鈴木直栄(すずき・なおえい)|第30期・陸上自衛隊

鈴木直栄は昭和38年5月18日生まれ、新潟県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第30期の卒業で幹候67期、出身職種は野戦特科だ。

平成28年3月(2016年3月) 第11代第13旅団長・陸将補

前職は陸上幕僚監部監察官であった。

なお、第13旅団長としての指導方針は以下の通り。

【統 率 方 針】任務完遂
【要 望 事 項】訓練精到 思いやり 地域とともに

第30期組トップエリートの一人である鈴木だ。

特科でありながら後方支援職種も経験するなど、その将補に昇るまでのキャリアは極めて充実しており、30期を代表する最高幹部の一人である。

予算や人員の大幅削減で、財務省から”虐待”を受け続ける野戦特科出身の指揮官だが、幅広い分野に指揮能力の高さを見せ、順調な出世を重ねた。

鈴木が陸上自衛隊に入隊したのは昭和61年3月。

元々は、防衛大学に進学した兄の制服姿に憧れ、後を追うように防衛大学に入学したのが自衛隊を志した動機であった。

残念ながら、実兄のその後の軌跡についてはどれだけ調べても、防衛省の公式プレスで発見することができないので、詳細はわからない。

1等陸佐に昇ったのは平成17年1月。30期組文句なしの1選抜(1番乗り)でのスピード昇任だ。

さらに陸将補に昇ったのが平成25年8月。

こちらは同期1選抜から2年の遅れとなり、その分1等陸佐での現場経験を長く積み上げ、知識に上滑りしない堅実な部隊運用が持ち味の将官であると言って良いだろう。

なお30期組は、この記事をポストしている2017年にちょうど、最初の陸将が誕生した。

夏の定例人事であったが、30期組の陸上幕僚長候補レースとして、まずは頭一つ抜け出した形の陸将1年生は以下の幹部たちだ。

野澤真(第30期)・第2師団長

髙田祐一(第30期)・第4師団長

小野塚貴之(第30期)・第7師団長

吉田圭秀(第30期相当)・第8師団長

(肩書はいずれも2017年11月現在)

鈴木は、この4名に続く第2グループのトップを走る旅団長ということになる。

いずれ劣らぬ知見・実績十分の陸将たちばかりなので、追いつくことはなかなか厳しいかもしれないが、ここからの追い上げを期待したい。

その鈴木が、2017年11月現在で補職されているのは第13旅団の旅団長。

鈴木の出身職種の場合、13旅団長の後職では恐らく陸将に昇任し、いずれかの師団長に補職されることは確実であろうと思われる。

1周遅れにはなったが、先行する同期師団長を追いかける形だ。

分厚い現場経験を活かし、実務的な采配でさらに精強な部隊づくりに、その手腕を発揮することだろう。

なお余談だが、鈴木は1等陸佐時代に陸幕の総務課長という、いわば後方系の職種を経験している。

しかもそれは、あの未曾有の大災害である東日本震災の時であった。

後方支援の責任者として消耗品をかき集め、最前線に送るといういわば「銃後の備え」を経験したわけだが、鈴木は当時のことを振り返り、「縁の下の支援を経験できたことは印象深かった」と述懐する。

日清戦争の頃、後に我が国最高の将軍と讃えられる児玉源太郎は、日本国内に残り兵站の責任者の役目を担った。

能力も実績も十分であった児玉が前線部隊の指揮官にならなかったことは意外な人事のようにも思えるが、これが明治時代の肌感覚であり、兵站というものを重視する現実的な組織であった証左でもあるだろう。

(児玉はそのポストにストレスを感じていたようだが)

鈴木も同様に、後方支援系のポストを経験しその役割の重要性を改めて認識できたことを、非常に良い経験であったと振り返る。

やはり現場経験の豊富な将官は頼もしい。

後職ではぜひ陸将に昇り、さらに活躍の幅を広げることを期待し、その動向を楽しみに追い続けたい。

本記事は当初2017年6月27日に公開していたが、加筆修正が重なったので2017年11月20日に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年6月に公開した当時のものをそのまま残している。

プライベートでは、令夫人と2男1女に恵まれて幸せな家庭を築いているものの、家族は横浜に残し、13旅団官舎には単身赴任中である。

家族を思えば後職は第1師団長が一番居心地がいいかもしれないが、30期の出世頭として、特科出身の幹部として、きっとホットスポットである西方の師団長に着任することになるのではないだろうか。

ご家族には大変申し訳無いが、日本のためにもう少しの間、鈴木の力を我が国の平和と安全のためにお借りしたい。

◆鈴木直栄・第13旅団長(陸将補) 主要経歴

昭和
61年3月 防衛大学校卒
62年3月 第6特科連隊

平成
5年 月 幹部学校
7年 月 富士学校特科部
9年1月 3等陸佐
9年 月 檜町業務隊付
10年 月 陸上幕僚監部教育訓練部(訓練)
12年7月 2等陸佐
13年 月 第7特科連隊第2大隊長
15年 月 陸上幕僚監部教育訓練部(訓練)
16年3月 陸上幕僚監部教育訓練部(教訓)
17年1月 1等陸佐
17年8月 幹部学校
18年8月 統合幕僚監部運用部運用第2課訓練班長
20年8月 第4特科群長兼上富良野駐屯地司令
22年7月 陸上幕僚監部監理部総務課長
24年7月 北部方面総監部人事部長
25年8月 中部方面総監部幕僚副長(防衛) 陸将補
26年8月 陸上幕僚監部監察官
28年3月 第13旅団長

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第13旅団公式Webサイト(訓練写真、レンジャー帰投写真など)

http://www.mod.go.jp/gsdf/mae/13b/news.html

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