伍賀祥裕(ごか・よしひろ)|第35期・海上自衛隊

伍賀祥裕(ごかよしひろ)は昭和43年11月生まれ、岡山県出身の海上自衛官。

防衛大学校第35期の卒業で幹候42期、出身職種は水上艦艇だ。

平成29年8月(2017年8月) 護衛艦隊司令部幕僚長・海将補

前職は第43代第1護衛隊群司令であった。

なお、第1護衛隊群司令であった時の指導方針は以下の通り。

【指導方針】 至誠  献身  団結

35期の絶対エースにして、将来の海上幕僚長候補筆頭と言っていいだろう、伍賀祥裕である。

そのキャリアは極めて充実しており、早くから将来の最高幹部を嘱望されていたであろう補職が多く、そして伍賀自身もその期待に応え続け、出世を続けてきた。

その伍賀が艦長を経験した船は、当時退役間近であった3000トンクラスのDDはつゆき。

そしてはつゆきは、伍賀が艦を降りて1年後に退役となっている。

退役間近のOld Navy(海の古強者)に愛され運を貰ったのであろうか、伍賀はこれ以降目覚ましい出世を重ね、中央においては運用支援課、情報本部、そして防衛課長と、トップエリートらしい補職を重ねる。

現場指揮においては第3護衛隊司令、第1護衛隊群司令を経て護衛艦隊司令部幕僚長に昇るなど、非の打ち所のない完璧なキャリアだ。

昇任も全て最速であり、平成3年3月に海上自衛隊に入隊以降、1等海佐に昇ったのが22年1月、海将補に昇ったのが28年7月と、いずれも自衛隊の人事運用制度上の最速昇任となっている。

もちろん、35期の1選抜(1番乗り)であり、完璧なスーパーエリートとして職務をこなしてきたと言っていいだろう。

なお、2017年11月現在で、その35期のライバルとなる海将補には以下の者たちがいる。

松本完(第35期)・第4航空群司令(2016年7月)

伍賀祥裕(第35期)・護衛艦隊司令部幕僚長(2016年7月)

近藤奈津枝(第35期相当)・統合幕僚監部首席後方補給官(2016年12月)

八木浩二(第35期)・第1護衛隊群司令(2017年8月)

(※肩書はいずれも2017年11月現在。末尾時期は将補昇任時期)

水上艦艇畑の伍賀と並び、空のスーパーエリートとして松本が伍賀の良きライバルと言ったところだ。

今のところ、この2名が35期組のトップエリートとして活躍しており、恐らくこのまま切磋琢磨を続けながら海将に昇り、最後まで競争相手となるのではないだろうか。

なおやはり、特筆するべきは医官を除く初の女性海将補、近藤の存在感だろう。

1選抜でこそなかったものの、一般大学卒業生でありながら同期2番手で将補に昇った実績は本当に見事だ。

女性活躍社会の象徴のような最高幹部であり、是非さらに成果を挙げて、重要な補職を歴任することを期待したい。

そのような35期にあって、人事の中心となっていくであろう伍賀だが、やはりそのキャリアの中で目立つのは、第1護衛隊群の司令であろう。

第1護衛隊群は、いろいろな意味で護衛艦隊の中核を為すと言っても良い艦艇が揃っており、その司令の動向は既にそれ自体が政治的なメッセージを帯びる。

最新鋭DDH(ヘリ搭載護衛艦)の「いずも」や、実績十分でなおかつミサイル防衛の要となるイージス艦「こんごう」など、隷下にある艦艇はその所在自体がニュースになるほどなので、護衛艦隊に詳しくない人でも耳にしたことがある人は多いはずだ。

中でも伍賀が、第1護衛隊群司令時代に遂行したもっとも大きな任務と言えば、2017年5月に横須賀沖で行われた米補給艦の護衛任務であろうか。

我が国の護衛艦が公式に米軍艦艇の護衛任務に就くのは史上初めてのことであり、2016年3月に施行された安全保障関連法の初めての実施事例となったが、その任務にいずもがあたるということにもまた、大きな存在感を示す出来事となった。

