城殿保(きどの・たもつ)|第29期・航空自衛隊

城殿保は昭和36年11月生まれ、愛知県出身の航空自衛官。

防衛大学校第29期の卒業で幹候75期、出身職種は飛行だ。

防衛省の公式サイトに明記はないが、そのキャリアから考えF-15戦闘機パイロットであると思われる。

平成28年7月(2016年7月) 北部航空方面隊司令官・空将。

前職は航空幕僚監部人事教育部長であった。

昭和60年3月に航空自衛隊入隊した城殿だが、その年次は29期。

29期の出世頭でスーパーエリートであり、1等空佐に昇ったのが平成16年1月。

そして空将補に昇ったのが平成22年7月と、いずれも同期1選抜(1番乗り)の時期であり、常に29期組のトップを走っていた。

そして空将に昇ったのが平成28年7月と、空将補も6年で駆け抜けて昇進を果たし、北部航空方面隊司令官に就任することになった。

ここまで完璧なキャリアである。

押しも押されもせぬ将来の航空幕僚長候補であり、恐らく次の次、2019年12月の時期をめどに、最後の大勝負である航空幕僚長にチャレンジすることになるだろう。

2017年10月現在、航空幕僚長を務めているのは杉山良行(第24期)

その就任年月は2015年12月であったので、おそらく2017年12月をめどに、退役するか統合幕僚長昇進となるであろう。

そして客観情勢では、おそらく統合幕僚長に就任する可能性が高い。

その後を継ぐのは27期組の前原弘昭(第27期)・航空総隊司令官、丸茂吉成(第27期)・航空幕僚副長、荒木淳一(第27期)・航空教育集団司令官といったところが有力だが、その次の航空幕僚長として、恐らく有力候補者であり続けるものと思われる。

近年の航空幕僚長人事を俯瞰すると、2017年10月現在の航空幕僚長である杉山は、再編前の南西航空混成団司令から航空総隊司令官を経た上での、第34代航空幕僚長への就任だ。

前任の第33代であった齊藤治和(防大22期)は、北部航空方面隊司令官出身、第32代の片岡晴彦(防大20期)は中部航空方面隊司令官出身、第31代の岩崎茂(防大19期)は西部航空方面隊司令官出身であり、この全員が、その後職として航空総隊司令官に就任して航空幕僚長に就任している。

このようなことを考えると、航空方面隊司令官のポストは、どの方面であっても直ちに幕僚長レースに影響を与えているとはいえず、その後職として航空総隊司令官に就任したものが、航空幕僚長に近づくことになると言えるだろう。

その一方で、近年は航空自衛隊主力のF-15戦闘機を南西にシフトさせ、南西航空方面隊及び西部航空方面隊が重視させる人事の傾向が見られるとも言える。

航空方面隊司令官のポストが直ちに影響しないとは言え、これらの空域での幹部経験、もしくは飛行隊長経験があるものは、やはり国防の最前線を肌感覚で担ったということになるため、今後はより重視される傾向になっていくものと思われる。

さて、その城殿だが、ライバルとなる29期組で、空将の階級にある者たちの現状は以下のようになっている。

城殿保(第29期)・北部航空方面隊司令官・・・2016年7月就任

長島純(第29期)・航空自衛隊幹部学校長・・・2016年12月就任

増子豊(第29期)・統合幕僚監部運用部長・・・2016年12月就任

三谷直人(第29期)・航空自衛隊補給本部長・・・2017年8月就任

(肩書はいずれも、2017年10月現在)

この4名の昇進時期を見てみると、1等空佐に昇ったのは全員同じで1選抜の平成16年1月。

空将補に昇ったのは城殿、三谷、長島が22年7月で、増子が24年3月。

空将に昇ったのが城殿と三谷が最も早く28年7月であり、長島と増子が28年12月で続く。

これらのことを考えると、城殿と三谷がトップレースを走っていると言えそうだが、一方の三谷だ。

三谷も順調に出世し、城殿と同じ2016年7月に中部航空方面隊司令官に就任したのだが、1年余りで同ポストを卒業し、補給本部長に就任となった。

これは栄転と言ってもよいのかもしれないが、一方で補給本部長は、いわゆる「最後のポスト」の扱いとなっている職で、これまで39人に昇るこのポストに就いた高級幹部は全員が、この職を最後に勇退している。

