武石政之(たけいし・まさゆき)は昭和41年生まれの陸上自衛官。
防衛大学校第35期の卒業で幹候72期、職種は武器科だ。
平成30年12月(2018年12月) 第15後方支援隊長・1等陸佐
前職は西部方面総監部装備部装備課長であった。
(画像提供:陸上自衛隊第15旅団公式フェイスブック)
(画像提供:陸上自衛隊第15旅団公式Webサイト)
2019年4月現在、国防の最前線である第15旅団隷下の後方支援を担う、第15後方支援隊長を務める武石だ。
沖縄の那覇に所在する部隊であり、離島の多い第15旅団警戒担当地域において、補給・整備・衛生・輸送などの兵站支援を担う。
その地域的特性から離島を多く抱えており、また沖縄にはこれだけの国防の要衝でありながら補給処がないために、あらゆる兵站を機能させるために文字通り部隊の命を預かる重い責任を担う。
ところでこの記事を書いている2019年4月、また一つの残念なニュースを耳にすることがあった。
それは、2019年3月26日の宮古島警備隊(宮古島駐屯地)の開設・開庁にあたり、
「破壊力のある砲弾が搬入されていたことで、地元住民が反発」
と一部の左派メディアが報じ、これを受けて岩屋防衛相が陳謝の上で、中距離多目的誘導弾と81ミリ迫撃砲弾を駐屯地から撤去したことだ。
なんと言えば良いのだろうか。
報じる方の意図も理解しがたいが、防衛省の対応も正直こればかりは理解できない。
目先の批判ばかりを恐れて筋を通さないから、このような左派メディアが自らのプロパガンダに影響力があると勘違いし、メディアの暴走、ひいては国益を損なう事態を招いてきたのではないか。
これら最低限の兵装を置く理由があるのであれば置く。
その上で、説明手順に不備があったのであれば陳謝して改めて説明する、で事足りるはずだ。
にも関わらず、ノイジーマイノリティの批判を敏感に恐れ、そのしわ寄せやリスクを自衛隊・自衛官に負わせる政治の対応は、もういい加減にするべきだ。
なおこのような「武装解除」をされた宮古島駐屯地は、有事の際には緊急に必要物資を運び込む方策を別途協議するそうだ。
そしてそのような無意味なリスクを背負い、ただでさえ1秒を争う国境の最前線において任務の手間を一つ増やされたのが、この武石率いる後方支援隊になるであろう。
武力衝突の最中に慌てて武器を運び込むところから実施します、など、「泥棒を見て縄を綯う」のことわざそのままではないか。
なお、この記事を報じた新聞社は「国際常識」をものさしに用いて、日本の諸政策を「欧米に大きく遅れている」と好んで報じることで知られる。
であれば、自社が報じた内容が問題になるような欧米の国家がどれほど存在するのか。
比較してみればよいのではないだろうか。
当サイトでは繰り返し報じてきたが、石垣島と宮古島に配備される自衛隊の部隊は、極めて平和的で専守防衛の思想に叶う、理想的とも言える部隊である。
なぜなら、そこに配備される予定の地対艦ミサイル部隊は、近隣諸国のどこにも届く能力を持ち合わせていないからだ。
ただただ、日本の領土に侵攻する意志を持ち、近接してきた敵を撃つ能力を持つばかりである。
このような兵装を配備したら戦争になる、というのであれば、それは戦争を望む相手が我が国の領土に侵攻してきた時だけだ。
詳細はこちら
防衛省・自衛隊の沖縄新ミサイル基地建設 本当の目的はどこにあるのか
で詳述しているのでここでは避けるが、それではこのような兵装を配備することをなぜ嫌がり、執拗に報じるのか。
もはやそれは利敵目的であり、敵性勢力の影響を受けているメディアであると非難されても仕方ないであろう。
違うというのであれば、筋の通る反対運動をするべきだ。
なぜ、侵攻目的で近づいてくる敵以外を攻撃する能力がなく、中国、台湾、朝鮮半島まで全く届かない射程距離しか持たないミサイルを宮古島に配備したら戦争になるのか。
地域の緊張が高まるのか。
社会の木鐸を自称し、自らを知識人であると自認しているのであれば、ロジカルに説明しそれこそ大好きな、「国民の理解」を得るよう努力すれば良いのではないだろうか。
話がそれてしまったが、このような国防の最前線における「嫌がらせ」の影響をまともに受け、その任務を難しくされるのがこの第15後方支援隊であり、その隊長である武石だ。
このニュースを聞いた時に真っ先に、第15旅団隷下にある兵站部隊の幹部曹士の皆様の無念を思ったが、ぜひ国民の一人ひとりにも、真剣に考えて欲しいと思う。
一部メディアは、このような「放火」と「記事化」のマッチポンプが仕事なので、もはや聞く耳を持たないだろう。
であれば、筋を通さない政府や防衛相にこそ、私達国民は、直接非難をぶつけるべきだ。
繰り返し書いていることだが、自衛隊・自衛官は頼りになる存在ではあるが、なんでもできるスーパーマンでは決してない。
理不尽な命令を受ければ腹も立つし、士気に関わることもあるだろう。
手足を縛られた上で、それでも敵と戦えと言うような状況を、私達国民はメディアの横暴を許すことで、間接的に支援している。
このような筋の通らない批判、筋の通らない政府の対応には、もっと大きな声を上げていかなければならない。
やや話がそれてしまったが、このような状況でも、国防の最前線で兵站の要を支える武石である。
そんな要衝を守る武石とはこれまで、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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