上ノ谷寛(南西航空方面隊司令官・空将)|第30期・航空自衛隊

上ノ谷寛(かみのたに・ひろし)は昭和38年8月生まれ、大阪府出身の航空自衛官。

防衛大学校第30期の卒業で幹候76期、出身職種は飛行で、F-15戦闘機パイロット上がりのイーグルドライバーだ。

平成29年12月(2017年12月) 南西航空方面隊司令官・空将

前職は航空幕僚監部運用支援・情報部長であった。

(画像提供:航空自衛隊知念分屯基地公式Webサイト

2019年3月現在、我が国で今もっとも重要なポストの一つと言ってよいだろう、南西航空方面隊司令官を努める上ノ谷だ。

南西航空方面隊は沖縄那覇にその司令部を置き、沖縄本島を中心とした南西方面島嶼部の防衛に責任を担う部隊である。

ご存知のように、今我が国でもっとも紛争の可能性が高い地域であり、特に航空戦力の場合、その軍事衝突は直ちに全面戦争に発展する可能性がある、難しい舵取りを任される。

そんなこともあり、南西方面における防衛体制は陸海空に渡り大幅に強化されつつあるが、もちろん航空自衛隊も例外ではない。

上ノ谷は、実は2代目となる南西航空方面隊の司令官だが、この部隊が南西航空混成団から航空方面隊に格上げとなったのは、2017年7月。

なおこの際に、初代の司令官を務めた武藤茂樹(第28期)は2018年8月、我が国の航空戦力のほぼ全てを指揮する航空総隊司令官に着任するなど、この大仕事をやり遂げた評価が極めて高い。

また、前航空幕僚長である杉山良行(第24期)も、改編前の南西航空混成団司令から航空総隊司令官に昇るなど、直近この国防の最前線を務めた司令官は、後職でのさらなる活躍が顕著だ。

それほどの要職であることが、これら直近の人事からもおわかり頂けるのではないだろうか。

そういった意味において、上ノ谷にかかる責任は極めて重く、国民からの期待も極めて大きい。

その上ノ谷について。

これまでのキャリアを振り返ってみると、韓国との縁が深いことが、特に印象的だ。

高級幹部としての教育を、平成9年3月から韓国指揮幕僚課程に留学し学んだことを皮切りに、18年6月からは韓国防衛駐在官として現地に赴任し、韓国軍との「軍人外交」に力を尽くしている。

なおこの頃、朝鮮半島ではちょうど北朝鮮がテポドンの発射や核実験と言った傍若無人な振る舞いを続け、非常に緊張が高まっている時期であった。

もはや13年前とは思えない既視感があるが、防衛駐在官として韓国に赴任するのは韓国軍との防衛交流という目的もさることながら、やはり朝鮮半島情勢の情報収集という側面も大きい。

当然その延長には、中国の動向を把握する目的も含まれている。

そういった意味において、上ノ谷は東北アジアに精通する将官であり、現職はまさに適任であったと言えるのではないだろうか。

またそれだけではない。

上ノ谷は、米国フロリダ州へ留学し戦闘機戦術教官課程を履修するなど、米国との軍人交流でも結果を残している。

自衛隊は、陸海空いずれも米軍との連携が欠かせないのはもちろんだが、特にこの空海域の責任を担う司令官に、その素養は不可欠だ。

そのため米国通であることが特に重要な要素になるが、上ノ谷はこの辺りにも全く欠くところがない。

我が国の国防の最前線を護るにふさわしい最高幹部であり、指揮官であると言えるだろう。

では、そんな上ノ谷とはこれまで、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴をみていきたい。

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