真殿知彦(まどの・ともひこ)|第33期・海上自衛隊

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真殿知彦は昭和41年4月生まれ、千葉県出身の海上自衛官。

防衛大学校第33期の卒業で幹候40期、出身職種はP-3Cなど固定翼哨戒機の戦術航空士だ。

 

平成29年8月(2017年8月) 統合幕僚監部防衛計画部副部長・海将補

前職は海上自衛隊幹部候補生学校長であった。

なお出身地について、防衛年鑑では岡山となっているが、防衛省の公式プロフィールで千葉とあったために、公式プロフィールを優先して記している。

 

2018年4月現在、統合幕僚監部防衛計画部副部長を務める真殿だ。

固定翼哨戒機のTACCO(タコー:戦術航空士)出身であり、我が国周辺の安全保障だけでなく、近年ではPKO活動などで、広く世界の海の安全にも貢献し続ける職種のエキスパートである。

 

その真殿の前職は、幹部候補生学校長。

海自の幹部候補生学校は戦前から常軌を逸した厳しさで知られており、その教育課程の過酷さは海自内外にも知られているところだが、真殿もまた学校長時代には、容赦のない「愛情」を持って若者に接していたようだ。

 

ちなみに元海上自衛隊の2佐で、特別警備隊初代先任小隊長にして実質的な創始者とされる伊藤祐靖氏によると、幹部候補生学校はかつて「気違い部落」と呼ばれていたそうだ(※キチガイという言葉は、今では放送禁止用語ですが著者の表現を踏襲し、原文のまま引用しています)。

それほどまでに過酷な訓練で知られている伝統は今も十分に息づいており、例えば「総員起きし」から着替えと身支度を済ませ1分30秒で校庭に整列せよ、などという日課も、十分キ(略

 

真殿はこの幹候校長在任中、広報のインタビューに「汗と涙は流してもらう」と、ただでさえ怖い顔をさらに怖くして答えていたが、おそらく例年以上に厳しい教育過程だったのではないだろうか。

 

そもそも、真殿自身がかなりまともではない精神力の持ち主である。

一般に海自の初任幹部はこの期間中、カッター(短艇)訓練や水泳など徹底的な幹部教育の初歩を叩き込まれ、特にその過酷さから、これらの訓練がトラウマになるそうだ。

にも関わらず、真殿は今も自身の趣味を公式プロフィールで「水泳、ゴルフ、史跡巡り」と記している。

精神的なタフさ、いい意味での鈍さこそ司令官の器、ということなのだろうか。

 

 

次に、その真殿を含む33期組の人事の状況についてだ。

真殿が海上自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

1等海佐に昇ったのが平成20年1月、海将補に昇ったのが26年8月なので、共に33期組の1選抜(1番乗り)だ。

海空の自衛隊に於いては、そもそも将官に昇る者の数が少ないので、1選抜で将官になるのは毎年、せいぜい1名か2名である。

そして33期も1選抜海将補は2名であり、文字通り真殿は、同期で1~2を争う極めて優秀な切れ者ということになるわけだが、33期組から最初の海将が選抜されるのは2020年。

その際に、最初に海将に昇る有力な候補者と言ってよいだろう。

 

なお、2018年4月現在では、その33期組の海将補は以下のようになっている。

 

関口雄輝(第33期)・統合幕僚監部指揮通信システム部長(2014年6月?)

齋藤聡(第33期)・海上自衛隊幹部候補生学校長(2014年8月)

真殿知彦(第33期)・統合幕僚監部防衛計画部副部長(2014年8月)

俵干城(第33期)・海洋業務・対潜支援群司令(2015年3月)

市田章(第33期)・第5航空群司令(2015年8月)

小峯雅登(第33期相当)・呉地方総監部幕僚長(2016年3月)

近藤奈津枝(第33期相当)・統合幕僚監部首席後方補給官(2016年12月)

今吉真一(第33期)・防衛装備庁長官官房艦船設計官(2017年3月)

※肩書は全て2018年4月現在。( )は海将補昇任時期。

※2018年3月の昇任海将補については、期別の確認ができていないために追記する可能性あり。

※関口については、2014年6月から米国防衛駐在官に着任しており、この際に海将補に昇任していると思われるものの、防衛省定員外であるため防衛省の人事記録で確認ができない。

 

以上のような状況になっており、まずは1選抜で齋藤と真殿が33期の出世頭で、関口がこれに準じ、俵と市田が続くという状況になっている。

2020年の海将人事では、おそらくこの5名の中から最初の海将が選抜されることになるだろう。

そして真殿は、その有力候補と言うことになりそうだ。

 

33期組は、2018年度では52歳(以上)になる年次だ。

この先、5年ほどに渡り、我が国の安全保障体制の中枢にあり、その重い責任を背負っていく年次にあたる。

その中でも、一際抜け出した存在感を見せる真殿の活躍は、やはり要注目だ。

今後とも目を離さずに、応援していきたい。

 

本記事は当初2017年7月31日に公開していたが、加筆修正が重なったので2018年4月8日に整理し、改めて公開した。

 

◆真殿知彦(海上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 海上自衛隊入隊(第33期)
12年1月 3等海佐
15年7月 2等海佐
16年3月 海上幕僚監部防衛課兼防衛局防衛政策課
18年5月 第2航空隊
18年12月 第2航空隊飛行隊長
19年12月 海上幕僚監部防衛課
20年1月 1等海佐
21年7月 海幕装備体系課航空機体系班長(市ヶ谷)
23年8月 第1航空隊司令(鹿屋)
24年7月 海上幕僚監部防衛課長(市ヶ谷)
26年8月 第2航空群司令 海将補
28年3月 幹部候補生学校長
29年8月 統合幕僚監部防衛計画部副部長

 

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 幹部候補生学校公式Webサイト(式典写真及び顔写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/mocs/mocs/news/event/sub36/index.html

http://www.mod.go.jp/msdf/mocs/mocs/about/sub01/index.html

防衛省統合幕僚監部 公式ツイッター(式典画像)

https://twitter.com/jointstaffpa/status/907832556623683585

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