山崎幸二(やまざき・こうじ)|第27期・陸上自衛隊

山崎幸二は昭和36年1月生まれ、山梨県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第27期卒業で64幹候、出身職種は施設科だ。

平成29年8月(2017年8月) 第36代陸上幕僚長たる陸将。

前任は第36代北部方面総監・陸将。

その前任は統合幕僚副長であった。

なお、北部方面総監時代の指導方針は以下の通り。

【統率方針】任務完遂

【要望事項】使命の自覚 練磨即応 地域との連携

平成29年7月、第35代陸上幕僚長である岡部俊哉(第25期)が「南スーダン日報隠蔽問題」に絡み減給処分を受け、即日辞表を提出し受理されたことにより後任に選ばれる。

北部方面総監からの陸上幕僚長選出は、第34代岩田清文(第23期)、第35代岡部俊哉に続き3代連続となり、極めて異例の人事であった。

同じ方面総監から3代連続で陸上幕僚長が選出されるのは、第13代-第15代の陸幕長が東部方面総監から連続して以来40年ぶりとなるが、この際は第10代統合幕僚会議議長である栗栖弘臣(陸上自衛隊出身)の解任劇の影響を受けた玉突きイレギュラー人事という特殊事情があった。

今回も、定時の人事異動とは異なるタイミングであったことによる影響が大きいが、とはいえ山崎幸二は2018年7月に陸幕長就任が確実視されていた幹部であり、その時期が早まっただけであるとも言えるだろう。

なお、山崎の陸上幕僚長就任にも関わらず、同期の山之上哲郎(第27期)・東北方面総監に退職勧奨が為されず、引き続き東北方面総監職を務めていることから考え、あるいは2018年3月に創隊が予定されている陸上総隊の初代司令官に、山之上が就任する可能性が出てきた。

陸上総隊は我が国で最大の戦闘単位となり、5つある方面隊を束ね、その総監を隷下に治める組織だ。

その為、通例で考えれば5つある方面隊の総監経験者から選ばれると考えるのが妥当であり、そして陸上幕僚長に就任する前に、最後に座るポストの一つとなるだろう。

一方で2017年10月現在、航空自衛隊における同様の組織、航空総隊司令官である前原弘昭(第27期)は、陸自と同様に4つ存在する航空方面隊のいずれの司令官も経験せずに航空総隊司令官に着任した。

これはこれで異例なことだが、やがて陸上自衛隊でも、その人事と組織の運用が固定化されるようなことがあれば、いずれ同様に慣例によらない人事となるであろうことも予想される。

また27期組の将官では他に、以下の最高幹部が2017年現在、陸将としてその任務を遂行している(大西は陸将補)。

角南良児(第27期)(第3師団長)

小林茂(第27期)(中央即応集団司令官)

德田秀久(第27期)(陸上自衛隊富士学校長兼富士駐屯地司令)

手塚信一(第27期)(防衛装備庁長官官房装備官)

金丸章彦(第27期)(陸上自衛隊補給統制本部長)

大西裕文(第27期)(第14旅団長)

※肩書はいずれも、2017年10月現在

先述のように、自衛隊では同期がトップ(幕僚長)に就任すると退役勧奨を受けるのが通例だ。

そして実際に、27期組の将官からは、このタイミングで退役したものもいるが、そのなかでこれだけの人数が現職にとどまるのは異例だといえるだろう。

これは、元々2017年8月の人事が、予定されているよりも1年早かった人事であり、なおかつ陸上自衛隊は、海・空に比べて若返りが早く進みすぎたことによるものだろう。

2017年10月現在の海上幕僚長は村川豊(第25期)であり航空幕僚長は杉山良行(第24期)

27期の陸幕長である山崎の若さがお分かりいただけると思うが、有り体に言って、今27期組の将官の多くを退役させるのは、慣例とは言えさすがに不都合がありすぎるということなのだと思われる。

その為2017年の、岡部の退任劇がなければ全うしていたであろう任期まで、現行ポストで最善を尽くせ、という指示になっているのではないだろうか。

もしそういうことであれば、2017年の12月と、2018年の3月に大きく、将官人事が動くことになりそうだ。

一方で、統合幕僚長人事だ。

本来であれば、河野克俊(第21期)の後任である統合幕僚長には、順番から言って陸上幕僚長であった岡部が就任することが確実であった。

にも関わらず、2017年8月で無念の詰め腹を切らされての退役である。

一気に、河野の後任である第31代統合幕僚長人事が振り出しに戻った。

従来、統合幕僚長人事は、人事の慣例として陸上自衛隊が優先的に就任することが慣例となっていた。

これは統合幕僚会議議長の時代から変わらぬ慣例だが、例えばこのポストに就く幕僚長は、

陸→海→陸 あるいは 陸→空→陸

となることはあっても、

海→空→海 もしくは 空→海→空

となることは、1954年に始まった統合幕僚会議議長の時代から一度も存在しない。

原則としては陸→海→空などのように順送りが基本であり、そしてたまに陸が多めに就任するという流れで、半世紀以上も運用されてきた歴史がある。

そして2017年10月現在、統合幕僚長にある河野までの流れを見ると、

第28代統合幕僚長 折木良一(第16期・陸上幕僚長)

