住田和明(すみだ・かずあき)|第28期・陸上自衛隊

住田和明は昭和36年10月6日生まれ、山口県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第28期の卒業で幹候65期、出身職種は高射特科だ。

平成29年8月(2017年8月) 東部方面総監・陸将。

前職は統合幕僚副長であった。

28期組のトップエリートにして、第36代陸上幕僚長・山崎幸二(第27期)の跡を継ぎ、第37代陸上幕僚長に着任する可能性が極めて高いと言っていだろう。

住田和明である。

近年にない大豊作の年である28期組の中にあっても、さらに群を抜いて陸上自衛隊の王道を駆け抜けてきた男だ。

現場指揮においても、陸幕においても常に中枢を歩み続けてきた、文句なしの次期陸幕長最有力候補である。

まずは簡単に、その住田のキャリアと昇任の歴史を見ていきたい。

陸上自衛隊に入隊したのは昭和59年3月。

1等陸佐、陸将補、陸将に昇ったのはそれぞれ平成15年1月、21年7月、27年8月であり、自衛隊の人事制度上でこれ以上のスピード昇進はない、全てにおいて最速の1選抜(1番乗り)での昇任であった。

その間に歴任したポストは、現場では第1高射特科団長(東千歳)、第2師団長(旭川)など。

陸幕や統幕においては防衛部防衛課長、防衛部防衛部長、統合幕僚副長といった要職ばかりであり、眩しいほどのキャリアを引き下げて東部方面総監に着任した。

ここまでくれば、後は陸上幕僚長に昇る時期と、2018年3月に新設される陸上総隊司令官を経験するのか。

興味はその2点に絞られていると言えば言い過ぎであろうか。

とは言え、過去には陸上幕僚長着任が確実視されていた番匠幸一郎(第24期)を退役させるなど、予測の付かない人事が繰り返されたのが自衛隊最高幹部人事だ。

海上自衛隊においては、護衛艦隊司令官、佐世保地方総監、自衛艦隊司令官を歴任するという、冗談のような凄いキャリアを歩んできた香田洋二(第16期)が、やはり海上幕僚長着任が確実視されていたにも関わらず、退役になった事例もある。

確実視されている人事ほど脆いものはないともいえるので、あるいは住田もまだまだ先が見えないと言った方がいいかもしれない。

なお、その住田と共に第28期組の出世レースで、最終出走馬となったのは以下の5名だ。

岸川公彦(第28期)・中部方面総監 施設科出身

湯浅悟郎(第28期)・西部方面総監 普通科出身

住田和明(第28期)・東部方面総監 高射特科出身

田浦正人(第28期)・北部方面総監 機甲科出身

岩谷要(第28期)・陸上自衛隊研究本部長 施設科出身

これら5名のうち、誰が次期陸上幕僚長に着任する可能性が高いのか。

その理由と見通しについてはこちらのコラム

【コラム】次期陸上幕僚長人事予想|第37代・2017年10月予想

で詳述しているのでここでは割愛するが、いずれにせよ28期組から陸上幕僚長が誕生する状況になった場合、この5名から選ばれることは確実だ。

そしてその場合は恐らく岸川、住田、岩谷のいずれかであり、なおかつ住田の可能性が一番高いであろうと予想している。

一方で、もう一つ気になるのが2018年3月に創隊が予定されている陸上総隊。

その初代司令官には誰が着任するのか、といった予想も、2017年11月現在でもっとも注目を集めている人事だろう。

まず確実な前提から抑えていくと、陸上総隊は中央即応集団隷下の最精鋭部隊を直轄し、なおかつ5つある方面隊全ても隷下に納める組織だ。

その司令官職は極めて絶大な力を持つことになり、政治的観点からも、その司令官人事には慎重になる必要がある、自衛隊の中でもっとも権力が集中するポストになると言ってよい。

当然のことながら、航空自衛隊の航空総隊、海上自衛隊の自衛艦隊司令官がそうであるように、このポストは陸上幕僚長に就く者の、最後の通過点になる可能性が極めて高い。

そうなれば、初代の陸上総隊司令官には28期組の中から、頭一つ抜け出したものが着任するのか。

あるいは陸上幕僚長である山崎と同期の27組でありながら、山崎の陸上幕僚長着任後にあっても陸将のポストにあり続けている6名の最高幹部。

この6名のうち誰かが暫定的に初代陸上総隊司令官に着任するのか。

この2つの方向性のいずれかであると思われるが、もし27期組の将官の中から誰かが初代陸上総隊司令官に着任するのであれば、それは山之上哲郎(第27期)・東北方面総監以外はまず無いだろう。