なおこの時、いずもはさざなみとともに3日間、米艦の護衛を実施したが、実はこの任務には続きがあり、その後、伍賀に率いられたいずもとさざなみは一路東南アジア・インド洋を目指す。

表向きの任務は

「パシフィック・パートナーシップ2017におけるベトナム(カムラン)での活動に参加し、関係国との間の相互理解及び協力の促進を図る。」

というのが公式発表だ。

そして上記の画像はこの時の、いずも艦上でのレセプションということになる。

この米軍艦艇の護衛を実施した時期は米トランプ大統領が朝鮮半島に2隻の空母を派遣し、北朝鮮有事の可能性がもっとも高まっていた時期にあたる。

その時期に米艦護衛を実施したいずもは、そのまま米空母打撃群と合流するのではないか、という憶測が一時流れたが、結果として南シナ海方面に航路を進め、中国の強引な海洋進出に苦しむベトナムや東南アジア諸国に艦を進める。

そしてシンガポールで国際観閲式に参加し、次の寄港地であるフィリピンではドゥテルテ大統領を艦上に招き、両国の親密ぶりを内外にアピールした。

これらの動きは「日本は朝鮮有事だけではなく、南シナ海問題にも関与する」という日本政府の強い意志表示と見て間違いないだろう。

そして実際にいずもは、これら一連の行事が行われた帰路において、中国が「九段線」を引き管轄権を主張する海域を通行し、中国を牽制する動きを見せた。

この時、いずも艦上には経由地で乗艦した東南アジア諸国から10名の士官が乗っており、レーダーには接近する中国軍機の機影も映るなど、緊迫した場面も実際に発生している。

これらいずもの行動につき伍賀は、「日本版航行の自由作戦ではない」とその意図を中国に向けたものではないとしながらも、「法の支配に基づく自由で開かれた海を守る活動の一環だ」とも述べ、事実上、中国を牽制するものであることを認めている。

海上自衛隊を代表する最新の護衛艦を預かり、そして政治的な機微をギリギリのところで行いながら、想定外の事態には冷静かつ毅然と対応するなど、これ以上はない指揮ぶりをみせた伍賀。

さすがは35期の絶対エースだ。

そして伍賀はその後職で、さらに大きな責任を背負うことになる護衛艦隊司令部幕僚長に昇っている。

このポストにおいては、利益を共有するアジアの友邦と親善を深め、海軍外交を通じ我が国の国益に、より一層貢献し尽力してくれることになるだろう。

政治的・軍事的に難しい役割にも抜群の安定感を見せた伍賀が、今後さらに要職に昇らない理由は見当たらない。

間違いなく、7~8年後の海上幕僚長候補になっているだろう。

その活躍と補職を、楽しみに追っていきたい。

本記事は当初2017年7月16日に公開していたが、加筆修正が重なったので2017年11月24日に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年7月に公開した当時のものをそのまま残している。

◆伍賀祥裕(海上自衛隊) 主要経歴

平成
3年3月 海上自衛隊入隊 (第35期)
14年1月 3等海佐
17年7月 2等海佐
19年3月 第4護衛隊群幕僚
20年3月 はつゆき艦長
21年3月 統合幕僚監部防衛課
22年1月 1等海佐
23年8月 海上幕僚監部指揮通信課指揮通信班長
25年8月 第3護衛隊司令
26年10月 海上幕僚監部運用支援課
26年11月 情報本部情報官
27年8月 海上幕僚監部防衛課長
28年7月 第1護衛隊群司令 海将補
29年8月 護衛艦隊司令部幕僚長

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 第1護衛隊群公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/ccf1/about/

また以下の画像は外務省のルールに従い、外務省のHPから引用。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

在ベトナム日本大使館公式Webサイト(レセプション写真)

http://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/pacificpartnership2017.html

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