第29代統合幕僚長 岩崎茂(第19期・航空幕僚長)

第30代統合幕僚長 河野克俊(第21期・海上幕僚長)

と来ているため、これまでの慣例から考えると、次は陸上幕僚長からの就任が確実であると思われていた、というのが流れだ。

しかし、岡部の退任により陸幕長に昇った山崎は、その就任時期が2017年8月であり、河野が最も任期を引き伸ばされた場合に退役すると思われる2018年5月でも、まだ就任1年にも満たない。

なおかつもしこのタイミングで山崎が統合幕僚長に昇ったとしたら、恐らく海幕長で25期の村川よりも序列が上ということになり、やりづらいことになるだろう。

(この場合、2017年12月に空幕長である24期組の杉山は退役していると思われる)

いろいろな観測から、恐らく第31代の統合幕僚長には、航空幕僚長である杉山良行が就任することになるのではないだろうか。

詳しくは、その根拠をこちらのコラムで解説しているので興味があれば一読をしてほしいが、要するに次の統幕長には杉山が就任し、陸幕長である山崎は、陸上幕僚長を最後に退役する可能性が高い。

そうなれば、その後を継ぐであろう陸上幕僚長が第32代の統合幕僚長に着任することは、おそらく確実であると思われる。

そしてそれは、おそらく住田和明(第28期)だ。

まだ先のことであり、不確定な要素が多いが、2017年10月現在では、山崎の今後のキャリアと統合幕僚長人事をこのように予想している。

どこか残念な気がしないでもないが、統合幕僚長ポストは、陸自は1回お休みであろう。

本記事は当初2017年6月14日に公開していたが、加筆修正が重なったので2017年10月13日に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年6月に公開した当時のものをそのまま残している。

防衛大学校の卒業以来、第8施設群、第8施設中隊長、第8施設大隊長、第4施設団長など後方支援や施設設営の現場指揮官を多く歴任。

陸幕においても、補任課(自衛隊員の任免や人事に関する事務を担当)や装備計画課(陸自備品の補給・保管・調達などを担当)などを歴任し、現職高級幹部で陸自の施設科を最も知り尽くす陸将。

陸上幕僚長への最有力ポストのひとつ、北部方面総監に昇りつめ、順当に行けば2018年の定時異動で陸上幕僚長に就任する可能性が現時点で最も高いと見られている。

一方で、防衛大学校27期の同期生である山之上哲郎・陸将が同じ2016年7月に東北方面総監に就任しており、陸幕副長時代から東北方面総監就任後にかけて担当した南スーダンにおける困難なPKO任務を完遂させたことから、山之上陸将を有力視する意見もある。

しかしながら、東北方面総監はその他の方面総監に比べてやや格下とされる不文律があるため、過去に東北方面総監から陸上幕僚長に登りつめたのは第33代の君塚栄治氏のみとなっている(2017年現在)。

なおかつ、君塚氏の場合すでに東北方面総監を最後に任期満了で勇退が既定路線であったが、任期中に東日本大震災が発生したことに伴い、自衛隊史上初の陸海空の統合任務部隊(JTF-TH:Joint Task Force – Tohoku)司令官を見事に完遂させたこと、及び復興支援をスムーズに行うことを目的として急遽、陸上幕僚長に抜擢されたものであった。

このような事情を考えると、常道では山崎陸将が次期陸上幕僚長の人事予想が妥当だが、有事の可能性が高まっている国際情勢においては、第1空挺団長や副師団長、師団長と現場指揮官を歴任してきた山之上陸将の可能性も考えられるだろう。

もちろん、その他の方面総監から抜擢される可能性もあり、2018年の陸上幕僚長人事が楽しみだ。

◆山崎幸二(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
58年10月 第8施設群(第27期)

平成
元年10月 第8施設群中隊長
2年8月 施設学校
4年8月 幹部学校学生
6年1月 3等陸佐
6年8月 施設学校
7年8月 陸幕人事部補任課
9年7月 2等陸佐
9年8月 陸幕防衛部防衛課
13年3月 第8施設大隊長
14年1月 1等陸佐
14年8月 陸幕人事部補任課
15年8月 陸幕人事部補任課人事1班長
17年4月 中央資料隊付(米国防大留学)
18年8月 陸自研究本部研究員
18年12月 陸幕装備部装備計画課長
20年8月 第4施設団長 陸将補
22年6月 西部方面総監部幕僚副長
24年7月 陸幕人事部長
26年8月 第9師団長 陸将
27年3月 統合幕僚副長
28年7月 北部方面総監
29年8月 陸上幕僚長たる陸将

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 北部方面隊公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/na/soukan/soukan.html

防衛省航空自衛隊 北部航空警戒管制団第45警戒群公式Webサイト(視察写真)

http://www.mod.go.jp/asdf/nacw/gp_sq/p45/activities.html

防衛省陸上自衛隊 北部方面航空隊公式Webサイト(視察写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/katudou/butaikunren/nennyohikou/hikou.htm

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コメント

  1. SUN より:

    経歴の平成22年6月 西武方面総監部防衛副長の部分は西部ですよね?