梶原直樹(かじわら・なおき)|第32期・統幕防衛計画部長

梶原直樹は昭和40年4月12日生まれ、東京都出身の陸上自衛官。

防衛大学校第32期(国際関係)の卒業で幹候69期、出身職種は野戦特科だ。

平成29年8月(2017年8月) 統合幕僚監部防衛計画部長・陸将補

前職は東北方面総監部幕僚副長であった。

(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト

2019年4月現在、陸海空統合運用の要・統合幕僚監部で防衛計画部長の要職を務める梶原だ。

山之上哲郎(第27期)・元東北方面総監が退役した今、陸自一のイケメンの座に昇りつめたナイスガイである。

米国メリーランド州ボルチモアに所在する、ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院に留学した経験も持つなど、エリートらしいキャリアも非常に充実している。

これだけの要職を任される梶原のことだ。

そのキャリアはいずれも印象深い補職ばかりだが、敢えて一つ挙げるとすれば、それは平成25年8月から務めた、第1特科団長のポストだろうか。

第1特科団は、その司令部を北千歳に置く、陸自の切り札とも言って良い最強の火力を誇る野戦特科の部隊だ。

その隷下には、203mm自走榴弾砲やMLRSといった陸戦の勝敗を左右する火砲に加え、我が国が世界に誇る地対艦ミサイル3個連隊が設置されているなど、非常に強力な戦力を誇る。

特に地対艦ミサイルについては、我が国独自の防衛思想の中で進化を遂げた、それでいて2019年現在、世界でもっとも注目されている兵科の一つとなっている。

実際にアメリカ軍は、リムパック2018において初めて陸上自衛隊と地対艦ミサイル部隊の参加を要請し、米軍との共同運用に非常に強い関心を示した。

それは、我が国が開発した12式地対艦ミサイルが単に離島防衛に力を発揮すると言うだけでなく、非常に幅広い海域をその射程圏内に納め、なおかつ移動式であるために容易に補足されず、またユニットコストも極めて安価であることによる。

それでいて、特定海域の海上優勢を確保する上で強力な攻撃力を発揮するのだから、興味を示さないわけがないだろう。

陸上自衛隊では、この非常に優れた防衛装備を南西諸島の島嶼部に配置する計画を進めているが、これにより九州から沖縄にかけての海上には、全く穴のない防衛網が形成されることになる。

言い換えればこれは、中国人民解放軍の海上戦力が第一列島線の内側に押し込まれ「お池の艦隊」と化すことを意味するために、インパクトは非常に大きい。

そのようなこともあり、米国の関心が今もっとも高まっている自衛隊が誇る整備のひとつとなっているが、それら部隊を含めた野戦特科の切り札とも言える部隊を、梶原は率いた。

その一方で、野戦特科と言えば2019年現在、FH-70などの火砲を中心に予算削減の狙い撃ちに遭い、次々に部隊の縮小・再編が行われている。

しかしながら、野戦特科における火砲とは、陸戦における勝敗を直接左右する極めて重要な兵科だ。

わかりやすく言えば、湾岸戦争の際に米軍が行った上陸前の徹底的な空爆が、野戦特科の役割にあたる。

すなわち陸上戦闘においては、戦闘初期においては面制圧を目的とする重火砲が、遠距離から敵性勢力の無力化を図る。

そして弱体化した敵の支配地域に機甲科や普通科を投入し、最終的な制圧を図るというのが基本的な戦闘の流れだ。

ではなぜ、そのように重要な兵科が今、どんどんと予算削減の対象になっているのか。

野戦特科を縮減する財務省等のロジックは、「このような上陸戦は、我が国では想定しづらい」というのが、その大きな理由になっているようだ。

しかしながら、我が国の兵器はそもそもが、抑止力として機能することを目的とするところが大きい。

つまり、防衛側に大火力の防衛兵器が備わっているとなれば、上陸側はそれに対抗する装備を持って上陸を図るか、あるいは大規模な損耗を覚悟した大規模部隊で作戦に臨まなければならない。

しかし、そのような大きな動きを見逃すほど我が国の海上防衛網はザルではないので、事実上そのような作戦を奇襲を持って発動することなど不可能である。

一方で、防衛側に大火力の火砲などが無ければどうだろうか。

攻撃側も、迫撃砲など比較的軽武装で小規模な部隊を隠密理に移動させ、着岸させられる可能性が高くなる。

小規模な部隊が小さな船舶で我が国への近接を試みた場合、その全てを補足することが難しいのは、北朝鮮の工作船の例からも明らかだ。

そしてこのような勢力が、密かに海岸付近に橋頭堡を築いていた場合。

即応できる大火力の火砲を万が一持ち合わせて居なければ、鎮圧すべき戦闘の初期段階から非常な苦戦を強いられることになるだろう。

結局のところ、大火力を誇る火砲部隊は、存在していることそのものが安全保障であり、精強であり続けることが、任務そのものだ。

そのため、落とし所が見えない現在の野戦特科の縮減方針には、一国民としても非常な懸念を感じざるを得ない。

ぜひ、その野戦特科を代表する最高幹部である梶原には、その存在感を更に高める活躍を期待したいと願っている。

では、そんな要職を歴任し続ける梶原とはこれまで、どんなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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