阿部慎治(第28普通科連隊長・1等陸佐)|第33期相当・陸上自衛隊

阿部慎治(あべ・しんじ)は昭和40年4月27日生まれ、宮城県出身の陸上自衛官。

駒沢大学国文学部を卒業し、平成元年3月に陸上自衛隊に入隊しているので、第33期相当の幹部ということになる。

幹候は70期で職種は普通科。

平成29年8月(2017年8月) 第28普通科連隊長兼函館駐屯地司令・1等陸佐

前職は中央業務支援隊総務部長であった。

なお、第28普通科連隊長としての指導方針は以下の通り。

【連隊長統率方針】

『即時即動』『明るく強く』『地域との一体化』

【要望事項】

『前進』


(画像提供:防衛省公式Webサイト


(画像提供:陸上自衛隊函館駐屯地公式Webサイト

2018年10月現在、函館駐屯地に所在する第28普通科連隊長を務める阿部だ。

なお最初にお話しておくと、上記写真1枚め、小野寺防衛大臣(当時)を先導しているのが阿部であり、小野寺大臣の左後ろには、陸上幕僚長の山崎幸二(第27期)の姿が見える。

なぜ阿部が、小野寺大臣と山崎陸幕長を先導し山を登るようなエライことになっているのかというと、この写真が撮られたのは2017年9月のことだ。

2017年9月といえば、2017年5月15日の午前、陸上自衛隊北部方面航空隊のLR2連絡偵察機が墜落し、乗員4人が死亡したあの痛ましい事故から4ヶ月後ということになる。

そして小野寺大臣が、稲田朋美元防衛大臣の跡を継ぎ、大臣に着任してまだ間もない時期。

そのようなことを考え合わせると、小野寺大臣は大臣に着任してすぐに、何をおいてもまず、殉職隊員の慰霊に足を運んだということなのだろう。

通常の地方巡察であれば、方面隊トップが接遇すれば事足りるが、殉職隊員の慰霊ということでは、陸自トップが随行しないわけにはいかない、ということだったのではないだろうか。

いずれにせよ、こんなところにも、小野寺氏の大臣としての資質の高さと、もはや恒例となった「辞任時の涙」が示すほどの、自衛隊への深い敬意と愛情を感じ取ることができる。

さて、連隊長としてこんな大きな仕事を任された阿部である。

函館駐屯地は、東に函館競馬場、西に函館競輪場に隣接するという、とんでもなく  恵まれた環境  ケシカラン環境に存在する、全国の駐屯地でもここだけではないか、という立地にある。

津軽海峡に面した海辺にあり、函館港や函館空港にも至近の距離であることから、海路にも空路にも恵まれた、風光明媚な港町だ。

しかしだからこそ、というべきだろうか。

この函館駐屯地と第28普通科連隊は、おそらく戦後唯一であろう、実戦に直面した臨戦態勢を経験している。

1976年9月に発生した、函館空港を舞台とするベレンコ中尉亡命事件だ。

ソ連空軍の現役中尉がこともあろうに、冷戦真っ只中のこの時期に、MiG-25に搭乗したまま函館空港に強行着陸をしてしまうという前代未聞の事態である。

当然、ソ連と日本、ソ連とアメリカの緊張状態は極限まで高まり、函館空港に隣接する第28普通科連隊は直ちに戦闘準備を開始。

ベレンコ中尉とMiG-25を奪還しに来る事態に備え、対ソ連戦闘の準備に入った。

結局この際、ソ連は強硬姿勢をとったものの武力侵攻までは開始しなかったことから事態は収束するが、一方で我が国には非常に大きな数々の課題が残り続けた。

F-4戦闘機の戦闘能力など深刻な課題もあったが、中でも印象的なものは、やはり何と言っても政治の怠慢だ。

怠慢というよりも、覚悟の欠如であろうか。

この騒動の際、防衛出動の命令が下ることを想定して臨戦態勢に入った陸上自衛隊に対し、時の総理大臣であった三木武夫はその独断に立腹。

直ちに、事件に関する教訓と対応を記した文書の全てを破棄するよう陸自に命じ、それにさらに激怒した時の陸上幕僚長、三好秀男(陸士53期)が抗議の辞任をする事態に発展した。

今まさに、最大の仮想敵が我が国に侵攻を始める可能性が高まっている時に、その準備に入った自衛隊を咎めるという、極めて信じがたい政治の姿勢だ。

今からは想像もつかないかも知れないが、自衛隊は戦後長らくの間、世間だけでなく自国政府からも、このような理不尽な扱いを受け続けてきた。

これも全て政治家と、その政治家を支持する国民の覚悟の欠如と言うべきだが、大きな歴史の教訓とするべきではないだろうか。

このような扱いにも心折れること無く、我が国を防衛するために尽力をし続けてくれた自衛隊とその先人の努力には、ただただ、深い敬意を感じるばかりだ。

改めて、心から感謝を申し上げたい。

さて、ではそのような大事件の舞台となった函館駐屯地を任される阿部とは、一体どのような指揮官なのだろうか。

少し詳細に、そのキャリアを見ていきたい。

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