花田哲典は昭和42年生まれ、大阪府出身の航空自衛官。
部内幹候88期で幹部に進んだ、高射のスペシャリストだ。
平成26年8月 第1高射群第4高射隊隊長・3等陸佐
前職は中部航空方面隊司令部勤務であった。
なお、第4高射隊隊長としての指導方針は以下の通り。
【隊長指導方針】
「元気 やる気 負けん気」
2017年7月現在、花田が補職されている第1高射隊群第4高射隊は埼玉県の入間基地に所在し、我が国に対するミサイル攻撃などが生起した場合に、これを高高度で迎撃し被害を最小限に抑えることを任務とする部隊だ。
更に具体的に言うと、北朝鮮から我が国に対しミサイル攻撃があった場合、特に第4高射隊であれば首都圏へのミサイル攻撃ということになるが、海上自衛隊の防空システムがこれを撃ち漏らすようなことがあった場合に、最後の盾となる防人たちとなる。
北朝鮮では近年、我が国の排他的経済水域はもちろん、国土をまたぐようなミサイル発射実験が繰り返されており、その現実的な脅威はますますエスカレートするばかりだ。
そのため、首都圏の高高度防空・防衛を主任務とする第1高射群隷下の各部隊(第1高射隊:習志野分屯地 第2高射隊:武山分屯地 第3高射隊:霞ヶ浦分屯地 第4高射隊:入間基地)にはますます注目が高まるばかりで、東京都心の市ヶ谷駐屯地には、第1高射隊のパトリオット(ペトリオット)が常時展開される事態となっている。
そのような中、あるいは花田が幹部に進んでから一番、マスメディアに取り囲まれたであろう出来事があった。
2017年6月21日に報道陣に公開された、花田が指揮する第4高射隊の陸上自衛隊朝霞基地への展開訓練の模様だ。
この訓練は、従来非公開であった我が国のパトリオットミサイルの防空展開能力をマスコミに公開するものであり、史上3例目のレアな公開訓練であったが、この訓練の指揮を執ったのが花田。
入間基地から15kmほど離れた朝霞基地に速やかに展開し、直ちに防空体制を整える一糸乱れぬ統制ぶりを報道陣に見せつけた。
公開訓練終了後にメディアのインタビューに答えた花田は、多くの報道陣に囲まれる中、「海自の防空網で撃ち漏らしたミサイルは必ず迎撃する」と力強く応え、50歳になる高射一筋のベテランエキスパートの頼もしさを印象づける記者会見となった。
その花田について、50歳なのに3等空佐であることをもってして、「出世が遅い」と思われる向きもあるかも知れないが、そのような指摘は全く当たらない。
もちろん、防衛大学を卒業してエリート街道を突き進む幹部であれば、50歳なら1等空佐、早ければ将補に登るものもいる頃だろう。
しかし自衛隊には、階級では比較できないプロフェッショナルたちがいる。
その最たるものが統合幕僚監部や陸海空の幕僚監部に任命される、最先任の存在だ。
彼ら(彼女ら)の階級は准尉であり、曹長よりは上だが3尉よりも下であり、防衛大学を卒業したての20代の若者が1年で手に入れる階級よりもさらに低い。
しかしその専門知識、経験の分厚さ、曹士の尊敬の厚さたるや尉官になりたての若者の比ではなく、現場叩き上げの知識で我が国の防衛政策を変えうることすらありえる立場である。
花田のような部内幹候と呼ばれる制度で幹部になった者は、曹士として特に優秀な勤務成績をおさめ、リーダーに相応しいと判断された上で、所属部隊から選抜された上で幹部過程に進んだ”別ルートのエリート”幹部だ。
このように曹士を長く経験した上での幹部は、豊富な現場知識に裏付けられた全く上辺に滑らない理論に裏打ちされた作戦を立案し、所属長に意見具申できることから、全国どのような部隊でも欠かせない存在であって、なおかつ重宝がられている。
一方でこの部内幹部はやっかいなもので、元々全国への転勤を嫌い、あるいは自分の好きな勤務地や職種で働きたいと希望して自衛隊に入った曹士にとっては、必ずしも幹部に昇進することが嬉しいことではないという側面がある。
幹部に昇進すれば高確率で北海道から沖縄まで飛ばされる上に、子供の教育を考えれば確実に単身赴任。
なおかつ幹部といっても将官に進めるわけでもなく、増額される手当も多くて数万円で、1~2回外食をすれば消えるような額だ。
家庭があり、生きがいと誇りを持ってその職種に打ち込んでいる曹士にとっては、上官から選ばれたからと言っても、かなり悩ましい人生の選択肢になるだろう。
そのような状況を背中から押してくれる決断は、やはり何といっても、組織に対し貢献しようとする意志と、国防に対する熱い思いであろう。
自衛官であればみなその思いに差はないとは言え、より自己犠牲的に尽くそうという貴い意志がなければ、部内幹部にはなかなか進む決心がつかないはずだ。
そして花田はそんな道を選び幹部に進み、本来であれば第2高射群(福岡)で転勤無く過ごせたはずの人生を、第5高射群(沖縄)、第1高射群(埼玉入間)、高射教導隊(千葉)、第4補給処(埼玉入間)、などを数年おきに転々とし、2017年7月現在で第4高射隊長(入間)を務めているということになる。
ある意味で幹部自衛官になるということは私人としての人生を全て放棄して、国防に尽くすことを意味する。
そんな決心をして、我が国の国防に人生を捧げ首都圏の防空・防衛に携わっている花田のような男がいることを、私たち国民は忘れてはならない。
◆花田哲典(航空自衛隊) 主要経歴
昭和
61年3月 航空自衛隊入隊
61年11月 第2高射群
平成
7年3月 第5高射群
11年3月 第2高射群
14年8月 第1高射群
18年4月 高射教導隊
21年4月 第1高射群
23年5月 第2高射群
25年3月 第4補給処
26年3月 中部航空方面隊司令部
26年8月 第1高射群第4高射隊隊長
◆姓名判断
不測の事態に対し臨機応変で適切な判断力を備え、なおかつ実行力を伴う理想的なリーダーであり、大きな組織で特に力を発揮する。
強い意志を持ちながら果敢に物事を進める上に、部下に対する思いやりや配慮も厚く、多くの人から尊敬を集める。
リーダーとして申し分のない姓名の組み合わせになっている。
【注記】
このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。
自衛官各位の敬称略。
※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的とし、軽量化処理やオリジナルからトリミングし切り取って用いているものがある。
【引用元】
防衛省航空自衛隊 第4高射隊公式Webサイト(顔写真)
http://www.mod.go.jp/asdf/1admg/4fu/otoiawase/index.html
防衛省航空自衛隊 主要装備品公式Webサイト(pac-3写真)
http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/other/Patriot/
自分が4高隊にいた時に2尉でいらっしゃいましたが、隊長として戻ってこられてたんですね。なつかしいです。
へっぽこ有線整備員さま
おぉ!
このイケメン隊長の部下でいらっしゃったんですね!