山村浩(やまむら・ひろし)は昭和37年1月生まれ、神奈川県出身の海上自衛官。
防衛大学校は第28期、幹候は35期の卒業だ。
平成28年12月(2016年12月) 海上幕僚副長・海将
前職は護衛艦隊司令官であった。
(画像提供:海上自衛隊公式ツイッター)
2018年12月現在、海上幕僚副長の要職にある山村だ。
とはいえ率直に言って・・・この記事を更新しているのが12月2日。
2018年12月には、海上幕僚長の交代人事があることは確実な情勢であり、山村も海上幕僚副長のポストに在職2年なので、この冬の人事で交代することはほぼ確実である。
そして28期といえば、すでに多くの将官の勇退が始まっている年次だ。
人事異動のたびに少しづつ、同期が退役している状態だが、山村についてはもちろん、まだ勇退を迎える可能性は極めて低い。
それどころか、可能性が高いとは言えないものの、この2018年12月で海上幕僚長に昇任するという予想も、散見されてきたほどだ。
それほどまでに今、海上自衛隊と我が国の平和と安全に、最も重い責任を担っている最高幹部の一人である。
そんなわけで、山村についてのご紹介となればイコール海上幕僚長人事への言及は避けられないために、この記事では山村の人事予想と併せ、海幕長の人事予想も一緒に記していきたい。
まずは、直前に迫っていると思われる海幕長人事の整理からだ。
2018年12月の段階で、誰が海上幕僚長に着任することがあり得るポジションにあるのか。
海上自衛隊に限らず、陸海空各自衛隊では、「幕僚長直前ポスト」ともいうべき、いくつかのポストがある。
それは概ね、「指定職」の号数が参考にはなるが、言い換えれば参考にしかならず必ずしもあてになるものではない。
例えば指定職3号の陸海空の幕僚副長職は、海空自衛隊では「幕僚長直前ポスト」の一つにあたるが、陸自では陸上幕僚副長から陸上幕僚長に直接ジャンプアップする人事は、まずありえない運用だ。
また海自では、3号より格上の4号指定職である呉地方総監が「幕僚長直前ポスト」の扱いになっていないにも関わらず、3号職である幕僚副長がその扱いになっているなど、やはり指定職の格よりも過去の人事の実際を見てみないとわからない事が多い。
その上で、2018年12月の段階で、「海上幕僚長直前ポスト」の扱いになっているポストをざっと箇条書きにすると、以下のようになる。
・自衛艦隊司令官(5号・9回)
・海上幕僚副長(3号・7回)
・横須賀地方総監(5号・7回)
・佐世保地方総監(5号・6回)
※号数は2018年12月現在での指定職号数。回は後職で海幕長に着任した回数。
なおこれ以外にも、以下の補職から海上幕僚長に直接ジャンプアップした人事も、過去に1回づつ見られた。
・大湊地方総監(3号・1回)・・・1977年9月
・護衛艦隊司令官(2号・1回)・・・1969年7月
・航空集団司令官(2号・1回)・・・1973年12月
まずはこれが、これまでの「海上幕僚長直前ポスト」32人の分布だ。
なお、海上幕僚長は現職の村川豊(第25期)で33代なので33人がその職を務めたが、初代の山崎小五郎については様々な組織改編期でもあり、また第二幕僚長というポストからの着任なので参考にならず、この数字にカウントしていない。
またこれらのうち、海幕長に1度だけジャンプアップしたポストについては、当時の組織編成も役割も今とは大きく異なっているために、あてにならないだろう。
あるいは、当時の指定職号数も今と違ったのかも知れないが、そこまでは追いきれていない。
いずれにせよ、自衛艦隊司令官、横須賀・佐世保の各地方総監、それに海幕副長の4名から次の海上幕僚長が選抜されると考えて間違いないだろう、というのが、まずは常識的な推測ということになる。
そして、山村はその一角である海上幕僚副長にある、28期のエースというのが客観的な情勢だ。
では具体的に、これらポストにある現職は誰なのか。
海上幕僚長人事の行方はどうなるのだろうか。
山村のキャリアと合わせ、少し詳細に見ていきたい。
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