山根寿一(やまね・としかず)|第33期・陸上自衛隊

山根寿一は昭和41年7月生まれ、鳥取県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第33期の卒業で幹候70期、出身職種は野戦特科だ。

なお、名前だが、日本陸軍の寺内寿一元帥大将を思い出す人も多いかもしれないが、読み方は「としかず」。

残念ながら、寺内元帥と同じ「ひさいち」ではないので注意して欲しい。

平成29年8月(2017年8月) 東北方面総監部幕僚副長・陸将補

前職は陸上自衛隊富士学校特科部長であった。

第33期組の絶対エースである山根だ。

それにしても陸自では、将官になるとプロフィール画像が急にコワモテになる偉い人が多い。

山根もその口で、1佐時代まではメガネをかけ、とても実直な雰囲気が漂う幹部だった印象なのに、富士学校特科部長時代のプロフィール画像はこんなに怖い・・・。

掃海隊群司令時代、「笑う門には福来る」の額縁とともに、満面の笑顔で写った画像をプロフィール写真にしていた湯浅秀樹(第30期)・海上自衛隊幹部学校長のような”猛者”が、陸自にも現れないだろうか。。

コワモテで有名な機甲科の鬼、高田克樹(第29期)・陸上幕僚副長あたりをフォトショを使い笑い顔にして、ダブルピースまでしている画像加工をしたい衝動にいつも駆られるが、防衛省に怒られそうなのでさすがに思いとどまっている。

話を元に戻す。

米国国防大学にも留学し、PKO活動にも参加実績があるなど、極めて充実したキャリアを誇る33期のエースである山根だ。

その経歴はどれも注目するべきものばかりだが、中でも印象深いのは、やはり沖縄地方協力本部長のポストだろう。

通常、地本長ポストは採用活動を行い、あるいは退役する自衛官の再就職を支援し、また自衛隊ならではの知見を活かして地域に貢献する活動を行う責任者となる。

しかし、こと、沖縄地本長にはそれに留まらない特別な意味合いがあることから、東京や大阪と並んで、将補が務める数少ない地本長ポストとなっていることに要注目だ。

すなわち、島嶼防衛に欠かすことができない、自衛隊基地の機能強化や新駐屯地建設に絡む地元調整の役割という重責である。

特に山根が地本長として赴いていた頃は、石垣島と宮古島に陸上自衛隊の新駐屯地を建設するための「地ならし」を行っていた時期に当たる。

なお、余り自衛隊の装備や国防政策に詳しくない人であれば、

「そんな離島に少人数の新基地を作っても、何も変わらないのに、わざわざ建設する必要があるのか」

と思うかもしれない。

しかし、石垣島や宮古島に陸自の新駐屯地ができることのインパクトは極めて大きく、中国人民解放軍目線に立てば、第1列島線から外側に行くことが不可能になるほどに、自衛隊の脅威が増大する。

それほどまでに、石垣や宮古に配備が予定されている地対艦ミサイル連隊と12式誘導弾の性能は際立っているのだが、詳しくは

【コラム】「市民団体」が陸上自衛隊の沖縄新基地に反対する本当の理由とは

で詳述しているのでここでは割愛したい。

興味がある人はリンク先を参照し、参考にして欲しい。

早い話が、特定かつ特殊な一部の勢力の人にとって、沖縄に自衛隊の新基地ができることは極めて不都合であるということだ。

そして驚くほど無意味な反対理由を持ち出し、その建設を阻止しようとする動きも未だに見られる。

山根はそのような時期に沖縄地本長を任され、そして各種説明会などを実施したことから、このような極めて一部の勢力から当時、相当な攻撃対象になった。

エースであるからこそ任された極めて重大なポストではあるが、通常の業務とは明らかに勝手が違う中で、山根もかなり苦労をしたのではないだろうか。

なお、ここで言う「極めて特殊な一部の勢力」は、真摯に平和を願い、故郷を思いながら基地反対運動をしている沖縄の一般市民の方々を指すものではない。

沖縄に自衛隊の基地ができることに脅威を感じる勢力と結びつき、このような地元の平和への思いとともに在ろうとする自衛隊を敵視する、文字通り特殊な人々のことだ。

沖縄の一般市民と、このような特殊な運動をしている勢力とを同一視しては絶対にならない。

さて、その山根と動機である33期の出世レースと、山根の状況である。

山根が陸上自衛隊に入隊したのは平成元年。

1等陸佐に昇ったのが平成20年1月で陸将補に昇ったのが26年8月なので、共に33期組の1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。

