛隊入隊(第34期)
2年9月 航空教育集団司令部付
6年5月 第6航空団第303飛行隊
10年8月 防衛大学校
12年3月 幹部学校付
13年1月 3等空佐
13年3月 防衛局
15年3月 第6航空団第306飛行隊
16年3月 航空幕僚監部防衛部
16年7月 2等空佐
18年7月 外務省
18年12月 第7航空団
19年8月 第7航空団第305飛行隊長
20年8月 航空幕僚監部運用支援・情報部運用支援課
21年1月 1等空佐
21年8月 幹部学校付
22年8月 幹部学校
22年12月 航空幕僚監部人事教育部養成班長
24年7月 航空幕僚監部防衛部防衛調整官
25年8月 航空幕僚監部防衛部装備体系課長
27年8月 航空戦術教導団司令 空将補
29年9月 第8航空団司令

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省航空自衛隊 築城基地公式Webサイト(顔写真、離陸前準備写真)

http://www.mod.go.jp/asdf/tsuiki/kichishirei/index.html

http://www.mod.go.jp/asdf/tsuiki/

コメント

  1. 統幕 より:

    いつも楽しく拝見しています(次期統幕長予想など)増田友晴空将補の記事を作っていただきたいです、

    • ytamon より:

      統幕様
      コメントありがとうございます。
      幹部候補生学校の増田空将補ですね。今のところ、少し手元情報が少ないですが、必ず記事にしますので、楽しみに待っていて下さい!
      なお、次期統幕長予想についてはこちらのコラムでまとめていますので、宜しければぜひご覧下さい。