楠見晋一(くすみ・しんいち)|第33期・陸上自衛隊

楠見晋一は昭和41年7月11日生まれ、福岡県北九州市出身の陸上自衛官。

防衛大学校第33期の卒業(電気)で幹候70期、出身職種は航空科であり、回転翼機(ヘリコプター)のパイロットだ。

平成29年8月(2017年8月) 東京地方協力本部長・陸将補

前職は防衛大学校防衛学教育学群統率・戦史教育室長であった。

2017年12月現在、東京地方協力本部長の要職を務める楠見だ。

2017年夏の将官人事で陸将補に昇任し、着任した。

早速だが、楠見のキャリアについてだ。

回転翼機(ヘリコプター)のパイロットとして広く現場指揮を執った他、余程コミュニケーション能力や調整能力の高さが際立っていたということなのだろうか。

楠見が地方協力本部長のポストに就くのは、平成24年に着任した岡山地本長に続いて2度目である他、平成16年8月からは、第29代陸幕長で西部方面総監から初めて陸自のトップに昇り詰めた森勉の副官も務めている。

地方協力本部長は、自衛隊と民間を結ぶ最前線であって、自衛隊に入隊する若者にとっては入り口になり、任期制自衛官や定年退職する自衛官にとっては再就職を援護する出口の役割を担う。

その他、防災や危機管理のエキスパートして各種団体や学校などに出向き、講演会を行うこともあるなど、能力の高さだけでなく、人間的な魅力も兼ね備えていないと務まらないポストである。

陸上幕僚長の副官も同様であり、楠見の人柄や魅力が伝わってくるようなキャリアであると言えるだろう。

また東京地本長に着任する前には、防大で統率学(リーダーシップ)を教えていたことも非常に興味深い。

言うまでもなく、幹部自衛官にとってもっとも重要な素養の一つであり、学生たちにとってもっとも重要かつ一生心に残り続け、血肉となる講義のはずだ。

その教官を務めていたということも、併せて楠見のキャリアの中で特に目立つ補職であろう。

ちなみにこちら、平成24年当時、46歳の楠見だ。

岡山地方協力本部に来庁した、ロンドン五輪ボクシングで銅メダルを獲得した清水聡3等陸尉とともに記念撮影をした時のものである。

やはり、とても若々しい。

次に、33期の人事について見てみたい。

2017年8月の将官人事で陸将補に昇った楠見だが、その33期で陸将補に在るものは以下の通りとなっている。

なお33期は、まだ陸将が選抜される年次に到達していない。

2020年夏の将官人事で最初の陸将が選抜される見込みなので、2017年12月現在、33期のトップにある最高幹部たちである。

冨樫勇一(第33期)・統合幕僚監部報道官

山根寿一(第33期)・東北方面総監部幕僚副長

牛嶋築(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長

末吉洋明(第33期)・統幕運用部副部長

児玉恭幸(第33期)・第1空挺団長

堀江祐一(第33期相当)・第8師団副師団長

宮本久徳(第33期)・第1高射特科団長

楠見晋一(第33期)・東京地方協力本部長

梅田将(第33期相当)・大阪地方協力本部長

酒井秀典(第33期)・航空学校副校長

廣惠次郎(第33期)・通信学校長

(※肩書はいずれも2017年12月現在)

この中で、1選抜で陸将補に昇ったものは富樫、末吉、山根、牛嶋の4名。

いずれも平成26年夏の将官人事での陸将補昇任だ。

まずはこの4名が、5~8年後の陸上幕僚長候補として、一つ頭が抜けた状態と言って良いだろう。

とは言え、33期は今、将官として中心になって仕事をしている世代であり、恐らく今後も陸将補に昇るものが出てくることが予想される年次だ。

誰が最初に陸将に昇り、そして陸幕長候補の最終レースに残るのか。

まだまだ先を見通せる状況ではない。

楠見については恐らく、今後はその統率力や人間的魅力、出身職種を併せて考えると、航空学校など教育系の要職で力を発揮していくことになるのではないだろうか。

なお東京地本長経験者からは、自衛隊の最高幹部に昇り詰めたものが多い。

その例は枚挙に暇がないが、現役では、湯浅悟郎(第28期)・西部方面総監や高田克樹(第29期)・陸上幕僚副長も東京地本長経験者である。

(肩書はいずれも2017年12月現在)