山之上は普通科出身で、第1空挺団長も務めた戦闘のエキスパートだ。

陸上総隊が中央即応集団を直轄し、各方面隊の上級組織となる以上、これらの役職を経験しているのは山之上のみであり、極めて自然な人事である。

一方で、既に27期組からは山崎が陸幕長に着任している状況で、今よりもさらに格上のポストに、同期である山之上を昇格させるのは前代未聞の人事だ。

キャリアや能力から考えれば極めて自然であっても、本当にこんな慣例破りの人事を実行することが出来るのか。

このシナリオでは、その点だけがなかなか現実には難しそうと思える考えどころになる。

次に、28期組の中からいずれかを、頭一つ抜けさせて陸上総隊初代司令官に着任させるシナリオの場合である。

この場合、自然に考えてこの時に選ばれた者が、28期組の陸幕長候補としても抜きん出るということになる。

そのため、それは岸川、住田、岩谷のいずれかということになるが、この中で岩谷はまずないだろう。

なぜか。

岩谷はおそらく、同じ2018年3月に陸上自衛隊に新設される、陸上自衛隊教育訓練研究本部長に横スライドで着任する可能性が高いからだ。

同組織は、岩谷が本部長を務めている陸上自衛隊研究本部の機能を拡充させて新編されるものだが、おそらくこの組織のトップである本部長は、陸上総隊司令官と同格のポストになる可能性が高い。

つまり、陸上総隊司令官と並び、陸上幕僚長に着任するものが最後に通過するポストになる可能性が高いと見ているわけだが、その理由についてはこちらのコラム、

【新組織】陸上自衛隊・教育訓練研究本部 その役割と将来性

で詳述しているのでここでは割愛する。

要するに、教育・訓練と研究を束ねる組織は、戦前の陸軍3官の一つ、教育総監に匹敵するかそれ以上の役割を担うことになり、なおかつ、航空自衛隊の類似組織である航空教育集団以上の役割を担う。

航空教育集団司令官は、後職で航空幕僚長に昇ることもあり得る最重要ポストの1つであることから考えても、陸自で同等かそれ以上の扱いにならないはずが無いということである。

このポストは、岩谷がそのまま横スライドで着任するだろう。

つまり、28期組の中から初代陸上総隊司令官が誕生する場合、岸川か住田のいずれかと言うことになるはずだ。

そしてこのシナリオの場合、このいずれかと岩谷が、28期組の最後のレースを争うということになるだろう。

そしてそれは、住田である可能性が高い。

高射特科という出身職種は、南西海域における離島防衛においても欠かすことのできない兵科だ。

地対艦ミサイル連隊と並び、2017年11月現在、陸上自衛隊においてもっとも注目を集めている兵科でもあり、今後ますます、その重要性は高まっていくであろう。

このようなことを考え合わせると、やはり28期組の本命は住田であると考えて、差支え無さそうである。

本記事は当初2017年6月23日に公開していたが、加筆修正が重なったので2017年11月7日に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年6月に公開した当時のものをそのまま残している。

◆住田和明(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
59年3月 防衛大学校卒業

平成
7年1月 3等陸佐
10年7月 2等陸佐
15年1月 陸上幕僚監部防衛部防衛課 1等陸佐
15年8月 幹部学校付 防衛研究所一般課程
16年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課防衛班長
18年12月 第8高射特科群長
20年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛課長
21年7月 陸将補
22年3月 第1高射特科団長
23年8月 中部方面総監部幕僚副長
25年8月 陸上幕僚監部防衛部長
27年8月 第2師団長 陸将
28年7月 統合幕僚副長
29年8月 東部方面総監

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第2師団公式Webサイト(式典画像)

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/2d/event/28souritu/28souritu.html

防衛省陸上自衛隊 東部方面隊公式Webサイト(顔写真及び着任式)

http://www.mod.go.jp/gsdf/eae/acg/acg.html

http://www.mod.go.jp/gsdf/eae/new/2908c.html

防衛省 統合幕僚監部公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/js/Joint-Staff/js_vcs.htm

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