そういった意味では、例えば海上自衛隊において史上初の後方支援系の職種から海上幕僚長に昇りつめた村川豊(第25期)のように、慣例破りの人事が起きない限り、なかなか航空幕僚長への道が見えない。

また就任時期が2017年8月であることを考えても、航空幕僚長に昇るためには、時期的に次にもう一つ、何らかの要職を経験する必要がありそうだ。

そういった意味からは、航空幕僚長レースという意味においては、三谷はやや厳しいものがあり、城殿が一步リードしているとも言えるが、一方で同期に一人もライバルがいなくなるというのは、その期から航空幕僚長が出ないという人事権者の意思表示である可能性もある。

長島と増子の今後の活躍次第と言えそうだが、29期組で切磋琢磨し功績を競い合うことが、まずは同期から航空幕僚長を出すための絶対条件であるといえるだろう。

なおその城殿だが、これだけのスーパーエリートなので、そのキャリアはどれも特筆に値するものばかりだが、中でも印象深いのは、平成22年から務めた航空幕僚監部防衛部における、次期戦闘機企画室長であろう。
また、平成24年にはF-35A事業推進室長という肩書にスライドし、一貫して次期主力戦闘機の選定に関わり、F-35の調達に尽力をした経験を持つ。

F-35の採用決定後には、配属予定基地である三沢基地司令に就任し、同基地所属であったF-2戦闘機の半数を築城基地に送り出す役割を担うなど、過渡期にある航空自衛隊において極めて重要な役割をこなした幹部でもある。

このようなことを考え合わせると、やはり城殿は、余人を持って代えがたい最高幹部の一人であると言え、2019年に予想される第36代航空幕僚長候補の人事では、その有力候補の一人となりそうだ。

本記事は当初2017年7月1日に公開していたが、加筆修正が重なったので2017年10月に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年7月に公開した当時のものをそのまま残している。

なお、城殿司令官を支える現場の責任者、北部航空方面隊准曹士先任は香山博則(こうやまひろのり)准尉(空准尉)だ。

北部防空管制群准曹士先任に続き現職を任せられた現場のエキスパートであり、城殿を支える北の防人として、城殿と併せてますますの活躍を期待したい。

◆城殿保(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 防衛大学校卒業(第29期)
60年9月 飛行教育集団司令部
63年6月 第6航空団

平成
4年5月 飛行開発実験団
6年8月 幹部学校
7年6月 防衛局調査課
8年1月 3等空佐
10年3月 第7航空団
11年3月 航空幕僚監部防衛部
11年7月 2等空佐
13年4月 第6航空団
16年1月 1等空佐
16年3月 幹部学校
17年8月 航空幕僚監部人事教育部
19年3月 航空幕僚監部運用支援・情報部
19年3月 イラク人道復興支援活動空輸計画部長
19年7月 南西航空混成団司令部防衛部長
20年8月 航空幕僚監部防衛部防衛課長
22年7月 航空幕僚監部防衛部次期戦闘機企画室長 空将補
24年3月 航空幕僚監部防衛部F-35A事業推進室長
24年7月 第3航空団司令兼三沢基地司令
26年3月 航空幕僚監部監理監察官
27年3月 航空幕僚監部人事教育部長
28年7月 北部航空方面隊司令官 空将

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省東北防衛局公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/rdb/tohoku/seminar/misawa260317/misawa260317.html

防衛省北部方面航空隊Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/asdf/nadf/shireikan/kidonosirei.html

http://www.mod.go.jp/asdf/nadf/sennninn/kidonosirei.html

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