武石政之(第15後方支援隊長・1等陸佐)|第35期・陸上自衛隊

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その武石が陸上自衛隊に入隊したのは平成3年3月。

部隊長として表に出てくる事がほとんどない後方支援系、武器科出身の幹部だ。

1等陸佐に昇ったのが30年7月であったので、1佐に昇任後最初の補職として、この国防の最前線で兵站を預かる部隊のトップを任されたことになる。

(画像提供:陸上自衛隊第15後方支援隊公式Webサイト

原隊(初任地)は、福岡県の福岡駐屯地に所在する第4後方支援連隊武器隊。

同地で初級幹部として厳しい自衛官生活のスタートを切ると、以降職種部隊では、武器教導隊第1中隊、第2後方支援連隊の武器大隊本部などで若手時代を過ごし、大隊長ポストには富士教育直接支援大隊で上番した。

またその間、幕僚やスタッフのポジションでは、武器学校教育部運用科、統合幕僚会議事務局第4幕僚室、中部方面後方支援隊本部、陸上幕僚監部装備部武器・化学課など、各地で幅広く後方支援の任務を経験。

班長以上の役職では、補給統制本部火器車両部第1課の調達計画班長、北部方面総監部装備部装備課の装備班長、西部方面総監部装備部の装備課長など、要職を歴任した。

そして平成30年12月、1等陸佐に昇任後の最初のポストとして第15後方支援隊長の要職を任され、活躍を続けている。

陸自大改革の中にあって、その戦略を支える要となる兵站を担う、極めて重要な幹部の一人であると言って良いだろう。

 

では最後に、その武石と同期である35期組の人事の状況について見てみたい。

35期組は、2016年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜された年次にあたる。

そして2019年4月現在、その任に在る最高幹部たちは以下の通りだ。

 

井土川一友(第35期)・北部方面総監部幕僚副長(2016年7月)

上田和幹(第35期)・需品学校長兼ねて松戸駐屯地司令(2016年7月)

遠藤充(第35期)・第3施設団長(2016年7月)

戒田重雄(第35期)・第1空挺団長兼ねて習志野駐屯地司令(2016年7月)

坂本雄一(第35期)・中部方面総監部幕僚副長(2017年3月)

武田敏裕(第35期)・富士学校機甲科部長(2017年8月)

青木誠(第35期)・陸上幕僚監部監察官(2017年8月)

※肩書は全て2019年4月現在。( )は陸将補昇任時期。

※2018年夏以降の将官人事で昇任した将補について、年次未確認のために追記する可能性あり。

 

以上のようになっており、まずは井土川、上田、遠藤、戒田の4名が、35期組の陸上幕僚長候補として1歩抜け出した状態にあると言って良さそうだ。

 

武石については、国防の最前線である西部方面隊隷下での現場経験が豊富な上に、我が国最大の規模を誇る北部方面隊での後方支援実務にも通じている幹部だ。

今後も恐らく、兵站の現場で頼りになる指揮官としてあるいは幕僚として、活躍を続けていくことになるのではないだろうか。

 

いずれにせよ、武器科を始めとした兵站部隊は陸自大改革の戦略を支える根幹であり、我が国の安全保障そのものである。

その幹部である武石の活躍には今後とも注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第15後方支援隊公式Webサイト

◆武石政之(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
3年3月 陸上自衛隊入隊(第35期)
3年9月 第4後方支援連隊武器隊
6年3月 防衛大学校付理工学研科学生航空飛翔
8年3月 武器教導隊第1中隊
10年8月 第2後方支援連隊武器大隊本部
12年8月 武器学校教育部運用科
14年3月 武器学校付
15年3月 統合幕僚会議事務局第4幕僚室
17年8月 中部方面後方支援隊本部
20年3月 陸上幕僚監部装備部武器・化学課
22年3月 富士教育直接支援大隊長
24年8月 補給統制本部火器車両部第1課調達計画班長
27年3月 北部方面総監部装備部装備課装備班長
29年3月 西部方面総監部装備部装備課長
30年7月 1等陸佐
30年12月 第15後方支援隊長

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