これ以上早い昇任はない、超にもう一つ超がつくほどの、スーパーエリートである。

陸上自衛隊では、1選抜で陸将補に昇ることは、そのまま1選抜で陸将・師団長に昇るキャリアを辿る可能性が極めて高く、近い将来の陸上幕僚長候補になることを意味する。

そういった意味で、山根は5~7年後の有力な陸上幕僚長候補であると言って良いだろう。

その33期で、2018年1月現在で陸将補にあるものは以下の幹部たちだ。

なお33期組は、2020年夏の将官人事で最初の陸将が選抜される世代になる。

そのため、33期のトップ集団を走るスーパーエリート名簿と言い換えてもいいだろう。

冨樫勇一(第33期)・統合幕僚監部報道官(2014年8月)

山根寿一(第33期)・東北方面総監部幕僚副長(2014年8月)

牛嶋築(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長(2014年8月)

末吉洋明(第33期)・統幕運用部副部長(2014年8月)

廣惠次郎(第33期)・通信学校長(2015年3月)

児玉恭幸(第33期)・第1空挺団長(2015年8月)

梅田将(第33期相当)・大阪地方協力本部長(2015年12月)

酒井秀典(第33期)・航空学校副校長(2016年3月)

宮本久徳(第33期)・第1高射特科団長(2016年12月)

堀江祐一(第33期相当)・第8師団副師団長(2017年3月)

楠見晋一(第33期)・東京地方協力本部長(2017年8月)

※肩書はいずれも2018年1月現在。( )内は陸将補昇任時期。

まずは冨樫、山根、牛嶋、末吉の4名が33期組の中で、頭一つ抜け出している状態だ。

2020年には、この4名がそのまま1選抜で陸将に昇る可能性が高いと予想して、まず間違いないだろう。

もちろん、まだ2年半も先のことであり、その間に不幸にして何らかの服務事故が起きてしまうか。

あるいは予想外に、将補としての能力に欠けると評価されるものが出るとも限らないのでまだまだ予想は固まらないが、いずれにせよこの4名が中心になり、陸幕長候補レースが展開されることだけは間違いないだろう。

なお自衛官の活躍について、その人柄までも伝わってくることはなかなか無く断片的ではあるが、そのような中で上記1選抜組である末吉洋明(第33期)・統幕運用部副部長は、本当に能力・人格ともに優れた方であるといつも敬服して活躍を拝見している。

まだそちらのページが未読であれば、ぜひ一度目を通して欲しい最高幹部だ。

国防の最前線である沖縄で、非常に得難い経験と知見を積んだ山根だ。

今後とも活躍し要職を歴任することは確実であり、注目し応援していきたい。

本記事は当初2017年8月24日に公開していたが、加筆修正が重なったので2018年2月3日に整理し、改めて公開した。

◆山根寿一(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 陸上絵自衛隊入隊(第33期)
9年 月 ゴラン高原PKO(UNDOF)司令部要員
12年1月 3等陸佐
15年7月 2等陸佐
17年8月 第11特科連隊第1大隊長
18年8月 陸上幕僚監部防衛課
20年1月 1等陸佐
20年3月 陸上自衛隊 中央情報隊付(米国国防大留学)
21年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課防衛班長
23年8月 第10特科連隊長兼ねて豊川駐屯地司令
24年7月 陸上幕僚監部装備部装備計画課長
26年8月 自衛隊沖縄地方協力本部長 陸将補
28年7月 陸上自衛隊富士学校特科部長
29年8月 東北方面総監部幕僚副長

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省統合幕僚学校 公式Webサイト(研修風景)

http://www.mod.go.jp/js/jsc/school/section_education_domestic_280517.html

防衛省陸上自衛隊 富士学校公式Webサイト(顔写真、演習風景)

http://www.mod.go.jp/gsdf/fsh/gakuyu/gakuyu.html

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