それだけこのポストが非常に重要なものであることの証左であるが、楠見への期待の大きさがおわかり頂けるのではないだろうか。

33期なので、まだまだ力を発揮して行く世代である。

楠見の活躍には注目して、今後も追っていきたい。

本記事は当初2017年8月17日に公開していたが、加筆修正が重なったので2017年12月28日に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年8月に公開した当時のものをそのまま残している。

誤解と偏見を承知で言うと、東京地本長のポストには、強面の筋肉ダルマや、笑っているところを見たことがないような鬼の陸自高級幹部が就任したという話は余り聞かない。

前任であった三宅優(第27期)・陸将補もとても優しい顔立ちで、親しみやすい本部長であった。

(なお、第34代の高田克樹(第29期)は例外である・・・)

一方で東京地方協力本部長は、その重要性の特別の高さからであろう。

地本長が将補のポジションであることもさることながら、その後陸将まで昇任し、師団長や方面総監、もしくはその相当職に着任した幹部も多い。

過去37名を数える東京地方協力本部長の中で、この職が勇退ポストとなったものは2名。

それ以外のものは全て、出世への登竜門としてこのポストを通過している。

直近の例で言えば、第31代の森山尚直(26期)は東部方面総監に昇り、第32代の小川清史(26期)は西部方面総監まで昇ってそれぞれ退役。

第33代の湯浅悟郎(28期)は現・西部方面総監で、第34代の高田克樹(第29期)は現・陸上幕僚副長。

第35代の竹本竜司(第30期)は現・第11旅団長で、第36代で楠見の1期上に当たる梶原直樹(第32期)は現・統合幕僚監部防衛計画部長。

そして第37代の三宅優(第27期)が勇退となった跡を継いだのが楠見ということになる。

(※肩書はいずれも2017年8月現在)

いずれ劣らぬ名将ばかりで、陸上幕僚長候補として一度は検討されたことがあるであろう陸将ばかりであり、また現在、候補となっている高級幹部も多い。

そのような極めて重要なポストであり、なおかつ我が国の10年後、20年後の安全保障体制を土台から支える人材を供給する要となる東京地方本部長のポスト。

楠見の任務は極めて重く、自衛隊と国民からの期待も極めて大きい。

ぜひ期待以上の成果を挙げ、さらに上のポストでも活躍していってくれることを期待したい。

◆楠見晋一(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 陸上自衛隊入隊(第33期)
2年3月 北部方面航空隊(札幌丘珠)
9年8月 幹部学校指揮幕僚課程(目黒)
11年8月 体育学校(朝霞)
12年8月 中央業務支援隊付(市ヶ谷)
13年8月 陸上幕僚監部防衛部運用課(市ヶ谷)
16年8月 陸上幕僚長副官(市ヶ谷)
19年3月 幹部学校幹部高級課程(目黒)
19年10月 統合幕僚学校統合高級課程(目黒)
20年3月 第12ヘリコプター隊長(相馬ヶ原)
21年12月 陸上幕僚監部運用支援・情報部情報課地域情報班長(市ヶ谷)
24年4月 岡山地方協力本部長(岡山)
26年3月 東部方面総監部人事部長(朝霞)
28年8月 防衛大学校防衛学教育学群統率・戦史教育室長(防大)
29年8月 東京地方協力本部長(市ヶ谷) 陸将補

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省東京地方協力本部 公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/pco/tokyo/about/d_general_profile.html

防衛省東京地方協力本部 公式facebook(着任式)

https://www.facebook.com/Tokyo-pco-1259126544122281/

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