檀上正樹(だんじょう・まさき)|第32期・小平学校長

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その檀上が陸上自衛隊に入隊したのは昭和63年3月。

1等陸佐に昇ったのが19年1月であったので、32期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。

陸将補に昇ったのは29年3月であったので、10年近くに渡り1佐として現場指揮を執った上での、堂々の将官昇任であった。

(画像提供:自衛隊東京地方協力本部公式Webサイト

(画像提供:自衛隊防衛白書2010公式Webサイト

佐官(3佐)以降のキャリアで見ると、職種部隊では警務隊本部の企画訓練科企画班長、情報本部情報調整官、北部方面警務隊長、北部方面総監部情報部長などの要職を歴任。

また中央(陸上幕僚監部)では、防衛部、調査部などでスタッフを経験し、また副警務管理官としてもキャリアを積んだ。

その間、平成15年6月からはエリート中のエリートのポストと言っても良いだろう、米国防衛駐在官として現地に渡るなど、特筆するべき多くのキャリアを積み、そしてその全てで結果を残している。

そして平成29年3月、陸将補に昇任すると警務隊長に着任し職種部隊のポストを極め、その後職として31年3月、陸上自衛隊小平学校長兼ねて小平駐屯地司令に上番して更新の指導育成にあたっている。

決して目立つことはないが、しかし我が国と世界の平和を護る上で非常な重責を担っている最高幹部の一人と言ってよいだろう。

 

ちなみに上記写真1枚め。

その辺から拾ってきたかわいい女性の画像ではなく、ちゃんと防衛省の公式サイト(東京地本)から拾ってきたものである。

元自衛官で、今はアイドルとして活躍する「かざり」さんだ。

東京地本国分寺募集案内所の初代応援大使として、多くの若者を自衛隊に  拉致  勧誘する女神である。

ぜひ、彼女の応援活動にも注目して欲しい。

 

では最後に、その檀上と同期である32期組の人事の状況について見てみたい。

32期組は、2019年夏の将官人事、すなわち間もなく、最初の陸将が選抜される予定の年次だ。

そのため2019年6月現在では、1選抜の幹部でも陸将補ということになる。

そしてその陸将補にある幹部たちは、以下の通りだ。

 

梶原直樹(第32期)・統合幕僚監部防衛計画部長(2013年8月)

大塚裕治(第32期)・陸上幕僚監部装備計画部長(2013年8月)

森下泰臣(第32期)・陸上幕僚監部防衛部長(2013年8月)

堀井泰蔵(第32期相当)・第5旅団長(2013年8月)

中村裕亮(第32期)・第15旅団長(2014年3月)

田尻祐介(第32期)・第12旅団長(2014年8月)

鬼頭健司(第32期相当)・東部方面総監部幕僚長兼ねて朝霞駐屯地司令(2014年12月)

木口雄司(第32期)・中部方面総監部幕僚長兼ねて伊丹駐屯地司令(2015年8月)

腰塚浩貴(第32期)・施設学校長(2015年8月)

青木伸一(第32期)・水陸機動団長兼ねて相浦駐屯地司令(2015年12月)

池田頼昭(第32期)・第10師団副師団長兼守山駐屯地司令(2016年3月)

檀上正樹(第32期)・陸上自衛隊小平学校長兼ねて小平駐屯地司令(2017年3月)

小谷琢磨(第32期)・第4施設団長(2017年8月)

斎藤兼一(第32期相当)・第7師団副師団長兼ねて東千歳駐屯地司令(2017年12月)

叶謙二(第32期)・開発実験団長(2018年3月)

佐々木俊哉(第32期)・自衛隊情報保全隊司令(2018年3月)

岩名誠一(第32期)・東北方面総監部幕僚副長(2018年8月)

※肩書はいずれも2019年6月現在。( )内は陸将補昇任時期。

 

以上のようになっており、まずは梶原、大塚、森下、堀井の4名が1選抜で陸将補に昇任し、同期の最高幹部人事の中心になっている状況だ。

2019年夏の陸将人事も、おそらくこの4名を中心に選抜が進められるのではないだろうか。

 

檀上については、警務科出身の数少ない将官であり、なおかつ米国防衛駐在官までこなしたエリートである。

しかしながら、近年小平学校長のポストは、いわゆる「退役ポスト」であることが続いているため、あるいは檀上も、このポストを最後に長かった自衛官生活を終えることになるかも知れない。

とはいえ現に、檀上はこの重い責任が伴うポストに着任したばかりであり、その活躍は今まさに始まったばかりだ。

その動向にはこれからも注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊公式Webサイト

◆檀上正樹(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
63年3月 陸上自衛隊入隊(第32期)

平成
10年8月 警務隊本部企画訓練科企画班長(芝浦)
11年8月 外務省(中東1課)
13年8月 陸上幕僚監部防衛部(市ヶ谷)
14年8月 陸上幕僚監部調査部(市ヶ谷)
15年6月 防衛駐在官(アメリカ合衆国)
18年8月 幹部学校(目黒)
19年1月 1等陸佐
19年8月 情報本部情報調整官(市ヶ谷)
21年8月 陸上幕僚監部副警務管理官(市ヶ谷)
23年8月 北部方面警務隊長(札幌)
26年8月 北部方面総監部情報部長(札幌)
29年3月 警務隊長(市ヶ谷) 陸将補
31年3月 陸上自衛隊小平学校長兼ねて小平駐屯地司令

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