竹本竜司(たけもと・りょうじ)|第31期・陸上自衛隊

竹本竜司は昭和39年4月3日生まれ、島根県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第31期の卒業(電)で幹候68期、出身職種は野戦特科で、防衛大学校在学中はフィールドホッケー部に在籍した。

平成29年8月(2017年8月) 第11旅団長・陸将補

前任は陸上幕僚監部人事教育部長であった。

なお、某有名辞書サイトの第11旅団ページでは、竹本の防大期別を第30期と記しているが誤りであり、第31期が正しい(2018年1月現在の記述)。

第31期のエースである竹本だ。

筑波大博士課程を卒業し、幹部学校は高級技術課程を履修している技術系の最高幹部である。

そのキャリアも、野戦特科の幹部として現場指揮をする傍らで装備開発実験隊、技術本部(誘導武器開発官付)と兵器開発の要職を歴任。

一方で、人事系の要職も多く経験するなど、その多才ぶりが目立つ経歴になっている。

その竹本が陸上自衛隊に入隊したのは昭和62年3月。

1等陸佐に昇ったのが平成18年1月、陸将補に昇ったのが24年7月なので、共に31期組1選抜(1番乗り)でのスピード昇任だ。

陸上自衛隊では、1選抜で陸将補に昇ることは陸上幕僚長候補として選抜されることに等しいほどに、大きな意味を持つ。

そしてその31期組において、2018年1月現在で陸将補にある最高幹部たちは以下のようになっている。

沖邑佳彦(第31期)・陸上幕僚監部運用支援・訓練部長(2012年7月)

竹本竜司(第31期)・第11旅団長(2012年7月)

前田忠男(第31期)・陸上幕僚監部防衛部長(2012年7月)

原田智総(第31期)・第15旅団長(2012年7月)

蛭川利幸(第31期)・中部方面総監部幕僚長(2013年3月)

中野義久(第31期)・東部方面総監部幕僚長兼ねて朝霞駐屯地司令(2013年8月)

亀山慎二(第31期)・中央情報隊長(2013年12月)

小和瀬一(第31期相当)・陸上幕僚監部監察官(2014年3月)

藤岡登志樹(第31期)・陸上自衛隊富士学校副校長(2014年8月)

眞弓康次(第31期)・陸上自衛隊武器学校長兼土浦駐屯地司令(2015年2月)

片岡義博(第31期)・第1特科団長兼ねて北千歳駐屯地指令(2015年7月)

吉野俊二(第31期)・陸上自衛隊化学学校長兼大宮駐屯地司令(2015年12月)

森脇良尚(第31期)・第2師団副師団長(2016年12月)

鵜居正行(第31期)・防衛装備庁プロジェクト管理部プロジェクト管理総括官(2017年3月)

野村悟(第31期)・中央即応集団副司令官(2017年3月)

※肩書はいずれも2018年1月現在。( )は陸将補昇任時期。

なお31期組は、2018年夏の将官人事で、最初の陸将に昇るものが選抜される予定の年次にあたる。

上記のうち、1選抜で陸将補に昇った沖邑、前田、竹本、原田の4名は、揃って陸将に昇任する可能性が高いのではないだろうか。

ただし前田の場合、真偽は全く不明だが、一部の左翼系言論人から2017年7月以降、コテンパンに叩かれている。

その趣旨は、南スーダン日報隠蔽問題は前田が主導で仕掛けたスキャンダルであり、制服自衛官の言動として許すことができないというものだ。

その内容は説得力を感じさせるようなものではないが、万が一このような事があるのであれば、昇任だけでなく補職にも影響があるかもしれない。

これはこれで、2018年夏の将官人事で、注目される点だ。

さて次に、その31期組エースである竹本のキャリアを細かく見てみたい。

先述の通り竹本のキャリアは、筑波大博士課程を修了し研究者としての補職が目立つものでは在るが、それは3等陸佐までであり、30代半ば以降は人事系の補職が目立つ。

というよりも、陸幕における補職は人事か教育系のみだ。

さらに、ある意味で「人を扱う最前線」である地本長は東京地方協力本部長で経験。

東京地本長はトップクラスのエリートが補職されるポストであり、このポストを経験したものから方面総監クラスまで昇るものは非常に多い。

2017年夏の人事で、東部方面総監を最後に退役した森山尚直(第26期)や、西部方面総監を最後に退役した小川清史(第26期)も、東京地方協力本部長経験者だ。

現役では、西部方面総監である湯浅悟郎(第28期)、陸上幕僚副長である高田克樹(第29期)も東京地本長経験者となる。

ちなみに湯浅は第33代、高田が第34代で、竹本が第35代。

この人事の状況だけでも、竹本がいかに将来を嘱望されている幹部であるか窺い知ることができるのではないだろうか。

なお、東京地本長のポストをこれだけ持ち上げておいて何だが、東京地本長経験者からは、方面総監クラスまで昇る者は多いが、最後のステップ、つまり陸上幕僚長に昇ったものはまだ一人もいない。

2018年3月に新設される陸上総隊でやや人事の流れが変わるが、2018年1月の段階では、陸上幕僚長は5人いる方面総監の中から選ばれるのが常であった。

その中で、これだけ多くの方面総監クラスを出していながら、最後の一段を昇りきることが無かった東京地本長経験者というのも、要職の中では珍しいかもしれない。

その竹本の、2018年1月現在のポストは第11旅団長。

31期という年齢やこれまでのキャリアを考えると、おそらく第11旅団長の補職は2018年夏までであり、後職ではいずれかの師団長に補職され、陸将に昇任するだろう。

野戦特科出身の最高幹部については、やや苦戦が続いている印象の人事が続いているが、竹本については恐らく間違いなく、1選抜で陸将に進みそうだ。

そしてそうなれば、もちろん5年程度先の、陸上幕僚長候補となる。

研究者肌だが人事にも通じ、現場経験も豊富な竹本だ。

師団長ポストが、西部方面隊隷下にある第4師団か第8師団であれば、ますます先が楽しみになる最高幹部になるのではないだろうか。

まずは、2018年夏の人事を楽しみに待ちたい。

本記事は当初2017年8月11日に公開していたが、加筆修正が重なったので2018年1月3日に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年8月に公開した当時のものをそのまま残している。

