秋葉瑞穂 (あきば・みずほ)|第30期・陸上自衛隊

秋葉瑞穂は昭和38年7月生まれ、鹿児島県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第30期の卒業で幹候67期、出身職種は施設科だ。

平成27年8月(2015年8月) 第5施設団長兼ねて小郡駐屯地司令・陸将補

前職は自衛隊福岡地方協力本部長であった。

2018年2月現在、福岡県小郡市に所在する第5施設団長を務める秋葉だ。

このポストに就いたのが2015年8月だったので、既に2年6ヶ月の在任になる。

最高幹部の補職としては長めだが、おそらく2018年3月の異動で次のポストに異動になるものと思われ、この記事更新から間もなくしてポストが変わる可能性が高い。

その秋葉だが、施設科のエリート幹部として非常に充実したキャリアを誇り、また数多くの災害現場でも活躍してきた。

若き3等陸佐の時代には第8次ゴラン高原派遣輸送隊長としてシリアとイスラエルの停戦監視活動に参加。

これは、国連のUNDOF(国連兵力引き離し監視軍)が担ったPKO活動に際し、日本も後方支援部隊を送り込むことで国際貢献を行ったものだが、秋葉はその最後の輸送隊長である。

なおこの際、日本部隊の撤収が決まったのは現地の政情不安と戦闘激化によるものであり、その撤収部隊には極めて大きな危険が伴った。

戦力が漸減していく中で、戦場とも言える地域から順次撤退をしていくという経験は自衛隊が初めて直面する危機であったが秋葉はこの任務を無事に完遂。

帰国後に、当時の小渕総理大臣から直々に慰労を受けるという経験もすることになる。

秋葉の活躍は災派(災害派遣)の現場でも際立っていた。

2017年7月に発生した九州北部豪雨については、今も記憶に新しい人が多いかもしれない。

福岡県や大分県の広範囲に甚大な被害を出したこの災害では37名もの尊い命が失われたが、この災害に対する秋葉の行動は極めて迅速であった。

時に2017年7月5日の昼過ぎ。

降雨の状況から大災害になると見込んだ秋葉は、特に災害の危険性が高いと判断した朝倉市一帯を担当区域とする第5施設団隷下の第9施設群内に災害指揮所を設置。

いつでも災害派遣出動ができる体制を取るよう隷下全ての部隊に下達するが、この秋葉の想定は不幸にも的中してしまい、同日の夜7時には福岡県知事から災害派遣要請が寄せられる。

不幸中の幸いと言ってよいのであろうか。

この災害においては、秋葉の周到な準備もあり、第5施設団隷下部隊は被害地域に極めて迅速に展開することができ、多くの人命救助に貢献。

さらにその後の瓦礫撤去や復興作業といえば、陸上自衛隊が世界に誇る施設部隊の”お家芸”である。

数ヶ月間に渡り現地に留まり、市民の命を守り、生活を取り戻すことに全力を傾け、ここでも自衛隊の存在感を私達国民に大きく示してくれた。

なお秋葉はこの際、被災地を慰問に訪れた天皇・皇后両陛下から直々にお声がけを受け、復興活動におけるその活躍に際し、慰労のお言葉を頂く栄誉を受けている。

直立不動で両陛下の前に立ち、直接お言葉を頂く様子は感動的ですらあったが、これもまた自衛隊の活躍が広く国民に受け入れられ、愛される存在になったことへの一つの象徴的な出来事だったと言えるだろう。

さて最後に、その秋葉の昇任と同期の動向についてみてみたい。

秋葉が陸上自衛隊に入隊したのは昭和61年3月。

CGS(指揮幕僚課程)も出ているエリート自衛官だが、1等陸佐に昇ったのは意外にも1選抜(1番乗り)から半年遅れの平成17年7月であった。

陸将補に昇ったのは27年8月なので、こちらは同期1選抜の4年遅れと言うことになるが、現場指揮を十分に積んだ上での、上滑りしない堅実な仕事ぶりが持ち味の指揮官と言って良いだろう。

なおその30期だが、最初の陸将が選抜されたのは2017年夏の将官人事だった。

そして2018年2月現在で、30期組で陸将にある最高幹部たちは以下のようになっている。

髙田祐一(第30期)・第4師団長(普通科出身・2017年8月)

野澤真(第30期)・第2師団長(野戦特科出身・2017年8月)

小野塚貴之(第30期)・第7師団長(施設課出身・2017年8月)

吉田圭秀(第30期相当)・第8師団長(普通科出身・2017年8月)

田中重伸(第30期)・第3師団長(航空科出身・2017年12月)

※肩書はいずれも2018年2月現在。( )は陸将昇任時期。

まずは1選抜で陸将に昇った髙田、野澤、小野塚、吉田の4名を中心に、30期組の最高幹部人事は進んでいくことになるだろう。

そしておそらく、この中でも30期組では髙田が特に、近い将来の陸上幕僚長候補としての存在感を大きくしつつある。

あるいは2021年頃にかけて、30期組から陸上幕僚長が選抜されることになるかもしれない。

秋葉については、その現実的で極めて的確な指揮能力について評価を固めており、今後もますます活躍の場を広げることは確実だ。

まずは2018年3月にも予想される将官人事でどのポストに異動することになるのか。

その動向を楽しみにしながら注目し、そして応援していきたい。

本記事は当初2017年9月1日に公開していたが、加筆修正が重なったので2018年2月28日に整理し、改めて公開した。

◆秋葉瑞穂 (陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
61年3月 陸上自衛隊入隊(第30期)

平成
5年3月 第1施設大隊第2中隊長
7年3月 第1師団司令部第3部
7年8月 幹部学校(指揮幕僚課程)
9年1月 3等陸佐
9年8月 第5施設団本部
11年7月 第8次ゴラン高原派遣輸送隊長
12年3月 陸上幕僚監部防衛部
12年7月 2等陸佐
15年8月 防衛研究所
17年7月 1等陸佐
17年8月 幹部学校
18年8月 東部方面総監部防衛部防衛課長
21年3月 国際活動教育隊長兼ねて駒門駐屯地司令
24年3月 東部方面総監部人事部長
26年3月 自衛隊福岡地方協力本部長
27年8月 第5施設団長兼ねて小郡駐屯地司令 陸将補

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第5施設団公式Webサイト(顔写真及びレセプション画像)

http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/link/5ebhp/danntyou/newpage42.html

http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/link/5ebhp/gyouzi/gasikoukankai/newpage1.html

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