岡﨑光博(岡崎光博)は昭和37年12月埼玉県生まれ、東京都出身の海上自衛官。
昭和60年3月に東京水産大学を卒業し海上自衛隊に入隊しているので、幹候は36期、防衛大学校第29期相当の幹部ということになる。
平成30年3月(2018年3月) 海上自衛隊補給本部副本部長・海将補
前職は第4術科学校長であった。
なお出身地について、第4術科学校の公式Webサイトには「埼玉県生まれ」とあるものの、防衛年鑑には東京都出身とあるため、その両方を併記している。
2018年4月現在、海上自衛隊第4術科学校長を務める岡﨑だ。
後方支援のエキスパートであり、その後方支援のスペシャリストを育成するための第4術科学校の校長に着任し、後進の育成にあたる。
後方支援職種は、言うまでもなく海上自衛隊のみならず全自衛隊の生命線であり、彼ら・彼女らなくして任務の遂行は絶対にできない。
しかし残念ながら、海上自衛隊において後方支援職種はどうしても注目度が低く、その活躍が脚光を浴びることは少ない。
第4術科学校の公式Webサイトにも、ぜひこのような後方支援職種の存在を知って欲しい切なる願いが記されているが、その意味において村川豊(第25期)・第33代海上幕僚長が史上初の後方支援職種(経理)からの海幕長着任となったことは、この職種にある隊員の士気を大いに上げることになったのではないだろうか。
さて、その第4術科学校だが、具体的には「経理」、「補給」、「給養」、「監理」(業務管理)などの術科を教育している。
これらのうち、経理、補給、管理については比較的知られている職種かも知れないが、ある意味においてもっとも地味で、なおかつ重要なものは給養であろうか。
給養職の隊員は全国の基地や艦艇に配置されている、一般には調理師や調理要員といった方がわかりやすいかも知れない。
早い話がメシの世話をしてくれる専門職だ。
もちろん、先の大戦を引き合いに出すまでもなく、自衛隊にとってメシは戦闘と同義とも言えるほどに重要な仕事だが、なかなか注目されることはない。
しかし一方で、任務遂行の現場でも外交の場でも、レセプションの会場でも、これほど広く活躍している職種は他に無いのではないだろうか。
横須賀には、貴賓や要人を迎えてレセプションを行う任務に特化した「特務艦はしだて」も配備されており、人がもっとも幸せになれる食事の現場から、我が国の安全保障を完全バックアップする重要な任務を帯びている。
ぜひ自衛隊を愛するファンには、一人でも多く、この第4術科学校とそこで学ぶ諸職種の隊員たちにも注目し、そして応援して欲しい。
なお「特務艦はしだて」だが、お迎えするお客さんが並大抵の貴賓ではないために、そこに配属される給養員は皆、調理の腕前はもちろん任務に対する責任感も選りすぐりのエリート揃いだ。
そのため給養職にある者にとって、はしだてへの配属は憧れの配置であるという。
どんな職種にも花形と憧れのポストがあり、そして尊敬を集める隊員たちがいて、互いに切磋琢磨し任務に励んでいる。
さて次に、その岡﨑と同期である29期組の動向についてだ。
岡﨑が海上自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。
出身は東京水産大学であり、海上自衛隊史上唯一の、旧軍もしくは防衛大学校以外の出身で第17代海上幕僚長に着任した、東山収一郎の後輩ということになる(初代の山崎小五郎を除く)。
旧軍から防大卒業生へのちょうど端境期であったとはいえ、やはりその存在感と、東京水産大学卒業生というインパクトは大きい。
その29期組だが、最初の海将は2016年夏の将官人事で選抜されており、すでに同期の海上幕僚長候補は出揃っていると言ってよいだろう。
そして2018年4月現在、29期組で海将にあるものは以下の幹部たちだ。
渡邊剛次郎(第29期)・横須賀地方総監(2016年7月)
糟井裕之(第29期)・護衛艦隊司令官(2016年12月)
杉本孝幸(第29期)・航空集団司令官(2017年8月)
大島孝二(第29期)・海上自衛隊補給本部長(2017年12月)
中尾剛久(第29期)・舞鶴地方総監(2017年12月)
※肩書はいずれも2018年4月現在。( )は海将昇任時期。
ご承知のように、原則として2年前後が任期となる海上幕僚長のポストなので、各期から必ず選抜されるというわけではなく、何もなければ2期に1人というのが良くある流れだ。
そのため29期組の海将から海上幕僚長が選抜されるのかは、2018年12月にも予想される第34代海上幕僚長人事の結果にも依るだろう。
今のところ、山下万喜(第27期)・自衛艦隊司令官が選ばれると見てまず間違いないが、いつもいつも下馬評を覆してサプライズ人事をだしてくるのが海上自衛隊だ。
その事も含めて、29期組の人事はまだまだどうなるか、予断を許さないだろう。
岡﨑については、経理職種としてそのもっとも上位ポストと言ってもよい職種学校長まで昇り詰めた。
あとは補給本部長に昇ることがあるかどうか、というところだが、第4術科学校長に着任したのが2018年3月であり、通常2年程度の補職期間になることと考え併せると、その任期はおそらく2019年冬か2020年春まで。
その頃には既に海上幕僚長は第34代に代替わりしていることが確実であり、第35代の候補者もほぼ、固まっているだろう。
そのようなことを考えると岡﨑は、29期組という年次もあり、おそらく第4術科学校長のポストを最後に退役となる可能性が高いのではないだろうか。
いずれにせよ、海上自衛隊を縁の下から支える要員を育て、未来の我が国の安全保障を担う幹部曹士を預かる極めて重要なポストである。
その責任は極めて重く、岡﨑にかかる自衛隊内外の期待は非常に大きい。
今後とも、その活躍には注目し、そして応援していきたい。
◆岡﨑光博(海上自衛隊) 主要経歴
昭和
60年3月 海上自衛隊入隊(第29期相当)
平成
8年1月 3等海佐
11年7月 2等海佐
12年3月 海上幕僚監部経理課
14年9月 練習艦隊司令官幕僚
15年9月 第21整備補給隊長
16年7月 1等海佐
17年9月 海上幕僚監部装備課調達管理班長
18年3月 海上幕僚監部装備需品課調達管理班長
20年12月 航空補給処計画部長
23年4月 呉地方総監部経理部長
25年3月 海上幕僚監部装備需品課長
26年3月 海上幕僚監部経理課長
28年3月 海上自衛隊補給本部副本部長 海将補
30年3月 海上自衛隊第4術科学校長
【注記】
このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。
主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。
自衛官各位の敬称略。
※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。
【引用元】
防衛省海上自衛隊 第4術科学校公式Webサイト(プロフィール画像)
http://www.mod.go.jp/msdf/fourmss/4shikikan/4shikikan.html
防衛省海上自衛隊 広報公式Webサイト(第4術科学校紹介特集)
http://www.mod.go.jp/j/publication/book/mamor/2016/07/index.html
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