湯浅悟郎(ゆあさ・ごろう)|第28期・陸上自衛隊

湯浅悟郎は昭和34年12月6日生まれ、徳島県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第28期(電気工学科)の卒業で幹候65期、出身職種は普通科だ。

平成29年8月(2017年8月) 第37代西部方面総監・陸将

前職は陸上幕僚副長であった。

2018年1月現在、もっとも注目する必要がある自衛官の一人と言っても良い湯浅だ。

なぜ注目しなければならないのか。

それは、湯浅が陸自第28期組トップエリートの一人であり、28期組で最後まで残った陸上幕僚長候補の一人だからだ。

そして陸上自衛隊では、2018年中に陸上幕僚長が交代する可能性が0ではなく、場合によっては間もなく陸自のトップに着任する事もありえる最高幹部の一人ということである。

普通に考えれば、第36代陸上幕僚長である山崎幸二(第27期)の着任が2017年8月であり、2018年中の交代は想定できない。

さらに、2018年1月現在で幕僚長の若返りが最も進んでいるのは陸上自衛隊であり、今28期組が陸幕長に昇れば、さすがに世代交代が早すぎる印象がある。

その一方で、統合幕僚長である河野克俊(第21期)の統幕長としての任期は2018年5月まで。

さらに河野は、統合幕僚長としての定年を2回に渡り閣議決定で延長された経緯がある。

2度に渡り統幕長の定年が延期されたことは過去に例がなく、3回目の定年延長は、朝鮮半島情勢が準有事でも無い限りなかなか考えづらい。

となれば、2018年5月で統合幕僚長が交代になる可能性が十分考えられるわけだが、その後任人事だ。

統合幕僚長は、他の自衛隊の役職と異なり、選ばれる可能性は3つのポストにあるものに限られる。例外は想定できない。

すなわち、陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長の3名だ。

必ず、このポストにあるものの中から後任が選ばれる。

そうなると、候補となるのは2018年1月現在で以下の3名となる。

山崎幸二(第27期)・陸上幕僚長(2017年8月)

村川豊(第25期)・海上幕僚長(2016年12月)

丸茂吉成(第27期)・航空幕僚長(2017年12月)

※肩書は2018年1月現在。( )は幕僚長着任時期。

一方で統合幕僚長人事は、その前身である統合幕僚会議議長の時代から半世紀以上、実力主義というよりも陸海空の持ち回りという側面が大きい。

さらにその上でも、陸上幕僚長優先で選ばれてきた人事の歴史がある。

すなわち、

陸→海→空

というような形で着任するのが原則であり、たまに

陸→海→陸 または 陸→空→陸

というローテーションになることはあったが、

海→空→海 または 空→海→空

というローテーションになったことは一度もないということだ。

もちろん、陸→陸、海→海、空→空というような連続があったことも一度もない。

そして2018年1月現在で統幕長を務める河野は海上自衛隊出身。

前任であった岩崎茂(第19期)は航空自衛隊出身。

その前任であった折木良一(第16期)は陸上自衛隊出身であった。

すなわち、陸→空→海と来ているわけだ。

順当に考えれば、次の統合幕僚長は陸上自衛隊出身者となる。

海幕長の村川が着任すれば、史上初の海→海となる上に、村川は後方支援(経理)出身から史上初めて海幕長に昇った幹部だ。

その村川がこの安全保障環境の中で、慣例破りとなってまでも、統幕長に昇るとは思えない。

航空幕僚長の丸茂は、2017年12月に着任したばかりであり、2018年5月の段階で統幕長に抜擢になるとは考えづらい。

となれば、2018年5月に統幕長である河野が、3回目となる異例の定年延長措置が取られず、退役となる場合、やはり陸幕長の山崎がその後任になる可能性が高いということになる。

