藤田英俊(ふじた・ひでとし)|第31期・陸上自衛隊

藤田英俊は大分県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第31期の卒業で68幹候、職種は高射特科だ。

防衛省の公式発表はないものの、31期ということであれば昭和39年度の生まれであると思われる。

平成29年3月(2017年3月) 福岡地方協力本部長・1等陸佐

前職は東部方面総監部情報部長であった。

2017年9月現在、地域と自衛隊を結び様々な広報活動を行う福岡地方協力本部長を務める藤田。

コミュニケーション能力に優れ、また多くの人を惹き付ける魅力を兼ね備えた高級幹部にのみ、その職を全うできる極めて重要なポストだ。

防衛大学校時代はラグビー部で活躍し、One for all,All for oneの精神で昔も今も、組織に貢献する。

そしてその藤田の「本職」といえば、中国人民解放軍の傍若無人な振る舞いに従ってその重要性を高めてきた高射特科。

高射特科は先の大戦で言うところの対空砲火を行う部隊で、我が国に侵入を試みる敵性勢力の航空機を撃墜することが本来の任務であるが、中SAM(03式中距離地対空誘導弾)以降は空対地ミサイルや低空から飛来する弾道弾への対処能力が飛躍的に向上し、我が国の防空を確かなものとしている。

ではなぜ、今、このような職種の重要性が高まっているのだろうか。

それは中国人民解放軍の強引な海洋進出に伴う、南西方面の防衛体制強化と密接に関係しているためだ。

こちらの図は、2017年現在で陸上自衛隊の新基地建設計画が進められている石垣島と宮古島を中心とした200kmの同心円だ。

そしてこの200kmという距離は、陸上自衛隊の野戦特科(地対艦ミサイル連隊)で運用が開始された12式地対艦ミサイルで、非常に高い信頼性をもって攻撃が出来る範囲を示している。

防衛省はその有効射程距離を「100数十km」と公式にアナウンスし、正確なところを伏せているが、30年前に制式化された88式地対艦ミサイルの有効射程距離が150km~200kmである。

200km程度であれば、100%の信頼度で運用できると考えて差し支えないだろう。

そしてこの画面中央に示した黄色い点が、尖閣諸島が所在する海域だ。

陸上自衛隊の新基地が建設されることに、主に沖縄県外から島にやってきた活動家がなぜこれほどまでに常軌を逸した反自衛隊運動を展開するのか。

その理由がはっきりお分かりいただけるだろう。

なお余談だが、「宮古島に陸上自衛隊員が来たら、若い女性に性暴力を働くことになる」という衝撃の反対理由を述べた石嶺香織・宮古島市議会議員は、福岡県の出身である。

地元沖縄県出身者の意見ではない。

このように、石垣島と宮古島に陸自の基地が建設されれば非常に盤石な南西方面の防備となるものの、そうなれば、中国人民解放軍が我が国に侵略を始めた場合、これら基地にも攻撃の矛先を向ける狂気を見せることだろう。

その際に用いる火砲は、空対地ミサイルであり、あるいは弾道ミサイルがメインとなるはずだ。

そしてその際に、これら地対艦ミサイル連隊の楯となり、また島民の生命を守るために活躍するのが、陸上自衛隊の高射特科であり、藤田がエキスパートとして、その豊富なキャリアの中で人生をかけて育て上げてきた職種だ。

南西方面の島嶼部を守りきるためには、地対艦ミサイル連隊と高射特科の組み合わせは、絶対に無くてはならない部隊となりつつある。

さらに藤田の場合、連隊長職が第6高射特科群長/第15高射特科連隊長(八重瀬)という経験も極めて特筆するべき重要なポストだ。

第15特科連隊は沖縄本島の南端、ひめゆりの塔からもほど近い八重瀬分屯地に所在する。

分屯地というと、まるでその重要性が低いかのような印象を与えるので余り好きな言葉ではないのだが、編成内容による区分であって、その重要性は関係無い。

更に言うと、この分屯地が持つ重要性は上述したとおりであり、石垣島や宮古島に陸上自衛隊の基地が新設されれば、これら部隊の一部がそれぞれ異動し、我が国の防衛を担う中核的な部隊となる。

藤田はこの地で、2012年から2014年まで2年間、中国人民解放軍の無法な海洋進出の全てをつぶさに観察し、そして防衛体制を固めてきた。

いわば、我が国が直面するもっとも重要な安全保障上の最前線に立ち、我が国の防衛にあたってきたことになるが、2015年以降に発令された陸上自衛隊の人事を見ると、西部方面隊や、とりわけ南西方面におけるポストが出世の登竜門になりつつある。

以前は、将来のエースであり陸上幕僚長候補と見做されていた幹部は、若い頃から北部方面隊に行くことが常であったが、2017年現在ではその位置づけが西部方面隊に変わりつつあると見て、間違いないだろう。

一例を挙げると、次の次の陸上幕僚長候補が既に確実視されていると言ってもよいほどに期待されている高級幹部、髙田祐一(第30期)は、2017年8月に同期1番乗りで陸将に昇ったが、そのポストは第4師団長。

福岡に所在し、大分県、福岡県、佐賀県、長崎県をその担当地域とする師団だが、さらに高田は連隊長経験も第16普通科連隊(長崎県大村)だ。

2017年9月現在で航空幕僚長を務める杉山良行(第24期)が南西航空混成団(那覇)から航空総隊司令官に昇り、その勢いのまま航空幕僚長に就任したように、陸上自衛隊でもおそらく今後、西部方面隊、さらには第15旅団の位置づけも大きく変わってくるだろう。

そのような中、第15旅団隷下で国防の最前線に立ち、防空の任を担った藤田の知見はますます重要なものとなっていくことは間違いない。

あるいは現職の任期を終え次のポストに異動する際には、陸将補への昇進もあるのではないかと予想しているが、いずれにせよ、さらに我が国の平和と安全に貢献してもらいたい高級幹部であることに一切の変わりはない。

その活躍には今後とも注目し、期待して追って行きたい。

◆藤田英俊(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
62年3月 防衛大学校卒業(第31期)

平成
8年8月1日 第7高射特科連隊中隊長(東千歳)
14年3月23日 第2高射特科大隊長(旭川)
15年8月1日 陸上幕僚監部防衛部(市ヶ谷)
16年1月9日 イラク復興業務支援隊
16年8月2日 陸上幕僚監部防衛部(市ヶ谷)
18年3月27日 統合幕僚監部運用部運用第2課(市ヶ谷)
20年4月1日 東北方面総監部防衛部防衛課長(仙台)
22年6月4日 統合幕僚監部運用部運用第2課国際協力室長(市ヶ谷)
24年12月4日 第6高射特科群長/第15高射特科連隊長(八重瀬)
26年12月19日 東部方面総監部情報部長(朝霞)
29年3月27日 福岡地方協力本部長(福岡)

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省 福岡地方協力本部公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/pco/fukuoka/about/aisatu.html

防衛省 自衛官募集公式Webサイト(高射特科写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/streaming/movie/story/ground-leader/kind/subject04/index.html

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