馬場邦夫(ばば・くにお)|第29期・陸上自衛隊

馬場邦夫は昭和37年11月生まれ、千葉県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第29期の卒業(管理学)で幹候66期、出身職種は輸送だ。

平成29年3月(2017年3月) 陸上自衛隊輸送学校長・陸将補

前職は情報本部情報官であった。

輸送学校長着任と同時に陸将補への昇進を果たしている。

輸送科出身であり、後方支援系職種の馬場だが、若年よりその能力の高さと将来性を見込まれ、2等陸佐で37歳の時にドイツ連邦軍指揮幕僚大学に留学。

2年間の留学を経て、平成15年6月からはドイツ防衛駐在官に着任し、1等陸佐に昇進している。

なおこの際、通常で考えれば29期組の1等陸佐1選抜は平成16年1月のはずであり、現に29期組のエースで陸上幕僚長候補である本松敬史(第29期)上尾秀樹(第29期)高田克樹(第29期)といった最高幹部は皆、16年1月に1等陸佐に昇進している。

また29期組では他に、納富 中(第29期)が平成16年1月に1等陸佐に昇進したわずか4年後、米国防衛駐在官に着任する前の平成20年6月に陸将補に昇進しているが、通常陸将補への昇進には6回の人事考課(つまり6年)が必要だ。

にも関わらず4年で陸将補に昇進している記録があり、このあたりはドイツ防衛駐在官に着任する前の馬場とあわせ、昇進の特例が在るのかもしれない。

あるいは防衛駐在官の任期は通常3年であり、またその期間は外務省に出向扱いとなることから、予め昇進させてから防衛駐在官として赴任するのかと思われるが、このあたりの詳細は不明だ。

いずれにせよ馬場は、通常の1選抜時期より半年も早く、1等陸佐に昇進している。

ドイツから戻った馬場は、輸送科の現場と合わせ、情報系のポストに着任することが目立ち始める。

輸送系のポストと交互に、陸幕情報課や北部方面総監部情報部長、中央情報隊副隊長、情報本部情報官といった重職を歴任し、あるいはこのあたりがドイツ軍指揮幕僚大学を経てドイツ駐在防衛官時代を通じ、馬場が新たに積み上げた厚みであるのかと思われる。

そして1等陸佐に在ること14年。

現場に根ざした確実な知見を身に着けた上で、平成29年3月に陸将補に昇った。

さて、その輸送科であるが、一般に兵站を担う部署であると思われるかもしれないがそれだけではない。

例えば上記の画像は2012年の防衛白書のものだが、鉄道輸送により装甲車を輸送する訓練時のものである。

我が国の場合、戦後一貫して軽武装の国策で通してきたことから、その武器や人員は非常に限られた中で、自衛隊は国防の任務を遂行してきた。

このような組織を持つ以上、自衛隊は常に、有事に際しては素早く戦力を集中させ、敵性勢力の排除を行う必要がある。

これが陸上自衛隊が定期的に行っている転地演習であり、戦車や装甲車などを航路で運び、あるいは空輸できるものは空輸し、時には特大型トレーラーで陸路運ぶこともある。

一度その光景に深夜遭遇したことがあるがあれはなかなかのインパクトであった。

この時、ただ積み込み作業を行い、或いは言われるままに運ぶのが輸送科というイメージがあるかもしれないが、そこに大きな誤解がある。

輸送科が下達されるのは、極論すれば

「北海道から沖縄まで、48時間以内に戦車10両運んどいてね 以上」

である。

つまり、どのような方法でどのルートを使い必要な戦力を運搬するのか。

道中は、有事を想定しても十分安全が確保できるのか。

途中で輸送ルートが寸断していることを想定した場合には、どのような代替ルートを通すのか。

つまり、自衛隊が自衛隊として戦うために必要な戦力、武器、食料、弾薬、その他全てのものを戦地に運ぶために絶対無くてはならない部隊であり、輸送科がいなければたちまち前線は包囲・殲滅され、各地から動くことすらままならない陸上自衛隊の戦力は各個潰されていく運命をたどるだろう。

馬場がエキスパートを務める輸送科とはこれほどに重要な部署であり、いかに短時間で必要な戦力を必要な数、敵よりも早く必要な場所に集中させることができるか。

戦争の基本は正にこの点に尽き、逆にいうと相手より早く戦力の集中に成功した方が局地戦に勝利することは、過去数多くの戦争と戦闘が示すとおりだ。

そのような重責を担う輸送科の、一つの頂点である輸送学校長に着任した馬場の職責は極めて重い。

我が国が精強であり続けるために、ぜひその知見を余すこと無く後進に伝え、伝統を引き継いでくれることを心から期待したい。

◆馬場邦夫(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 陸上自衛隊入隊(第29期)

平成
8年1月 3等陸佐
11年7月 ドイツ連邦軍指揮幕僚大学 2等陸佐
15年6月 ドイツ防衛駐在官 1等陸佐
18年8月 陸上自衛隊研究本部研究員
18年12月 陸上幕僚監部情報課武官業務班長
20年8月 東北方面総監部輸送隊長
21年8月 中央輸送業務隊長
23年4月 北部方面総監部情報部長
25年8月 中央情報隊副隊長
27年8月 情報本部情報官
29年3月 陸上自衛隊輸送学校長 陸将補

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 舞鶴地方隊公式Webサイト(転地演習写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/maizuru/dekigoto/dekigoto.html

防衛省 防衛白書2102年版公式Webサイト(装甲車輸送写真)

http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2012/2012/html/nc2114.html

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