伊藤弘(いとう・ひろし)|第32期・海上自衛隊

伊藤弘は昭和40年4月生まれ、千葉県出身の海上自衛官。

防衛大学校第32期、幹候は39期の卒業だ。

平成29年8月(2017年8月) 内閣審議官(国家安全保障局担当)・海将補

前職は統合幕僚監部防衛部副部長であった。

海上自衛隊32期の絶対エースにして、将来の海上幕僚長有力候補の伊藤だ。

そのキャリアは極めて充実しており、これ以上無いほどの要職を歴任し、そして現在進行形で我が国の平和と安全を守る中枢にあり続ける幹部と言って良い。

32期組が最初に海将に昇任するのは2019年夏の予定だが、恐らく海将1番乗りは間違いないだろう。

その伊藤が海上自衛隊に入隊したのは昭和63年3月。

昭和世代最後の入隊であったが、1等海佐に昇ったのは平成19年1月。

そして海将補に昇ったのは平成25年8月であったが、いずれも32期1選抜(1番乗り)のスピード出世であり、自衛官の昇任人事制度上、最速で海将補まで昇り詰めている。

なお2017年11月現在で、32期組の海将補にある者たちは以下の通りだ。

32期組人事は、この7名を中心に動くことになっていく、主要幹部である。

二川達也(32期)・第31航空群司令(2013年8月)

伊藤弘(第32期)・内閣審議官(国家安全保障局担当)(2013年8月)

白根勉(第32期)・ 海上幕僚監部総務部副部長(2014年12月)

小座間善隆(第32期相当)・潜水艦隊司令部幕僚長(2015年3月)

柴田弘(第32期相当)・防衛装備庁長官官房艦船設計官(2015年8月)

梶元大介(第32期)・第3護衛隊群司令(2016年12月)

中村敏弘(第32期)・第1航空群司令(2017年8月)

※肩書はいずれも2017年11月現在。( )内の数字は将補昇任時期。

これらの幹部のうち2019年8月に最初の海将に昇任するのは、自衛隊の人事考課制度上から考えても、伊藤と二川と見てまず間違いない。

その伊藤だが、海上自衛官らしい国際派として、30代の若手幹部の頃から輝かしいキャリアを持つ。

防衛年鑑や防衛省公式サイトのプロフィール欄に記載はないものの、伊藤の留学先はアメリカであり、なおかつ2003年には米中央軍の連絡官として半年間、米国フロリダ州タンパに赴いている。

時はまさにイラク戦争開戦の時である。

米中央軍はイラク戦争を指揮する部隊であり、同地に調整官として赴くことは、同盟国として米国の動向や真意を探り出し、我が国の政策や意思決定に寄与する情報を本国に送らなければならない重要な職務だ。

いわば、伊藤が正確な情報を得て本国に送ることが出来るかどうか。

それが我が国の国益に重大な影響を与えるほどのポジションであったと言っていいだろう。

まだ38歳で2等海佐時代の伊藤であったが、この極めて重要な任務をこなし、海上自衛隊内外の評価が確実に定まった時期であった。

以降は統幕や海幕で要職を歴任し、併せて護衛隊司令、護衛隊群司令など、現場指揮官としても極めて優れた指揮能力を発揮。

そして2015年5月には我が国で初めて、演習ではない実戦での、多国籍部隊からなる実力部隊の司令官に着任した。

第151合同任務部隊であり、ソマリア沖で海賊対策を行っている米国、カナダ、デンマーク、フランス、オランダ、パキスタン、イギリス、オーストラリア、日本など主要国の軍部からなる組織である。

国際派であり、数々の舞台で活躍をしてきた伊藤はついに、わが国初の多国籍軍司令官にまで昇り詰めてしまった。

その伊藤が2017年8月から補職されているのは、内閣審議官(国家安全保障局担当)である。

名称からは、何をしているのかわかりにくいと思われるかもしれないが、要は日本版NSC担当の、制服実務組トップだ。

国家安全保障会議と訳される組織であり、内閣総理大臣を頂点に、我が国の安全保障に関する重要な意思決定がなされる場である。

その場に派遣されている制服組というのは、即ち、事実上の国家の意思決定を行うと言ってもいいほどに、総理大臣に対してその判断材料を提供し、意思決定に関する助言を行うポジションとなる。

我が国に有事が発生した際、国家として意志決定を行う実務上の責任者。

それが伊藤であり、我が国の平和と安全に関する大きな部分を握っている海将補であると言って良いだろう。

間違いなく、5~7年後には海上幕僚長候補として、ますますその活躍の舞台を広げているだろう。

ぜひ、こんなキャリアを持つ伊藤という男の、今後の異動と活躍に注目して貰えれば幸いだ。

◆伊藤弘(海上自衛隊) 主要経歴

昭和
63年3月 海上自衛隊入隊

平成
11年1月 3等海佐
14年7月 2等海佐
15年3月 米国中央軍連絡官
17年4月 いそゆき艦長
18年3月 海上幕僚監部人事教育部補任課
19年1月 1等海佐
21年8月 統合幕僚監部防衛課防衛交流班長
22年7月 第7護衛隊司令
23年12月 海上幕僚監部補任課長
25年8月 防衛大学校訓練部長 海将補
26年12月 第4護衛隊群司令
28年7月 統合幕僚監部防衛部副部長
29年8月 統合幕僚監部防衛計画部長
29年8月 内閣官房出向 内閣審議官(国家安全保障局担当)

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 第4護衛隊群公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/4el/cf4_greetting_ito.html

防衛省海上自衛隊 活動紹介公式Webサイト(CTF151活動写真)

http://www.mod.go.jp/js/Activity/Gallery/anti_ctf151_g01.htm

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