檀上正樹(だんじょう・まさき)は昭和40年9月生まれ、広島県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第32期の卒業で幹候69期、出身職種は警務科だ。
平成31年3月(2019年3月) 陸上自衛隊小平学校長兼ねて小平駐屯地司令・陸将補
前職は警務隊長であった。
(画像提供:陸上自衛隊小平駐屯地公式Webサイト)
(画像提供:陸上自衛隊第6師団公式Webサイト)
2019年6月現在、陸上自衛隊小平学校長兼ねて小平駐屯地司令を務める檀上だ。
なお壇上については、32期組の将官最後のご紹介であることはもちろん、陸自の現役将官の中でもラストから数人というご紹介の遅さになった。
その理由は、言うまでもなく壇上が警務科出身であり、また事実上、情報科の幹部も兼務していたことによる。
これらの科の自衛官は、例え指揮官クラスの幹部であってもめったに表に出てくることもなければ、公式サイト上にプロフィール画像を掲載することも無いからだ。
その理由については、多くのご説明は要らないだろう。
元々、国民との接点が少ない職種であるということに加え、やはり秘匿性の高い任務を遂行することが、そのもっとも大きな理由である。
そして何よりも、「軍事組織」である以上、情報の保全と組織内部からの不穏な動きに対しても、厳しく対応しなければならない。
残念ながら、企業であれば産業スパイというものが存在するように。
自衛隊にも、反自衛隊思想の組織から影響を受けたと思われる隊員の存在が否定できない事例が、過去多く存在する。
古くは、2007年10月に小牧基地で発生したF-2戦闘機墜落事故(事件)。
この事故では、F-2戦闘機の配線が通常ではありえない形に繋がれ、正常な操縦ができないように細工が為されていた。
また最近の事例では、航空自衛隊小松基地で2016年12月に発生した事案も、記憶に新しい。
第6航空団が訓練の際に使用した小銃の部品が12月7日に失われ、なおかつその事件を、外部の報道機関が基地発表前である12月9日に報じたというものだ。
しかも報道の中には、部内の者でしか知り得ない情報が含まれていた。
緊急性が低く、原因調査すら定まる前に外部の、なおかつ報道機関に情報提供するという手法は、明らかに公益通報とは言えない。
隠蔽の意図もなければ、隠蔽をする理由もないからだ。
この件では、当時基地司令であったF-15戦闘機パイロットの やんちゃ坊主 エリートパイロット、亀岡弘(第35期)が非常な危機感の下、隊員たちから任意で携帯電話の拠出を求めるという非常手段に出た。
するとすかさず、左派系のメディアがその行為を徹底的に叩くというマッチポンプが展開され、当時の航空幕僚長であった杉山良行(第24期)がコメントを出さざるを得なくなるという事態に発展した。
もはやこうなると、小銃の部品が失われた経緯にも、外部に情報を漏らした隊員の関与があったと考えるのが自然だろう。
明らかなマッチポンプであり、自衛隊が批判され、国民からの信頼を失うことに利益があるものが、自衛隊の隊員として活動しているということだ。
そのような者は、もちろん極めて少数であることは間違いない。
しかしながら、有事の際にはそのような内部からの攻撃がもっとも、組織を危うくする。
正面の敵には警戒できても、背中を預けている仲間を疑っていては戦うことなどできないからだ。
そしてそのような行為を調査し、また捜査することも、情報科や警務科の任務である。
国家を守り、組織を維持するために極めて重要な仕事ではあるが、しかしそのような役回りは、1000人の組織に紛れ込んだ1人を特定するために、誠実に任務に励む999人を不快にしかねない仕事でもある。
そういった意味では、きっとストレスが溜まる仕事であることは、想像に難くない。
調査をする側もされる側も、本当にギリギリの仕事と言って良いのではないだろうか。
檀上は、そんな現場で我が国の平和と安全のために尽力をし続け、そして今、将官としてさらに重い責任を担い、活躍を続けている。
決して目立つこともなく、時には身内である隊員からも喜ばれない仕事をすることもある、それでいて我が国の平和と安全のために不可欠な仕事をこなしてきた。
自衛隊には、こんな「縁の下の力持ち」が存在することも、ぜひ知って欲しいと願っている。
では、そんな壇上とはこれまで、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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