酒瀬川友博(さかせがわ・ともひろ)|第31期・陸上自衛隊

酒瀬川友博は昭和40年1月7日生まれ、鹿児島県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第31期の卒業で職種は航空科だ。

平成27年12月(2015年12月) 第7代自衛隊香川地方協力本部長・1等陸佐

前職は陸上自衛隊幹部学校教官であった。

酒瀬川は自らも回転翼機のパイロットであり、自衛隊入隊以来、ヘリコプターパイロット1本でキャリアを積み上げてきた高級幹部だ。

その経歴は徹底して陸自のヘリ部隊とともにあり、高級幹部への道を選んだゆえに陸幕と現場の往復だが、その中で平成9年以来、18年ぶりの地本業務として香川県に赴任した。

なおかつ今回は香川地方協力本部長。

回転翼航空機のパイロットらしい、精悍でありながら冷静沈着で、人を惹き付ける人柄が滲み出ている甘いマスクはまさに地本長に適任の高級幹部であろう。

地本長は地域の諸行事を支援し、講演活動なども通じて自衛隊の地域に対する理解を深めることに加え、任期付自衛官や早期退職自衛官の再就職先を探し、第二の人生を支援する重要な任務を負っている。

自衛隊が精強であり続けられるのは、地本長が有能であるかどうかにかかっているとも言える重要なポジションであり、その働き次第で地域の自衛隊に対する理解は大きく変わってくる。

もちろんその人柄や能力は、退職自衛官を積極的に受け入れる企業をどれほど確保できるのか、ということにも直結する。

ましてそれが香川県の高松市だ。

かつては加ト吉の城下町として栄えた土地柄だが、今となってはJT(日本たばこ産業)に乗っ取られ、本社も東京に移転してしまい、大企業といえるような会社の本社機能はほとんど存在しない。

大口の再就職先を確保できるような土地柄ではなく、足で稼ぎ、粘り強く自衛隊に対する理解を深め、小口の再就職先で数を確保しなければならない都道府県だ。

誰にでもできる簡単なポジションではないからこそ、ヘリコプターパイロットというそれだけで若者が目を輝かせ、飛びつくであろう酒瀬川がその地本長に選ばれたのであろうか。

酒瀬川が、空から見える地上の様子を熱っぽく語れば、学生たちはキラキラした目で将来の自分をそこに重ねるのは間違いないだろう。

その酒瀬川。

ヘリコプターパイロットとしてのキャリアはどれも特筆に値するが、特に印象深いのはやはり第15ヘリコプター隊の初代隊長職であろうか。

第15ヘリコプター隊は第15旅団隷下の部隊であり、那覇に所在する航空隊だ。

LR-2(固定翼機)も所属しており、離島などでの救命救急業務にあたっているにも関わらずなぜヘリコプター隊というネーミングになったのか。

途中から再編されLR-2が入ってきたわけでもないので大きな謎だが、同機やUH-60JA、CH-47Jを運用し、第15旅団の物資の運送にあたり、また離島が多い担当空域下における救急救命搬送を行っている。

我が国の南西方面海域は、おそらく都市部で暮らす人たちにとって、想像を越えるほどの島嶼部が存在する。

そしてそれらの島嶼部には、今もなお多くの住民たちが、極めて小さなコミュニティを作り、生活を営んでいる。

一方でこれらの島嶼部には十分な医療機関などあるはずもなく、多くは地方自治体が運営する定期船で週に2~3回程度、来島する移動病院や移動看護師に簡単な治療を受けられるに過ぎない。

それら定期船すら大赤字であり、自治体によっては他の自治体と共同運用に切り替えざるをえないところもあるのが実情だ。

しかしながら、そのように不便な住環境の中で暮らしてきた人たちが島を捨てた結果、尖閣諸島は無人島になってしまい、中国共産党と人民解放軍により、好き放題に荒らされている今日の事情がある。

明治以降、最盛期には200人以上が居住し鰹節工場などの産業まであった島が、人がいなくなれば今日のような言いがかりに直面するのが、我が国が隣接している国々のモラルだ。

コストの問題ではなく、安全保障の問題として、これら離島の住民の生活を守ることは国策として非常に重要なことであり、その最前線に立ち、24時間365日体制でスタンバイしているのが第15ヘリコプター隊の任務になっている。

ちなみに第15ヘリコプター隊が、その前身である101飛行隊時代から空輸した患者の数は40年余りで実に9000人を超える。

このような意味からも、我が国の防人たちは、予防的な国防の観点からも離島・島嶼部の住民たちに寄り添い、その生活を守り、第2の尖閣を生み出さないために日夜24時間体制で勤務していることをどうか忘れないで欲しい。

その再編された第15ヘリコプター隊の初代隊長を務めたのが酒瀬川であったがおそらくそろそろ空を飛びたくて、現場に戻りたくて仕方がない頃合いではないだろうか。

香川地本長に就任したのは2015年12月なので、そろそろ現場から声がかかるか、あるいはキャリアの総仕上げとして、航空学校長あたりに就任し、後進の指導にあたることになるであろう。

とはいえまだ31期で、退役を意識するような年齢でもない。

次の異動先はどこになるのか、注目して追っていきたい。

◆酒瀬川友博(陸上自衛) 主要経歴

昭和
62年3月 防衛大学校卒業(第31期)
63年3月 第5飛行隊(帯広)

平成
6年3月 第5師団司令部(帯広)
7年8月 陸上自衛隊幹部学校付(目黒)
9年8月 自衛隊宮城地方連絡部(仙台市)
11年8月 陸上幕僚監部防衛部研究課(檜町)
13年3月 陸上自衛隊研究本部総合研究部(朝霞)
14年3月 陸上幕僚監部防衛部研究課(市ヶ谷)
16年3月 第9飛行隊長(八戸)
17年12月 陸上幕僚監部装備部航空機課(市ヶ谷)
20年4月 西部方面ヘリコプター隊長(目達原)
22年4月 防衛監察本部(市ヶ谷)
24年3月 陸上自衛隊航空学校企画室長(明野)
25年3月 第15ヘリコプター隊長(那覇)
27年8月 陸上自衛隊幹部学校教官(目黒)
27年12月 自衛隊香川地方協力本部長(高松市)

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的とし、軽量化処理やオリジナルからトリミングし切り取って用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第15航ヘリコプター隊公式Webサイト(創隊記念行事写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/15b/15b/images/15heri/topics_1/topics_1.html

防衛省 香川地方協力本部公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/pco/kagawa/top/top.html

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