江川宏(えがわ・ひろし)|第34期・海上自衛隊

江川宏は昭和43年1月生まれ、長崎県出身の海上自衛官。

防衛大学校第34期の卒業で幹候41期。

そのキャリアから考えて、出身職種は通信と思われる。

平成28年12月(2016年12月) 情報本部情報官・海将補

前職は統合幕僚監部指揮通信システム課長であった。

情報本部情報官への着任と併せ、海将補への昇進を果たしている。

2017年10月現在で、防衛省が直接管轄する情報本部の情報官に補職されている江川。

そのキャリアはエリート自衛官というにふさわしい、まさに海上自衛隊の出世コースど真ん中にいる高級幹部のそれになっている。

陸(おか)に上がってからの陸幕や統幕をはじめとした中央での仕事はほとんどが指揮通信に関わる分野であり、おそらく出身職種も通信であろうと推測されるが、ある意味でその頂点に位置する情報本部に、海将補として最初のキャリアで抜擢された。

情報本部は、防衛省の中では極めて特殊な部署だ。

その構成員は制服組と背広組を併せて2500名にもなり、陸自の単位で言えば施設団で最大の規模を誇る第3施設団がおよそ1600名なのでそれよりも大きく、第5旅団の現有兵力が約3600名だがそれよりは一回り少ないと言った規模になる。

ちなみにそのうち、500名ほどが事務官で残りが自衛官だ。

団と旅団の間に位置するほどの極めて規模の大きな体制を取り、それほどまでの大きな組織で何の情報をどのように扱っているのか。

それは安全保障に関する全ての情報であり、諸外国の軍事組織に関わる動向や意思決定、何を決定し何をしようとしているのか、という情報全般。

国内に存在する、我が国に脅威となる可能性がある組織や思想団体の動向。

衛星写真で得られる差分分析から北朝鮮のミサイル技術の推移。

諸外国要人の行動と交友範囲、思想信条の調査などといったところまで、軍事に関することであればあらゆる分野に及ぶと言っていいだろう。

なお防衛省情報本部の任務はほとんど公表されていないため、これらの内容は推測の域を出ないが、一般に明らかになっている情報から考えてこれら基本的な任務を行っているであろう、という推測の内容である。

少なからず違いはあるかもしれないが、そこは悪しからずご了解いただきたい。

というよりも、これらのことをやっていない軍事組織の情報本部があれば、逆に怖い。

そういった意味では、このサイトも情報本部の担当者により調査をされているのではないかと、たまに思うことがあって少しビビっているのである。

(自衛隊の悪口を書くことはありませんので、どうぞお許し下さい・・・)

情報本部は、通信や画像情報から得られる情報だけでなく、旧軍の体制で言うところの陸軍小平学校に相当する任務も帯びていると言われているが、さすがにこのあたりは情報が少なすぎて確たることはわからない。

一つはっきりといえることは、情報本部は我が国で最も重要な情報が集中する組織であり、江川が務めているのはその情報官というポストであって、情報本部長である将官、副本部長である事務官に次ぐNo.3にあるということだ。

極めて秘匿性の高い情報を扱う将補だけに、防衛省から絶対の信頼が置かれている、あらゆる意味で自衛隊を背負う事が求められている高級幹部のみが、就くことを許されるポストであると言えるだろう。

さて、そのような要職にある江川だがどれくらい偉いのか。

きっとスーパーエリートであると思われるだろうが、スーパーエリートである。

海上自衛隊に入隊したのが平成2年なので第34期。

そこから1佐に昇ったのが21年1月なので、文句なしの1選抜エリートだ。

海将補に昇ったのは28年12月なので、7年かかったことになり、ここでは僅かに同期のトップに先を越されるが、大した遅れというほどでもないだろう。

むしろ1等海佐に昇る前の2等海佐時代には、アメリカ駐在の外務事務官を務めており、海上自衛隊では非常に大きな経歴となる経験を積んでいることになる。

なお2017年10月現在ではあるが、34期組の出世レースを見ると、海将補にあるものは6名。

その役職は以下のようになっている。

泉博之(第34期相当)・第2護衛隊群司令

江川宏(第34期)・情報本部情報官

大西哲(第34期)・海上幕僚監部監察官

福田達也(第34期)・第4護衛隊群司令

大町克士(第34期)・第22航空群司令

伊藤秀人(第34期)・航空集団幕僚長

(役職は全て2017年10月現在のもの)

この6名は、1等海佐に昇ったは全員同じで、平成21年1月の1選抜だ。

海将補に昇った時期についてはやや差があり、以下のようになっている。

27年8月・・・大町、福田

27年12月・・・泉

28年7月・・・伊藤

28年12月・・・大西、江川

このように見ると、34期組で出世レースを順調に駆け抜けているのは大町と福田であり、なおかつ福田の場合、将補職でソマリア沖海賊対策活動に赴き、CTF151司令官を勤め上げている功績も非常に大きいだろう。

CTF151司令官とは、ソマリア沖の海賊対策にあたっている主要各国海軍からなる合同部隊であって、その司令官の大役を無事にこなした実績は相当インパクトがあった。

海将補昇進早々に大きな仕事を与えられ、なおかつこれを確実にこなし、我が国の平和と安全に大いに寄与した上で、国際的な評価を高めたことから、福田には任務完了後に防衛大臣1級賞詞が贈られている。

先を行く福田がさらに大きな成果を挙げたことで、また34期組のライバルたちはきっと大いに気合が入ったのではないだろうか。

いずれにせよ、この6名がこの先5~8年程の間、海上自衛隊の意思決定を行う中核メンバーとなり、我が国の平和と安全を担保する実質的な責任者になっていくことだけは間違いがないところだ。

ぜひ切磋琢磨し、さらに我が国の平和と安全に大いに貢献してくれることを、期待してやまない。

◆江川宏(海上自衛隊) 主要経歴

平成
2年3月 海上自衛隊入隊
13年1月 3等海佐
16年7月 2等海佐
16年8月 第2護衛隊群幕僚
17年8月 みねゆき艦長
20年7月 外務事務官(アメリカ)
21年1月 1等海佐
23年8月 海上幕僚監部補任課
23年12月 海上幕僚監部補任班長
24年12月 第5護衛隊司令
26年8月 海上幕僚監部指揮通信情報部
26年12月 海上幕僚監部指揮通信課長
27年12月 統合幕僚監部指揮通信システム課長
28年12月 情報本部情報官 海将補

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 自衛官募集公式Webサイト(通信科写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/streaming/movie/story/sea/kind/subject05/index.html

防衛省航空自衛隊 主要装備品公式Webサイト(E-767写真)

http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/keikaiki/E-767/

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