なお竹本の第11旅団長着任は2017年8月であるが、この時期の第11旅団は陸上自衛隊と米海兵隊による大規模な共同訓練「ノーザンヴァイパー」が実施される直前であったこともあり、非常に慌ただしい中での着任となった。

「ノーザンヴァイパー」は日米併せて3000人を越える将兵が参加し、この記事をポストした時点でまだ進行中の作戦だ。

北海道大演習場で開かれているこの大規模な訓練には、本来の予定であれば沖縄・普天間基地所属のオスプレイも参加予定であったが、直前に豪州で発生したオスプレイの着艦失敗・死亡事故の影響を受け参加を一時見合わせている。

これは日本政府・小野寺防衛大臣からのオスプレイ飛行自粛要請を受けてのものだが、一転してこの記事をポストする直前の2017年8月11日の正午過ぎ、防衛省はオスプレイの飛行自粛要請を解除し、容認する姿勢に転じ発表した。

おそらく本訓練において、オスプレイとの連携が極めて重要なテーマであったことからオスプレイなしの訓練は想定できないということであろう。

着艦失敗による死亡事故とオスプレイの性能は無関係であり、また機体上の問題で発生した事故ではないことが明らかである以上、妥当な決定であり、速やかに予定通りの訓練が実施されることを願いたい。

第11旅団長着任直後から政治的にも難しい対応を求められている状況だ。

記者会見などでも関連した質問がなされると思うが、とはいえ一部偏向的なメディアの記者につまらない言質を取られる竹本ではないだろう。

堂々としたエースぶりを見せて欲しい。

◆竹本竜司(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
62年3月 陸上自衛隊入隊(第31期)
63年3月 第8特科連隊(北熊本)

平成
2年3月 霞ヶ浦駐屯地業務隊付(筑波大博士課程)(霞ヶ浦)
7年3月 装備開発実験隊(富士)
9年3月 幹部学校・技術高級課程(目黒)
10年1月 3等陸佐
10年3月 技術本部(誘導武器開発官付)(三宿)
12年3月 陸上幕僚監部人事部補任課(檜町)
13年7月 2等陸佐
13年8月 第112特科大隊長(湯布院)
15年8月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練課(市ヶ谷)
16年3月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練計画課(市ヶ谷)
17年8月 幹部学校(目黒)
18年1月 1等陸佐
18年8月 陸上幕僚監部人事部補任課(市ヶ谷)
19年8月 陸上幕僚監部人事部補任課人事第1班長(市ヶ谷)
21年8月 第9特科連隊長(岩手)
22年7月 統合幕僚監部運用部運用第2課長(市ヶ谷)
24年7月 東部方面総監部幕僚副長(防衛)(朝霞) 陸将補
25年8月 東部方面総監部幕僚副長(行政)(朝霞)
26年8月 自衛隊東京地方協力本部長(市ヶ谷)
27年8月 陸上自衛隊富士学校特科部長(富士)
28年7月 陸上幕僚監部人事部長(市ヶ谷)
29年3月 陸上幕僚監部人事教育部長(市ヶ谷)
29年8月 第11旅団長

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第11旅団公式Webサイト(顔写真及び着任式写真、偵察隊画像)

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/11d/head-of-division/index.html

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/11d/organization/teisatsu.html

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コメント

  1. のりまき より:

    竹本陸将、陸将に昇任して早々、大役を仰せつかることになりそうですね。それは陸上自衛隊中央観閲式の観閲部隊指揮官で、総理大臣や防衛大臣や統合・3幕僚長なども観閲する中で参加する隊員の指揮を任される大役です。しかも平成最後の中央観閲式になり、超失敗が許されない観閲式になりそうですね。
    本来は今年は海上自衛隊の番ですが、来年オリンピックの関係で朝霞訓練場とかが使えなくなるので順番が入れ替わった措置らしいです。竹本陸将は前職が第11旅団長とあっていつもなら栄誉礼を受ける立場が久しぶりに栄誉礼を行う立場になり本人はどう思っているのか気になりますね。

    • ytamon より:

      のりまき様コメントありがとうございます。
      のりまきさん、それどころじゃないですよ!
      もちろん私も観閲式は気になっていますが、それよりも(任務に軽重はありませんが)即位の礼!
      即位の礼では、1師団が儀仗隊を出して礼砲を撃つはずです。
      こちらこそ、数十年に1度あるかないかの、失敗が絶対に許されない国家的行事かも知れません!
      竹本陸将、エライ時期に1師団長になったもんだ~笑

  2. のりまき より:

    コメントありがとうございます。そういえば、即位の礼をすっかり忘れていました。即位の礼での礼砲なんて超が5つつくくらい失敗が許されませんね。即位の礼なんて中央観閲式よりも何十年に1回しかない式典なので確かにエライ時に第1師団長になったものですね。失敗すれば、また左翼どもが騒ぐだけでなく、海外にも恥を晒す結果にもなりかねませんからね。
    でもこれは名前を売れるチャンスでもありますね。成功すれば、国民や総理大臣だけなく、次期天皇陛下(現皇太子様)にも名前を覚えてもらえるチャンスですね。