宮本久徳(みやもと・ひさのり)|第33期・陸上自衛隊

宮本久德は昭和39年11月生まれ、福岡県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第33期の卒業で幹候70期、出身職種は高射特科だ。

氏名の表記は、正確には「宮本久德」だが。德の字が旧字体であり、一部環境で正常に表記されない可能性があることから、新字体である徳を充てている。

ご了承願いたい。

平成28年12月(2016年12月) 第1高射特科団長・陸将補

前職は西部方面総監部防衛部長であった。

なお、第1高射特科団長としての指導方針は以下の通り。

【団長要望事項】

任務の完遂

日々進化

2018年2月現在、我が国で最大の規模を誇る第1高射特科団を率いている宮本だ。

第1高射特科団は北海道東千歳を根拠地として、第1高射特科群と第4高射特科群(名寄)、第101無人偵察機隊などを隷下に収める。

北海道全域がその警備担当区域であり、名寄にも部隊を配備していることからもおわかり頂けると思うが、冷戦時代から今に至るまで、国防の最前線を守る部隊の一つとして防空任務に就いている。

一方で第1高射特科団は、我が国の高射部隊における主要装備が順次、03式中距離地対空誘導弾に置き換えられている中で、改良ホークを主要装備としている。

地対空誘導弾ホークは、基本ホークの時代から数えて初配備から60年になる装備だ。

もちろん装備は、新しいほど良いわけではなくこれほど使い込まれた武器である以上、信頼性は極めて高く有効で有用な装備ではあるのだが、やはり技術的な進歩を全て取り込むには限界がある。

そのため2000年代に入り、全国の高射特科部隊では新たに開発された純国産の03式中距離地対空誘導弾の導入が進められて、順次増強が続いている状況だ。

その一方で、この03式地対空誘導弾は今も第1高射特科団隷下、北の守りに就く部隊には配備が進んでいない。

これは、南西方面の島嶼部防衛を重視する現在の国防政策に沿って、西部方面隊隷下の高射特科部隊に優先的に装備が充てられていることによるものだ。

その趣旨は理解できるものの、一方で北の防空能力を重視しないというメッセージに受け取られかねない装備の状況は、やはり懸念されるべきであろう。

あるいはそういった状況を意識してのものだと思われるが、2017年4月の第1高射特科団創隊45周年記念行事では、来賓として挨拶した千歳市長自らが、

「忘れてはならないのが、北方からの脅威だ」

と述べ、北海道の防衛は我が国の安全保障そのものであることと併せ、第1高射特科団の重要性を強調した。

2018年現在、確かにロシアからの切迫した脅威は存在しない。

しかしながら、力の均衡が崩れた時にロシアがどのような行動に出るのかは、古くは大戦末期、直近ではクリミア半島情勢を見ても明らかだ。

第1高射特科団をはじめとした北の防人たちが、その精強さを僅かでも失うようなことになればその抑止力はたちまち崩れ、平和が脅かされる事態に陥ることは明白である。

予算が厳しい状況の中で、限られた人員と装備を磨き上げ、その精強さを維持し、さらに発展させることが、宮本と第1高射特科団の精鋭たちには求められている。

その活躍に対する国民からの期待は熱く、そしてその責任は極めて重い。

さて、そのような第1高射特科団を率いる宮本について、そのキャリアと同期の状況について少し見てみたい。

宮本が陸上自衛隊に入隊したのは平成元年。

1等陸佐に昇任したのは20年1月なので、33期組1選抜(1番乗り)のスピード出世だ。

陸将補に昇ったのは28年12月だったので、こちらは同期1選抜に比べ2年4ヶ月の遅れとはなったが、もちろん堂々の将官昇任である。

1等陸佐として、現場や中央で十分な指揮を執り経験を積んだ上での、地に足をつけた形での陸将補昇任であり、昇任と同時に第1高射特科団長に着任した。

なお33期組は、2020年夏の将官人事で、最初の陸将が選抜される年次にあたる。

そのため2018年現在では、陸将補にあるものが33期組のトップエリートであり出世頭だ。

そしてその33期組陸将補の状況は、以下の通りとなっている。

冨樫勇一(第33期)・統合幕僚監部報道官(2014年8月)

山根寿一(第33期)・東北方面総監部幕僚副長(2014年8月)

牛嶋築(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長(2014年8月)

末吉洋明(第33期)・統幕運用部副部長(2014年8月)

廣惠次郎(第33期)・通信学校長(2015年3月)

児玉恭幸(第33期)・第1空挺団長(2015年8月)

梅田将(第33期相当)・大阪地方協力本部長(2015年12月)

酒井秀典(第33期)・航空学校副校長(2016年3月)

宮本久徳(第33期)・第1高射特科団長(2016年12月)

堀江祐一(第33期相当)・第8師団副師団長(2017年3月)

楠見晋一(第33期)・東京地方協力本部長(2017年8月)

※肩書はいずれも2018年2月現在。( )内は陸将補昇任時期。

まずは冨樫、山根、牛嶋、末吉の4名が33期組の中で抜け出しており、将来の陸幕長候補レースを競っていると言って良いだろう。

これに廣惠を加えた5名ほどが、まずは2020年の1選抜陸将レースで名乗りを上げる候補者と言うことになるのではないだろうか。

宮本については高射特科のエキスパートとして、部隊指揮はもちろん、その運用や技術開発の分野でも、その知見がますます必要とされることになるだろう。

後職では、国防の最前線である西部方面隊の幕僚副長や、あるいは高射学校長などに補職され、さらに活躍の場を広げてくれるはずだ。

防空のエキスパートであり、33期のエリートである宮本の活躍には、今後とも注目し、そして応援していきたい。

◆宮本久德(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 陸上自衛隊入隊(第33期)
元年9月 第12高射特科連隊第6大隊第1高射中隊(宇都宮)
11年8月 第8高射特科群第332高射中隊長(青野原)
12年1月 3等陸佐
13年8月 陸上幕僚監部防衛部運用課国際協力室(市ヶ谷)
15年7月 2等陸佐
16年9月 陸上幕僚監部防衛部防衛課(市ヶ谷)
20年1月 1等陸佐
20年3月 幹部学校付
21年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛課(市ヶ谷)
22年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛課編成班長(市ヶ谷)
24年4月 第8高射特科群長兼青野原駐屯地司令
26年3月 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官(朝霞)
27年3月 西部方面総監部防衛部長(健軍)
28年12月 第1高射特科団長(東千歳) 陸将補

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第1高射特科団公式Webサイト(顔写真、駐屯地記念行事風景)

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/na/link/1aab/katudou/newpage2.html

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/na/link/1aab/danntyou/newpage2.html

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