大嶋基司(おおしま・もとし)|第29期・航空自衛隊

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大嶋基司は昭和38年1月8日生まれ、静岡県出身の航空自衛官。

防衛大学校第29期の卒業で幹候75期、職種は高射整備だ。

 

平成29年8月(2017年8月) 第4補給処東北支処長兼ねて東北町分屯基地司令・1等空佐

前職は補給本部武器弾薬部長であった。

 

整備と補給を支える、航空自衛隊の裏方のエキスパートである大嶋だ。

入隊以来、高射の現場でキャリアを重ね、佐官に昇任後は補給系の部署での活躍も目立ち、徹底した現場指導で厚みのある指揮能力を発揮する。

 

その大嶋が2017年11月現在で補職されているのは第4補給処東北支処長兼ねて東北町分屯基地司令のポストだが、この基地、少し変わった機能を持つ。

それは、航空自衛隊の基地であるにも関わらず不発弾処理班を持ち、さらに不発弾処理教育まで行っていることだ。

 

通常、先の大戦で投下されあるいは遺棄され、地中などから見つかる不発弾については、陸上自衛隊の不発弾処理隊が対応し処分することになっている。

たまにテレビなどで見るおなじみの光景だ。

そもそも、その陸上自衛隊の不発弾処理部隊ですら結構なレアキャラなのだが、航空自衛隊の不発弾処理要員はさらにレアキャラ度が上だ。

 

それもそのはずであり、航空自衛隊の不発弾処理要員は、民生協力に駆り出されることは無く、あくまでも自衛隊内での運用に限られている。

そのため一般に知られる機会がそもそも無いと言ったところだ。

なおかつ、その要員も極めて僅少で、空自の制服に不発弾処理徽章を付けている隊員さんを見かけたら、是非記念写真をお願いしてもいいレベルである。

 

全国の基地機能を一通り概観しても、航空自衛隊の中で不発弾処理教育を行っていることが明記されている基地は、ここ東北町分屯基地だけのように思われるので、あるいはそれほどのレアキャラであるのかもしれない。

他の基地にもそのような機能があれば、判明次第追記して行きたいが、いずれにせよ相当珍しい存在であることは間違いないだろう。

 

なおあくまでも推測だが、航空自衛隊の不発弾処理要員は、過去の不発弾を処理するというよりも、敵性勢力から基地や空港が攻撃を受け、不発弾が発生した際の整備要員として存在しているのではないだろうか。

整備・補給とともに一体として運用されているので、あるいはそう考えるのが自然であろう。

 

 

一般に東北町分屯基地は「弾薬庫」と称されることもあり、航空自衛隊で使用するミサイルや弾薬、武器といった極めて危険性が高い物資を貯蔵し、担当区域にある基地や部隊への補給を行うことを任務とする。

上級組織は第4補給処(入間)であり、その上級組織は補給本部(十条)だ。

 

大嶋は、東北支処長の前職では、その補給本部において武器弾薬部長のポストにあった。

またその前職は補給本部第4部長であったので、まさに武器整備・補給のスペシャリストとして、指揮官のキャリアを重ねていることになる。

2017年11月現在の補職は、その最前線である現場の司令ポストなので、恐らくこの経験を積んでまた、中央に戻り補給系の要職を歴任することになるだろう。

 

一方で29期組と言えば恐らく、次の次の航空幕僚長、すなわち2019年の冬頃にその人事が予想される人事異動では、トップに立つものが選ばれるか、もしくは退役になるか、という世代にあたる。

2017年冬か、もしくは遅くとも2018年春には、第34代航空幕僚長である杉山良行(第24期)が統合幕僚長に昇るか退役をして、次の航空幕僚長が選ばれると思うが、その後任は27期からとなる可能性が高い。

その次の世代であり、そろそろ早期退職制度にかかり始めるものが出てくる年齢だ。

 

ちなみに、その29期組で空将のポストに在り、この際に有力候補になるであろう最高幹部には、2017年現在で以下の者たちがいる。

 

城殿保(第29期)・北部航空方面隊司令官・・・2016年7月着任

長島純(第29期)・航空自衛隊幹部学校長・・・2016年12月着任

増子豊(第29期)・統合幕僚監部運用部長・・・2016年12月着任

三谷直人(第29期)・航空自衛隊補給本部長・・・2017年8月着任

(肩書はいずれも、2017年11月現在)

 

大嶋についても、あるいはその頃合いに退役の時を迎えることになるかもしれないが、中央で要職を歴任し、なおかつ豊富な現場指揮で大きな実績を残し続けた幹部自衛官だ。

その知見を後進に伝え、自衛隊がさらに精強な組織として発展するために、惜しみない尽力を重ねてくれるだろう。

 

その活躍には最後まで期待し、注目して追っていきたい。

 

◆大嶋基司(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 航空自衛隊入隊(第29期)
60年9月 第3高射群

平成
12年3月 航空幕僚監部補給課
15年12月 第2高射群第8高射隊長兼ねて高良台分屯基地司令
17年9月 第4補給処資材計画部資材計画課長
19年3月 航空幕僚監部装備部補給課補給4班長
21年7月 第2高射群副司令
23年5月 幹部学校主任研究開発官
24年4月 総隊司令部防衛部運用課作戦室副室長
25年8月 北部航空警戒管制団第42警戒群兼ねて大湊分屯基地司令
27年1月 第7航空団基地業務群司令
28年3月 補給本部第4部長
28年10月 補給本部武器弾薬部長
29年8月 第4補給処東北支処長兼ねて東北町分屯基地司令

 

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省航空自衛隊 東北町分屯基地公式Webサイト(顔写真及び部隊紹介写真)

http://www.mod.go.jp/asdf/tohokumachi/kichishirei/index2.html

http://www.mod.go.jp/asdf/tohokumachi/butaishoukai/index.html

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