そうなれば、その後任の陸上幕僚長には、28期組のトップエリートから選抜される可能性が高く、湯浅はその候補者の一人ということである。

そのため、その他の28期組の最高幹部とともに、その動向には注目をして、追っていく必要がある年になるということだ。

とは言いながら、なんとなくだが・・・

2018年5月の段階で、3回目となる河野の定年延長があり、「異例の長期政権」となる可能性が最も高いのではないだろうか。

安全保障環境次第ではあるが、いずれにせよそれも含め、自衛隊の最高幹部人事には注目が集まる年になるであろう。

2018年5月の段階で統幕長人事が動くかどうかはともかくとしても、湯浅を含む28期組が、次の陸上幕僚長候補であることは間違いない。

そして2018年1月現在、その候補者はすでに最終的に絞り込まれており、以下の5名がその可能性がある陸将となる。

田浦正人(第28期)・北部方面総監 機甲科出身

住田和明(第28期)・東部方面総監 高射特科出身

岸川公彦(第28期)・中部方面総監 施設科出身

湯浅悟郎(第28期)・西部方面総監 普通科出身

岩谷要(第28期)・陸上自衛隊研究本部長 施設科出身

※肩書は2018年1月現在。

なお通常で考えれば、陸上幕僚長に着任する可能性があるのは、方面総監のポストにあるものに限られる。

研究本部長はいわば「退職ポスト」であり、過去にこのポストにあったものが陸幕長に昇ったことはなく、そのほとんどがこの職を最後に退役となった。

にも関わらず、なぜ岩谷を候補に入れたのか。

それは、2018年3月に予定されている陸自大改革で、陸上自衛隊研究本部は、陸上自衛隊教育訓練研究本部へと改編が予定されているためだ。

このポストは、陸自の研究開発をダイレクトに教育訓練に反映させる役割も担う、戦前で言うところの陸軍教育総監に相当するか、それ以上の要職になる。

教育総監は、陸軍大臣、参謀総長と並び、陸軍三長官と呼ばれた要職中の要職であった。

これに相当する組織は、現代の自衛隊では航空自衛隊の航空教育集団が近く、その司令官は航空幕僚長候補者が務める極めて重要なポストである。

さらに航空教育集団には、研究組織も併せて統合する機能がない分、陸自の教育訓練研究本部長の方がより大きな職責を担うと言って良いだろう。

そのようなことで、その初代本部長に着任するであろう岩谷を候補者に入れたわけだが、おそらく近い将来、陸上幕僚長に昇るものは、同じく2018年3月に発足する陸上総隊の司令官か、教育訓練研究本部長というほどの扱いになるのではないだろうか。

これまでは、5つある方面隊のトップである方面総監から選抜されていた陸幕長人事が、2018年3月を境に大きく変わることになるだろう。

その上で、湯浅の陸幕長着任の可能性だが、実は湯浅は、なぜか28期ストレートである昭和36年度よりも2年も早い、昭和34年12月の生まれだ。

27期の陸幕長である山崎が昭和36年1月生まれであり、本来であれば山崎よりも1年、上の年次にあたる。

そのため、年齢だけで見れば湯浅が山崎の後任に着任すると、年長者が後を継ぐことになる。

もし山崎が通例通り、2年間程度陸上幕僚長を務めることを前提にした場合、湯浅がその後を継げば、着任して直ちに定年にあたる60歳を迎えることから、最初から定年延長の閣議決定が前提になる人事であり、率直に言ってなかなか考えづらいのではないだろうか。

とはいえ先述のように、陸上幕僚長人事は最短で2018年中に動く可能性も0ではなく、その際は湯浅の年齢も58歳だ。

この場合は、少なくとも定年年齢が問題になる可能性は相当低くなることになる。

いずれにせよ、まずは2018年5月に統幕長人事が動くのかどうか。

これによって、自衛隊の人事は玉突きで大きく変わるあるいは変わらない可能性があり、2018年は、陸自の大改革と併せて非常に注目すべき年になるだろう。

引き続き注目して、追っていきたい。

◆湯浅悟郎(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
59年3月 陸上自衛隊入隊(第28期)
60年3月 第42普通科連隊(北熊本)

平成
7年1月 3等陸佐
10年7月 2等陸佐
11年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課(檜町、市ヶ谷)
15年1月 幹部学校付 1等陸佐
15年8月 陸上幕僚監部人事部補任課(市ヶ谷)
16年8月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練計画課企画班長(市ヶ谷)
18年8月 第21普通科連隊長(秋田)
19年12月 陸上幕僚監部人事部補任課長(市ヶ谷)
21年7月 陸将補
21年12月 中部方面総監部幕僚副長(防衛)(伊丹)
23年8月 東京地方協力本部長(市ヶ谷)
25年8月 陸上幕僚監部装備部長(市ヶ谷)
27年3月 第9師団長(青森) 陸将
28年7月 陸上幕僚副長(市ヶ谷)
29年8月 第37代西部方面総監(健軍)

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 西部方面隊公式Webサイト(着任式及び記念行事画像)

http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/kakusyukatudou/koudou/cyakunin/yuasatyakunin.htm

http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/chinzei/29chinzei/29.9/29-9.html

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