大場剛(おおば・たけし)|第34期・陸上自衛隊

大場剛は昭和43年1月生まれ、山形県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第34期の卒業で71幹候、出身職種は野戦特科。

平成29年8月(2017年8月) 第4師団副師団長兼ねて福岡駐屯地司令・陸将補

前職は統合幕僚監部防衛計画部計画課長であった。

幹部自衛官としては異例の丸々3年間、防衛計画部計画課長のポストに在り、満を持して陸将補に昇進して第4師団の副師団長に就任した。

34期の若さで陸将補なので、やがて陸将に昇り、陸上自衛隊の最高幹部に昇りつめるキャリアだ。

その大場は野戦特科出身だが、経歴を見ると、中央即応集団の防衛部長や陸幕教育訓練課訓練・演習班長、統幕防衛計画部計画課長といった要職を順調に重ね、昇進を果たしている。

中でも印象的なものは、特科団の華である第1特科団隷下にある第4特科群の郡長であろうか。

第1特科団は自衛隊の中で唯一、団編成の規模を持つ特科部隊で、その警戒担当地域は上級組織である北部方面隊と同じ北海道全域。

その強力な火砲をふんだんに取り揃えた装備と共に、かつて冷戦時代に対ソ戦が現実的であった時代には、我が国の北方を大火力で守る、極めて特別な存在であった。

もちろん、ソ連が崩壊しロシアになったからといってその存在感にゆるぎはない。

ロシアが本能的に南方進出を求め続け、機会があれば北海道を奪取する意志を持ち続けていることは、1945年8月15日の我が国の降伏を受けてもなお戦闘行為を止めず、というよりも降伏したからこそ北方に攻め入って来たことからも明らかであろう。

占守島の戦いにおいて、もし堤不夾貴中将以下91師団精鋭による防衛戦が戦われていなければ、日本は北海道北部地域まで全てソ連軍に占領されていたことに疑いの余地はない。

そして既成事実として、最悪の場合北海道の全土が領土の割譲対象になっていたはずだ。

2017年現在、ロシアは「もう武力の時代ではない」と考えを改め、日本と仲良くしようと考えているわけではない。

ロシアが北海道に侵攻しないのは、単にそうするほうが現時点では損であるからだ。

この場合の損得勘定とは、侵攻し奪取するために必要な戦力と予算、受けるであろう損害、占領後の国際社会からの批判などといったもので、その割が合わないからしないというだけである。

現にプーチン大統領は、2014年2月から、その「割が良い」と判断したクリミア半島へは躊躇なく武力侵攻、その占領と自国領土化の既成事実を進めている。

このような意志を挫くのは間違いなく強力な防衛力の存在であり、なおかつそのような武力を持ちながらも平和を愛し、世界の平和的な発展に貢献し続け国際的に強い支持を集めている、自衛隊の存在である。

まさに自衛隊が、敵に回すとあらゆる意味で損な存在であるからだ。

そして対ロシア戦を想定した場合、北部方面隊の防衛力を高め維持しておくことこそ平和を守る何よりの手段であり、その隷下にある第1特科団、さらにその隷下で多連装ロケットシステムや203mm自走榴弾砲といった強力な火砲を備え、士気も練度も最高の状態にある第4特科群などが果たしている役割は大きい。

いわば北部方面隊の総予備隊のような位置づけで、北海道北部にロシア軍が上陸すれば第3連隊の支援に駆けつけ、西部から侵攻を開始すれば26普通科連隊とともに戦い、ベレンコ中尉亡命事件のように北海道西南に着上陸を試みれば、28普通科連隊とともにその意志を挫くだろう。

野戦特科のエキスパートとしてこの第1特科団隷下で、第4特科群長の要職を経験できたことは、大場にとっても極めて大きな財産になったはずだ。

そしてその大場が2017年8月現在補職されているのが第4師団の副師団長職。

陸将補に昇進して最初のポストとなったが、実は師団長である髙田祐一(第30期)も陸将昇進で最初のポストとして、同時期である2017年8月に師団長に就任した。

髙田陸将は30期のエースであり、第2師団長の野澤真(第30期)、第7師団長の小野塚貴之(第30期)、第8師団長で東大出身の吉田圭秀(第30期相当)の3人とともに、4年後の陸上幕僚長最有力候補の一人となっている。

おそらくこの4名は、最後まで同格の陸将職を歴任し、陸幕長を争うだろう。

そんなエースの下で副師団長を務めることになった大場には、得るものが多い、非常に充実した副師団長職となるはずだ。

地理的条件を見ても、第4師団の所在する福岡は我が国の安全保障環境を考える上で危機が起こりうる場所に最も近く、西部方面隊隷下として、いったん東アジアに有事があった際には、相当な混乱が予想される北部九州地域を防備する師団である。

その役割は大きく、中国軍との有事も想定され、危機への具体的な対応も起こりうる西部方面隊隷下主力師団の一つとして、野戦特科出身である大場の知見に頼るところは大きい。

陸将補の最初のポストとして非常にやりがいのある現場であると思われるが、国民の大きな期待に応え、さらに活躍し結果を出し続けることを、大いに期待したい。

◆大場剛(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
2年3月 防衛大学校卒業(第34期)
年 月 中央即応集団防衛部長
年 月 陸上幕僚監部教育訓練課訓練・演習班長
24年4月 第4特科群長兼ねて上富良野駐屯地司令
26年3月 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官
26年8月 統合幕僚監部防衛計画部計画課長
29年8月 第4師団副師団長兼ねて福岡駐屯地司令

◆姓名判断

論理的思考を大事にし、物事を考える出発点として感情ではなく必ず理論からアプローチする人物に多く見られる相。

極めて優秀な人物が多い反面、仕事に対する要求品質は職人レベルであり、また自らも職人のように、高い精度とクオリティで仕事を完成させないと納得しない。

そのため、大きな組織のトップリーダーよりも、トップリーダーを支える優秀な参謀のポジションが一番のハマりどころである人物が多い。

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的とし、軽量化処理やオリジナルからトリミングし切り取って用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第1特科団公式Webサイト(離任式写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/1ab/topic/topiccontent/topic26320rityakunin4gp/topic26320rityakunin4gp.html

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