川波清明(かわなみ・きよあき)|第32期・航空自衛隊

川波清明は昭和39年4月生まれ、福岡県出身の航空自衛官。

防衛大学校第32期の卒業で幹候78期、職種は飛行でF-15戦闘機パイロット上りだ。

平成29年12月(2017年12月)航空幕僚監部運用支援情報部長・空将補

前職は、初代にあたる第9航空団司令兼第29代那覇基地司令であった。

増加し続ける、我が国の南西方面における脅威。

中国人民解放軍に依る強引な海洋進出に伴い、その触手は我が国の領空・領域にまで及んできている形だが、事態の重大性を受けて航空自衛隊では、同方面の大幅な防空能力の強化を決定した。

それが2017年夏の組織大改編であったが、この改編では南西航空混成団が南西航空方面隊に格上げ。

その隷下にあった第83航空隊も、それに先立つ2016年1月に第9航空団に格上げとなっており、その初代司令に着任したのが川波であった。

この改編では、1個飛行隊が2個飛行隊に再編され戦力の大幅な強化が図られた他、西部航空方面隊隷下へのF-15戦闘機隊編入と併せ、西空・南空における戦闘能力の大幅な向上が行われたことを特徴にする。

いうまでもなく、同空域は我が国の国防におけるホットスポットであり、その司令にかかる期待と責任は極めて大きく重い。

なお川波は、空幕においては主に運用支援系の要職を歴任している。

運用支援は、訓練計画の立案やその環境整備を主な任務にしているが、この計画づくりにはもちろん南西航空混成団と83航空隊の再編も含まれており、最前線に立つ指揮官にとって運用しやすい訓練環境の整備を心がけていたと言うが、

「まさか自分がその任務に就くと思っていなかった」

と、思いがけない最前線での指揮官着任に強い意欲を燃やす着任となった。

そして、責任ある現場での立ち上げを完璧にやり遂げ、再び空幕の航空幕僚監部運用支援・情報部に戻り、部長に着任することが決まった。

その川波のキャリアに少し目を向けると、航空自衛隊入隊は昭和63年3月。

1等空佐に昇ったのが平成19年1月なので、32期1選抜でのスピード昇任だ。

その後、空将補に昇ったのが平成27年8月なので、こちらは同期最速から2年後ということになる。

陸上自衛隊や海上自衛隊では、1選抜で将補に昇るものがそのまま幕僚長レースに残ることが多いが、空に関しては陸海ほど、絶対的な差にならない。

さらに、この国防の最前線における指揮官経験は極めて大きな知見となり、指揮官としての厚みを増すことは疑いないだろう。

2017年12月現在で、前航空幕僚長であった杉山良行(第24期)も、再編前の第83航空隊第302飛行隊において飛行隊長を務め、さらに南西航空混成団司令から航空総隊司令官を経て空幕長に昇っている。

中国人民解放軍が脅威であり続ける安全保障環境の下では、南空もしくは西空における現場経験や指揮経験が全く無い高級幹部というのは非常に考えづらい。

その意味では、初代第9航空団司令に着任し、同空域の安全を守り続け成果を挙げている川波の存在感はますます高まっていると言って良いだろう。

次の補職はどのポストになるのか。

そして、さらに上の階級(空将)にはいつ昇ることになるのか。

楽しみに注目したい最高幹部だ。

なお2017年12月現在、32期はまだ空将を出す年次に達していない。

2019年夏の将官人事で最初の空将を出すことになると思われるが、その際に候補となりえる、32期組の空将補は以下の通りだ。

鈴木康彦(第32期)・航空幕僚監部人事教育部長(2013年8月)

阿部睦晴(第32期)・航空幕僚監部装備計画部長(2013年8月)

柿原国治(第32期)・北部航空警戒管制団司令(2014年3月)

尾崎義典(第32期)・統合幕僚監部総務部長(2014年8月)

川波清明(第32期)・航空幕僚監部運用支援・情報部長(2015年8月)

上境賢己(第32期)・第1術科学校(2015年12月)

岩城公隆(第32期)・第4補給処長(2016年12月)

※補職は全て2017年12月現在。( )は空将補昇任時期。

この7名が、まずはこの先5年以上に渡り、我が国の空の安全を守る各方面の最高責任者となる。

そして5~7年後にはこの中から1名が航空幕僚長に昇っている可能性がある世代だ。

その中でもとりわけ、現実的な侵略行為に直面し、全身全霊を傾け任務を果たしているのが川波ということになる。

我が国の安全保障を考える上でも、川波の活躍からは目を離せそうにない。

本記事は当初2017年7月18日に公開していたが、加筆修正が重なったので2018年1月8日に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年7月に公開した当時のものをそのまま残している。

南西方面の我が国の空の安全確保は緊迫の度合いを増している。

そのことの影響もあるのだろうか、川波は第9航空団の発足にあたり隷下にあった204飛行隊と築城から編入した304飛行隊の尾翼エンブレムの色を、それまでのハイビジ(高視認性塗装)からロービジ(低視認性塗装)に改めさせた。

このことについて川波は、

「エンブレムをハイビジからロービジに変えたところで、ステルス性はもちろん、視認性の上でもほとんど変わりはない。しかしここは戦いの場であり、実戦向きのロービジに切り替えることで今まで以上に気を引き締め、任務に臨むという我々の意識を示した。」

と語っている。

国民が気が付かないところでこんなにも日々、緊張感の中で国防のために空に昇っていく自衛隊員がいる。

私たちはそれをしっかりと心に留めなければならない。

◆川波清明(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
63年3月 航空自衛隊入隊(第32期)

平成
11年1月 3等空佐
14年7月 2等空佐
15年3月 第6航空団
18年8月 航空幕僚監部運用支援・情報部運用支援課
19年1月 1等空佐
19年8月 幹部学校付
20年12月 統合幕僚監部総務部総務課渉外班長
22年8月 航空幕僚監部運用支援・情報部運用支援課
23年3月 航空幕僚監部運用支援・情報部運用支援調整官
24年12月 航空幕僚監部総務部総務課広報室長
25年8月 航空幕僚監部運用支援・情報部運用支援課長
27年8月 那覇基地司令兼第83航空隊司令 空将補
28年1月 那覇基地司令兼第9航空団司令
29年12月 航空幕僚監部装備計画部長

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省航空自衛隊 那覇基地公式Webサイト(顔写真及び行事写真)

http://www.mod.go.jp/asdf/naha/shirei/index.html

http://www.mod.go.jp/asdf/naha/blog/index.html

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コメント

  1. より:

    たいへん恐縮ですが
    タッグネームは「EARTH」
    アースだと存じます。
    ご確認宜しくお願いいたします。

    • ytamon より:

      ご連絡ありがとうございました。
      TACネームですね。
      情報源が一次情報(防衛省)ではなかったので、TACネームに関する記述を削除しました。
      EARTHに関して、確認ができるソースが頂ければ大変ありがたいです。
      それまで、当面の所、削除の対応でご容赦下さい。

      ご連絡頂きまして本当にありがとうございました。
      間違いの指摘はとてもありがたい情報です。
      心から感謝します。
      m(_ _)m