出口佳努(でぐち・かつと)|第30期相当・海上自衛隊

出口佳努は昭和37年6月生まれ、大阪府出身の海上自衛官。

岡山大学を昭和61年3月に卒業し海上自衛隊に入隊しているので、幹候は37期で防衛大学校第30期相当の入隊ということになる。

平成29年8月(2017年8月) 統合幕僚学校長・海将

前職は佐世保地方総監部幕僚長であった。

いろいろな意味で凄い海将である、30期組絶対エースの出口だ。

30期組は2017年夏の将官人事で最初の将が選ばれた世代になるが、この際に海上自衛隊で海将に1選抜で選抜されたのは、一般大学出身である出口ただ一人。

一般に自衛隊は防衛大学校卒業生でなければ出世ができない、あるいは出世が遅いと言われており、実際にそのような人事になっている傾向があるが、そのような”ハンディキャップ”を乗り越えての、堂々の海将昇任であった。

なお、海将補としての最後の補職は佐世保地方総監部幕僚長であったが、この際に仕えた総監の一人が、村川豊(第25期)の跡を継ぎ、第34代海上幕僚長に着任するであろう山下万喜(第27期)

上記の画像は、その山下と出口が並んで帽振れで艦船を見送る、マラバール2016に於ける貴重な一コマだ。

次期海上幕僚長に着任するであろう山下と、あるいは防衛大学校1期生の着任以降では史上初となる、一般大学から海幕長に着任するかもしれない出口である。

2018年12月にも予想される山下の海幕長着任と併せ、佐世保や横須賀といった主力地方隊の総監に着任し、山下の後釜を狙うことになるかもしれない。

それにしても、この出口の笑顔の魅力は相当なものだ。

そういえば、様々なシーンでの活動記録が残っている出口だが、その多くが笑顔であり、人を惹き付ける魅力にあふれている。

あるいは一般大学出身でありながらここまでの出世を果たしている男の、大きな武器の一つなのかもしれない。

なお出口は、2018年2月現在で統合幕僚学校長に補職されているが、このポストに補職される一般大学出身者も、事実上史上初めてと言って良い。

正確には、第21代校長の坂入和郎以来史上2人目ではあるのだが、坂入が校長に着任した時期は、「空白の80年代」のことだ。

かつて1980年代までは、陸海空の幹部は戦前の日本軍出身者で占められており、防衛大学校1期生が供給されるまで、陸士や海兵出身者が我が国の国防を担い続けてきた。

そして防衛大学校1期生が将に昇り、最高幹部として活躍し始めたのが1980年代後半である。

つまり、1980年代初頭から半ば頃にかけての時期は、まだ防衛大学校出身者が将に昇る年次に達しておらず、その一方で陸士や海兵出身者は定年を迎え、そのほとんどが退役してしまうという「人事の空白」が発生してしまった。

そしてこの時期、今から見れば極めて「異様」と言っても良いかもしれないが、陸海空の幕僚長も一般大学出身者で占められ、主要ポストも全て一般大学出身者が着任していた。

陸自において、全ての地方総監が一般大学出身者である時代など、後にも先にも2度と起こり得ない現象だろう。

坂入はこの時期に統合幕僚学校長に着任しているので、言わば一般大学出身者しか候補者がいない中での、学校長着任であった。

そのため、防衛大学校出身者を含め非常に優秀な候補者が多くいる中で、一般大学出身者が統合幕僚学校長に選ばれたのは、出口が史上初と言って良いだろう、という意味である。

これもまた、出口の「凄さ」をうかがい知ることができる人事の一つだ。

こちら、出口の統合幕僚学校長としてのプロフィール画像だ。

それにしても、着帽するだけで・・・なんというか。。

髪の毛の様子がわからないだけで、人の印象はまるで変わるものである。

まるで日本海軍の名提督のポートレートであるかのように、イケメンで堂々とした提督ぶりだ。

基地問題で大騒ぎしているどこかの知事がかぶりものをするのも無理はない、本当に印象が。。

それはそうとして、その30期の海上幕僚長候補レースの行方だ。

2018年2月現在で、海上自衛隊の第30期及び第30期相当で海将に在るものは以下の2名である。

出口佳努(第30期相当)・統合幕僚学校長(2017年8月)

湯浅秀樹(第30期)・海上自衛隊幹部学校長(2017年12月)

※肩書は2018年2月現在。( )は海将昇任時期。

上記のように、航空畑出身の出口が1選抜で海将に昇り、それを水上艦艇出身の湯浅が追う構図となっている。

あるいは2018年3月あたりで、30期から海将に昇るものがいなければ、30期組の海上幕僚長候補者はこの両名に絞り込まれるかもしれない。

出口は航空畑出身の海将だが、その専門は固定翼哨戒機。

固定翼哨戒機は、我が国周辺の海域を警戒する役割においても、PKOをはじめとした国際貢献活動でも、ますますその重要性が増している兵科だ。

そういった意味においては、本当に出口は、「空白の80年代」以来となる、一般大学出身の海上幕僚長に選抜されてしまうかもしれない。

後方系職種(経理)出身である村川を海上幕僚長に抜擢する人事で、自衛隊内外を大いに驚かせた海上自衛隊のことだ。

次の海上幕僚長こそ、エリート街道ど真ん中を歩んできた山下万喜(第27期)が着任することは疑いようがないが、その次か、もしくは次の次の海幕長人事で出口を選び、再び世間を驚かせる可能性があるだろう。

そういった意味でも出口の今後の補職と活躍には大いに注目し、そして応援していきたい。

本記事は当初2017年9月1日に公開していたが、加筆修正が重なったので2018年2月8日に整理し、改めて公開した。

◆出口佳努(海上自衛隊) 主要経歴

昭和
61年3月 海上自衛隊入隊(第30期)

平成
9年1月 3等海佐
13年1月 2等海佐
14年3月 第7航空隊
15年3月 第1航空隊飛行隊長
16年3月 海上幕僚監部防衛課
17年1月 1等海佐
18年8月 海上自衛隊幹部学校図演装置運用課計画指導班長
20年3月 海上幕僚監部防衛部装備体系課航空機体系班長
21年7月 第3航空隊司令
22年3月 海上幕僚監部防衛部防衛課防衛調整官兼ねて海上自衛隊幹部学校勤務
22年7月 海上幕僚監部防衛部防衛課長
23年8月 第1航空群司令 海将補
24年7月 防衛監察本部監察官
25年8月 海上幕僚監部総務部副部長
27年8月 佐世保地方総監部幕僚長
29年8月 統合幕僚学校長 海将

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省統合幕僚監部 統合幕僚学校公式Webサイト(顔写真及び行事写真)

http://www.mod.go.jp/js/jsc/school/message.html

http://www.mod.go.jp/js/jsc/school/topics_290905.html

防衛省海上自衛隊 公式facebookサイト(マラバール2016画像)

https://www.facebook.com/JMSDF.PAO.fp/

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