千葉徹(ちば・とおる)|第34期・第1特科団副団長

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千葉徹(ちば・とおる)は防衛大学校第34期卒業の陸上自衛官。

幹部候補生学校71期生で、職種は野戦特科だ。

 

平成30年8月(2018年8月) 第1特科団副団長・1等陸佐

前職は第4地対艦ミサイル連隊長兼八戸駐屯地司令であった。


(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト


(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト

2019年9月現在、我が国最大の野戦特科部隊である第1特科団で、副団長を務める千葉だ。

特科部隊としては唯一の団編成の規模を持つ北方の守りの要だが、ただ、野戦特科に厳しい逆風が吹く予算編成の昨今である。

自走榴弾砲を中心に装備・人員の削減が進められる事になっており、残念ながら将来的には、団編成そのものが縮小される可能性が高い。

 

しかしながら、伝統的に人命や装備の損耗を全く気にせず、大火力と戦力の集中で兵を進める戦略で周辺を侵略してきた国家が、我が国の隣にある。

航空自衛隊や海上自衛隊でその全てを迎撃できず、相当数の部隊が我が国に近接あるいは着上陸を果たした場合を想定すれば、第1特科団の大火力をもってしてもこれを迎撃するのは困難だ。

予算不足や定員割れで部隊の維持が難しいことには理解をしても、これ以上の野戦特科の縮小傾向は我が国の国防の根幹に関わる。

かつて、明らかな失政であったと断言しても良い中期防衛計画2005において、当時の小泉政権は地対艦ミサイル部隊の大幅な縮小方針を打ち出し、そして実際に第6地対艦ミサイル部隊を廃止してしまった。

しかしその後、この兵科が我が国の島嶼防衛の主要兵科と改められ、厳しい予算状況の中でも装備・人員が増強に転じているのはご存知のとおりだ。

 

100歩譲って、私たち一般国民が国防の要諦を理解せずに「海空自衛隊がいれば、野戦特科は必要ないんじゃないか」という誤解をするのは、わからなくはない。

しかしながら、予算のプロであり、国の未来を決定する財務省や政治家までもがこれほど明白な汚点を残しながら、なんらの反省も無くただ方針の再転換をして済まされるものなのか。

そして、今現在も進む地対艦ミサイル部隊を除く野戦特科の縮小方針も、我が国の安全保障環境に致命的な禍根を残すことにならないか。

第1特科団を取り巻く環境や縮小議論を見ていると、そのようなことが懸念されてならない。

 

そして、その渦中にあり副団長を務める千葉である。

過渡期にある野戦特科と第1特科団の精強さを維持し、さらに有事にあっては西方(西部方面隊)への機動力を発揮することも求められる、北の大鉈を預けられた幹部の一人だ。

野戦特科という兵科の存在感を発揮するためにも、ひいては我が国の安全保障環境をさらに強固なものにするためにも、その双肩にかかる責任は極めて重く、陸自内外の期待は非常に大きいと言って良いだろう。

 

では、そんな第1特科団の副団長を任された千葉とは、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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