沖邑佳彦(おきむら・よしひこ)|第31期・陸上自衛隊

沖邑佳彦は昭和39年11月生まれ、岐阜県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第31期卒業で幹候68期、出身職種は航空科で、回転翼機(ヘリコプター)のベテランパイロットだ。

平成29年3月(2017年3月) 陸上幕僚監部運用支援・訓練部長・陸将補

前職は陸上幕僚監部教育訓練部長であった。

31期の絶対エースである沖邑だ。

同期の出世頭にふさわしいキャリアを歩んでおり、その経歴はどれも印象的なポストばかりだが、その中でも特に沖邑のポジションを決定づけたのは、西部方面航空隊長のポストであるかもしれない。

同ポストは西部方面隊隷下にある陸自の航空戦力だが、その担当地域は九州及び南西諸島。

そしてその装備及び任務は、対戦車ヘリの運用、観測ヘリを用いた敵状の確認、そして大型ヘリを用いた空中機動任務である。

つまり、有り体に言って尖閣諸島を始めとした、我が国が経験する可能性が最も高い地域紛争において、中心的役割を果すことになる空中戦力となる。

西部方面普通科連隊と言えば、日本版海兵隊の名前が示すとおりに、南西方面有事における殴り込み屋となる。

そしてその訓練と言えば、海自の第1輸送隊と共同で行う海上からの奇襲殲滅訓練の公開ばかりが目立つが、恐らく西部方面航空隊による機動戦闘車の空輸や兵員の輸送も当然視野に入っているだろう。

そういう意味では、西部方面航空隊はその任務の性質上、CRF(中央即応集団)隷下にある第1ヘリコプター団に似たような役割を帯びていると言って良いかもしれない。

ヘリコプター部隊を指揮し昇任を重ねてきた沖邑にとってこのような、我が国のホットスポットに於ける組織づくりと最前線の防衛を任されたことは何よりも大きな経験となったはずだ。

そしてその補職は、沖邑に対する自衛隊上層部からの期待の大きさの表れであり、将来の国防に重要な責任を果すことを求めるメッセージでもある。

さて、その沖邑は防衛大学校第31期の卒業生である。

31期組は、2018年夏の将官人事で最初の陸将を出す世代になり、2017年12月現在で、今まさに陸将ポストを巡る熱いレースを繰り広げていることになるが、その有資格者といえる陸将補は以下の通りである。

全ての世代の中で最多の、14名の陸将補がいる年次だ。

沖邑佳彦(第31期)・陸上幕僚監部運用支援・訓練部長

竹本竜司(第31期)・第11旅団長

前田忠男(第31期)・陸上幕僚監部防衛部長

原田智総(第31期)・第15旅団長

片岡義博(第31期)・第1特科団長兼ねて北千歳駐屯地指令

亀山慎二(第31期)・中央情報隊長

鵜居正行(第31期)・第3施設団長  兼ねて南恵庭駐屯地司令

中野義久(第31期)・東部方面総監部幕僚長兼ねて朝霞駐屯地司令

野村悟(第31期)・中央即応集団副司令官

蛭川利幸(第31期)・中部方面総監部幕僚長

藤岡登志樹(第31期)・陸上自衛隊富士学校副校長

眞弓康次(第31期)・陸上自衛隊武器学校長兼土浦駐屯地司令

森脇良尚(第31期)・第2師団副師団長

吉野俊二(第31期)・陸上自衛隊化学学校長兼大宮駐屯地司令

(肩書はいずれも2017年12月現在)

人数が多いので、この中で1選抜で陸将補に昇ったものだけを紹介させて頂くと、沖邑、竹本、原田、前田の4名である。

いずれも平成24年7月に陸将補に昇っているが、陸上自衛隊の場合、大きな服務事故がない限り、1選抜で将補に昇ったものがそのまま陸上幕僚長候補レースに残ることが多い。

そのため沖邑も、順調に行けば2018年夏の人事異動で、いずれかの師団長に昇ることになるだろう。

おそらく第8師団長に着任するのではないだろうか。

その後、陸幕副長、統幕副長、防衛大学校幹事などの上級職を1つ経験し、おそらく2020~2021年頃にいずれかの方面総監に昇るキャリアとなると思われる。

もちろんその後は、陸上幕僚長候補として最後のレースに臨むことになる。

強靭な意志と、任務必達に掛ける妥協のない指揮スタイルである一方、温かで部下想いであり、ユーモア溢れる親しみやすい人柄は、どのポストに赴いても多くの幹部曹士の心を掴み続けてきた沖邑だ。

幕僚として指揮官を支え、指揮官として過不足無く大軍を率いる事ができる能力は本物である。

5年後の陸幕長候補として、これからも注目して行きたい。

本記事は当初2017年7月26日に公開していたが、加筆修正が重なったので2017年12月10日に整理し、改めて公開した。

なお、ここから下の部分は2017年7月に公開した当時のものをそのまま残している。

◆沖邑佳彦(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
62年3月 陸上自衛隊入隊(第31期)

平成
10年1月 3等陸佐
13年7月 2等陸佐
18年1月 1等陸佐
18年3月 研究本部研究員
18年6月 陸上幕僚監部運用支援・情報部付
18年7月 研究本部研究員
19年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛課防衛交流班長
20年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課防衛班長
21年8月 西部方面航空隊長兼ねて高遊原分屯地司令
22年12月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練計画課長
24年7月 陸将補
24年12月 東部方面総監部幕僚副長(防衛)
27年3月 第7師団副師団長
28年7月 陸上幕僚監部教育訓練部長
29年3月 陸上幕僚監部運用支援・訓練部長

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第7師団公式Webサイト(離任式写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/7d/vcg2.html

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