大庭秀昭(おおば・ひであき)|第30期・北部方面総監部幕僚長

大庭秀昭(おおば・ひであき)は昭和39年3月1日生まれ、福岡県北九州市出身の陸上自衛官。

防衛大学校第30期の卒業で幹候67期、出身職種は普通科だ。

平成29年3月(2017年3月) 北部方面総監部幕僚長・陸将補

前職は幹部候補生学校長であった。


(画像提供:陸上自衛隊第10師団公式Webサイト 第10師団だより2015年4月号)

2019年5月現在、火力・勢力ともに我が国で最大を誇る北部方面隊で、幕僚長を務める大庭のご紹介だ。

現職に着任した当初は、現統合幕僚長である山崎幸二(第27期)が総監を務める総監部で、その幕僚長として北の精鋭を運用した。

前職では、幹部候補生学校長を務めるなど、印象的なポストが目立つ30期組の最高幹部である。

これほどの要職を務める大庭のことだ。

そのキャリアはいずれも印象深いポストばかりだが、敢えて一つ挙げるとすれば、それは「菊水連隊」、大阪信太山の第37普通科連隊長時代の仕事ぶりであろうか。

37普通科連隊は、大阪城にその司令部を構えた明治日本陸軍時代の精鋭・野砲兵第四聯隊をその前身とする。

日清・日露戦争での数々の武勲はもちろん、明治新政府の下で大阪鎮台の主力として日本国内を転戦し、非常な武勇を謳われた部隊でもある。

いわば、我が国で最も古い歴史と伝統を持つ部隊といったところだが、当然のことながらその士気も極めて高い。

余りにも士気が高すぎて、2018年11月には滋賀の演習場付近で国道に迫撃砲を撃ち込んでしまったのだが、さすがにこれは褒めてはいけない・・・汗

それにしても、あのヤラカシ方も中々のものであったが、謝罪会見でマイクを取っていたのは、37普連長ではなく、当時、今津駐屯地司令で第3戦車大隊長の水谷清隆(第43期)であった。

まさに「責任罰」といったところなのだろうが、管理人が知る、多くの幹部曹士から尊敬を集めるある元幹部自衛官は、

「責任罰は男の勲章たい!」

と、部下の不祥事で処分を受けた、後輩の幹部自衛官を叱咤激励したと聞いたことがある。

ぜひ、やらかした方も、頭を下げた方も、けが人がいなかったという不幸中の幸いを天佑として、前を向いて更に厳しい訓練に臨んで欲しいと願っている。

大庭の話に戻る。

大庭はこの第37普通科連隊長であった頃に、連隊の歴史に残る一つの行事を挙行している。

それは、37普通科連隊が所在する信太山駐屯地から”住之江公園”までの、新年の「記念行進訓練」を開催したことだ。

なお住之江公園の至近距離には、大阪護國神社があることはもちろん無関係である。

無関係な話で恐縮だが、大阪護國神社は信太山のお膝元にあり、先の大戦で戦没した大阪出身者の将兵をお祀りする神社だ。

しかしながら戦後、第37普通科連隊として護国神社を参拝した連隊長とその隷下部隊は皆無であった。

なおかつ、大庭がこの「住之江公園」までの行進を実施したのは平成22年1月であり、東日本大震災の前年にあたる。

つまり、今ほどには自衛隊に対する理解が進んでおらず、その実施には相当な逡巡、あるいは圧力もあったことだろう。

しかし大庭は、それでもやりきって組織として守るべき価値観、先人への敬意を体で示した。

当時の世相を考えると、自らの保身と栄進だけを考えれば、間違いなくやらなかった方が良かったのかもしれない。

自衛隊に対する理解が進んだ2019年現在でも、その実施にはかなりの英断が必要になるはずだ。

そんな思いを貫き通した大庭の価値観、統率姿勢一つをとっただけでも、どれほどの指揮官であるのかが伝わってくるようなエピソードである。

ぜひ、大庭を理解する上で知っておいてほしい、普通科連隊長としての一コマであった。

では、そんな一面をもつ大庭とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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コメント

  1. へのへのもへいじ より:

    第10師団で任期自衛官として勤務した時の副師団長の中に大庭陸将補がみえました。
    雪が降った日でも必ず腕捲りをした迷彩服で勤務されていた事を覚えています、副官の方も腕捲り統制があり風の噂で勝手に袖を伸ばした副官が怒られたという話を聞いた事がありました。

    • ytamon より:

      大庭さん、本当に気合の漲ったお姿をされていますが、そのようなエピソードがあるのですね!
      ついに、「頭号師団」たる第1師団長にまで昇られて、ますますご活躍が楽しみです。

  2. 予備時陸曹 より:

    予備自訓練の際に我々予備自衛官に壇上から「喝」を入りられた大庭連隊長を思い出させます。
    寒中の中腕捲りして厳しく要望事項を語られる姿は、一気に我々予備自衛官の「娑婆っ気」を
    吹き飛ばしました。
    お客様扱いされていた予備自衛官もびっくりしていましたが、皆「連隊長の言葉は身に染みたが、逆に訓練にやる気が出た。」と意見が多数でした。
    それと「住之江公園」の件も予備自衛官達も喜んでいました。
    今後も陸自の為に大庭陸将の御活躍を期待しています。

    • ytamon より:

      大庭陸将らしいエピソードですね!
      とても興味深いお話しをありがとうございました。
      「住之江公園」のお話しも、とてもいいお話ですよね。
      いよいよ頭号師団長にお昇りになって、さらにご活躍をされるのが楽しみです。