更谷光二(東北方面総監部幕僚副長・陸将補)|第33期・陸上自衛隊

その更谷が陸上自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

1等陸佐に昇ったのは19年6月の海外赴任前というイレギュラーなタイミングであったが、おそらく1選抜(1番乗り)という扱いになると思われる、スピード出世だ。

その後10年に渡り現場でつとめ、平成30年3月に堂々の将官昇任を果たした。

(画像提供:陸上自衛隊第1ヘリコプター団公式ツイッター

1等陸佐以降の経歴だけで見ると、1佐としての最初の任務は在ミャンマーの防衛駐在官。

帰国後は、研究本部研究員を経て中央(陸上幕僚監部)での勤務が多く、班長ポストを運用支援・情報部情報課の武官業務班長、それに人事教育部人事教育計画課の服務室長で経験。

また課長ポストは人事教育部厚生課長を務めた。

その間、職種部隊では我が国の空の精鋭・第1ヘリコプター団隷下の第一輸送ヘリ群長に、平成24年12月から上番している。

そして平成30年3月、陸将補に昇任すると東北方面総監部で幕僚副長を務め、さらに活躍の場を広げている。

まさに33期を代表する、最高幹部の一人であると言ってよいだろう。

なお、更谷が防衛駐在官として赴任していたミャンマーについてだ。

ミャンマーは、ご存知のように旧国名をビルマと言い、日本陸軍が英米軍と激戦を繰り広げた地として知られる。

イラワジ会戦やメイクテーラ会戦が有名だが、今も多くの英霊が日本に帰還できず、同地の土となっている非常に心が痛む歴史を持つ。

また、戦後長らく軍政が敷かれ、アウン・サン・スー・チー女史による民主化運動などで国際的にも注目された近現代史を持つ国でもある。

対日感情は良好だが、その一方で、今でも軍部の影響力は非常に強く、政治が軍事と密接に結びついている国情があり、欧米との関係は悪化と好転を繰り返している。

そのような中で、日本が東南アジア地域への影響力を行使するために独自の立ち位置を確保し、同国と我が国との国益のバランス、欧米各国との関係調整に非常に苦心してきたのが、ミャンマーを巡る歴史だ。

このような国情では、陸自の防衛駐在官の役割が歴史的に、外交において非常に大きな役割を担ってきた。やはり軍人は、軍人同士での会話でのみ意思疎通を図ろうとする傾向があるためだ。

その多くが明らかになることはないが、更谷もきっと、墓まで持っていくであろう様々な機密に触れたことは想像に難くない。

このような、決して人に知られる事がないところでも、我が国の自衛官は世界と我が国の平和と安全に大きく貢献している。

ぜひ、この防衛駐在官という仕事にも興味を持ってもらえれば幸いだ。

では最後に、その更谷と同期である33期組の人事の動向について見てみたい。

33期組は2014年に最初の陸将補が選抜され、2020年に最初の陸将が選抜される予定になっている年次だ。

そして2019年3月現在で、以下の幹部たちが陸将補の任にあたっている。

冨樫勇一(第33期)・陸上幕僚監部人事教育部長(2014年8月)

山根寿一(第33期)・第13旅団長(2014年8月)

牛嶋築(第33期)・東北方面総監部幕僚長兼ねて仙台駐屯地司令(2014年8月)

末吉洋明(第33期)・陸上幕僚監部運用支援・訓練部長(2014年8月)

廣惠次郎(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長(2015年3月)

児玉恭幸(第33期)・陸上幕僚監部監察官(2015年8月)

梅田将(第33期相当)・大阪地方協力本部長(2015年12月)

酒井秀典(第33期)・第1ヘリコプター団長兼ねて木更津駐屯地(2016年3月)

宮本久徳(第33期)・第1高射特科団長(2016年12月)

堀江祐一(第33期相当)・陸上自衛隊高等工科学校長兼ねて武山駐屯地司令(2017年3月)

楠見晋一(第33期)・中央情報隊長兼ねて陸上総隊司令部情報部長(2017年8月)

更谷光二(第33期)・東北方面総監部幕僚副長(2018年3月)

※肩書はいずれも2019年3月現在。( )内は陸将補昇任時期。

※2018年8月以降の将官人事で昇任した陸将補の確認が未了のため、加筆する可能性あり。

以上のような状況になっており、まずは冨樫、山根、牛島、末吉の4名が中心になって、33期組の最高幹部人事は進んでいくことになるだろう。

更谷については、機動部隊化を目指す陸自の今の変化の中において、その足となって活躍する航空科出身の幹部である。

特に、離島や島しょ部防衛において無くてはならない多くの知見を持ち合わせる幹部であることから考えても、今後さらに要職を任され、活躍の場を広げていくことになるのではないだろうか。

いずれにせよ、2020年代半ばにかけて我が国の安全保障政策の中で非常に重要なポストを歴任していくことは間違いのない最高幹部である。

その動向にはますます注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第1ヘリコプター団公式Webサイト

◆更谷光二(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 陸上自衛隊入隊(第33期)
12年1月 3等陸佐
15年7月 2等陸佐
19年6月 在ミャンマー防衛駐在官 1等陸佐
22年8月 陸上自衛隊研究本部研究員
22年12月 陸上幕僚監部運用支援・情報部情報課武官業務班長
24年12月 第一輸送ヘリ群長
26年3月 陸上幕僚監部人事教育部人事教育計画課服務室長
27年12月 陸上幕僚監部人事教育部厚生課長
30年3月 東北方面総監部幕僚副長 陸将補

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