川内康孝(かわち・やすたか)|第33期・陸上自衛隊

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川内康孝は昭和41年11月19日生まれ、福岡県北九州市出身の陸上自衛官。

防衛大学校第33期の卒業で幹候70期、職種は普通科だ。

 

平成29年8月(2017年8月) 第17普通科連隊長兼ねて山口駐屯地司令・1等陸佐

前職は幹部候補生学校第1教育課長であった。

 

2017年12月現在、第17普通科連隊長兼ねて山口駐屯地司令のポストにある川内だ。

まず最初にお伝えしておくと、川内は本当は、こんなにしかめっ面で人相の悪い男ではない。

厳しい自衛官生活がその顔に刻まれているナイスガイではあるが、笑顔が魅力的で、厳しくも暖かな人柄が滲み出ているような1等陸佐である。

 

にも関わらず、いつものことであるが、陸上自衛隊の高級幹部は、公式サイト用のプロフィール画像を撮影するとなると、難しい格言をバックにした写真を撮ってみたり、怖い顔をして写ってみたりで、おっかない幹部ばかりになってしまう。

そんな内規があるのかもしれないが、川内も本当はイケメンナイスガイなのに、ものすごく人相が悪い印象の1枚になってしまった。

海上自衛隊の湯浅秀樹(第30期)のプロフィール写真など、満面の笑顔で「笑う門には福来る」である。

 

さてそんな川内だが、北は北海道から南は九州まで、全国の普通科連隊で知見を積み上げた普通科のエキスパートだ。

第24普通科連隊(宮崎県えびの)の初任地を皮切りに、陸自普通科の最精鋭部隊の一つ、第11普通科連隊(東千歳)では機甲戦闘を経験し、また別府の第41普通科連隊などで指揮を執った。

 

特に第11普通科連隊は、連隊規模も1500名前後と我が国の普通科連隊として極めて規模が大きく、また機甲師団である第7師団隷下にあることから普通科連隊でありながら高い機動力を持ち、機甲戦闘に優れていることで知られている。

そして、非常に充実した普通科幹部としてのキャリアを積んだ上で平成29年8月に第17普通科連隊長に着任した。

 

第17普通科連隊は、即応近代化旅団である第13旅団隷下に属し、山口県に所在する軽編成の部隊だ。

機動戦闘に通じる川内が指揮を執るにふさわしい、機動力を重視した実力部隊である。

その歴史は古く、前身に当たる歩兵42連隊が創設されたのは明治29年。

明治31年には軍旗が下賜され部隊の本格的な歴史が始まるが、明治37年からの大いくさである日露戦争でも大活躍し、その勇名を大いに挙げた。

その戦歴は、遼陽会戦はもちろん、日露最後の正面衝突となった奉天会戦でも目覚ましい活躍を見せるなど、部隊の歴史は常に勇名と名誉に彩られている。

 

川内は、そんな先人たちからこの伝統ある部隊を引き継ぎ、職務に励んでいる。

 

 

さて、その川内は防衛大学校第33期の卒業生だが、33期は1選抜で陸将補に昇ったものが2014年夏の人事で昇任した年次にあたる。

最初に陸将に昇るものは、恐らく2020年夏の将官人事であろう。

つまり、1等陸佐としても陸将補としても、中心になって陸自で指揮を執り、高級幹部として実質的な仕事を引き受けている世代だ。

我が国の平和と安全に、今もっとも汗を流している幹部たちということになるが、33期同期で陸将補の階級にあり、出世レースで先頭を走っているのは以下の幹部たちである。

 

梅田将(第33期相当)・大阪地方協力本部長

酒井秀典(第33期)・航空学校副校長

末吉洋明(第33期)・統幕運用部副部長

児玉恭幸(第33期)・第1空挺団長

冨樫勇一(第33期)・統合幕僚監部報道官

楠見晋一(第33期)・東京地方協力本部長

廣惠次郎(第33期)・通信学校長

堀江祐一(第33期相当)・第8師団副師団長

宮本久徳(第33期)・第1高射特科団長

山根寿一(第33期)・東北方面総監部幕僚副長

牛嶋築(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長

(※肩書はいずれも2017年12月現在)

 

2017年12月現在の状況だが、この中で、将来の陸上幕僚長候補として先頭を走るのは富樫、末吉、山根、牛嶋の4名となるだろう。

いずれも2014年夏の将官人事で、1選抜で陸将補に昇った。

陸上自衛隊においては、陸将補の1選抜がそのまま最終レースに残ることが多いため、まずはこの4名が中心となって、33期組の陸幕長レースは展開することになる。

 

とはいえ、33期組はまだまだ陸将補に昇るものが出る世代であり、我が国の平和と安全と担保するため、大いに活躍して貰わなければならない年次である。

川内についても、我が国が想定する陸自戦力のコンパクト化と機動展開能力の高さを兼ね備えた部隊再編という考え方の中で、その知見が大いに活かされるキャリアとなっているのは疑いようがない。

 

大事なご家族を熊本県に残して、単身赴任での補職であるが、我が国はまだまだ川内の力を必要としている。

その活躍に心から期待し、そして応援していきたい。

 

◆川内康孝(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
1年3月 陸上自衛隊入隊(第33期)
1年9月 第24普通科連隊(えびの)
4年3月 防衛大学校付
6年3月 第11普通科連隊(東千歳)
9年3月 第7師団司令部(東千歳)
11年8月 幹部学校(目黒)
13年8月 第41普通科連隊(別府)
15年8月 陸上幕僚監部防衛部(市ヶ谷)
20年3月 幹部学校(目黒)
21年3月 防衛大学校
23年4月 陸上幕僚監部副監察官(市ヶ谷)
25年3月 幹部学校(目黒)
25年8月 西部方面総監部防衛部(健軍)
26年12月 中部方面総監部防衛部(伊丹)
28年3月 幹部候補生学校(前川原)
29年8月 第17普通科連隊長兼ねて山口駐屯地司令(山口)

 

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 山口駐屯地公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/mae/13b/yamaguti/sirei.html

防衛省陸上自衛隊 第13旅団公式Webサイト(旅団訓練検閲写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/mae/13b/news20161014kenetu2.html

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