市田章(いちだ・あきら)|第33期・海上自衛隊

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市田章は昭和40年10月生まれ、東京都出身の海上自衛官。

防衛大学校第33期の卒業で40幹候、出身職種は飛行だ。

 

平成29年3月(2017年3月) 第27代第5航空群司令・海将補

前職は第1航空群司令であった。

なお、第5航空群司令としての指導方針は以下の通り。

 

【統率方針】

「精強・即応」

 

2018年4月現在、第5航空群司令を務める市田だ。

我が国が世界に誇る固定翼哨戒機およびその部隊を指揮する幹部であり、海上自衛隊入隊以来、第1、第4、第5航空群など、各地の固定翼哨戒機部隊の要職を歴任した。

 

なお第5航空群は、海上自衛隊の航空集団隷下にある部隊で、沖縄の那覇航空基地に所在。

P-3C哨戒機を用いて対潜・対艦の哨戒任務を担うが、必要に応じて攻撃を行う能力も有する。

言うまでもなく、我が国の南西方面は2010年代以降国防の最前線であり、陸自・空自においては戦力の南西シフトが顕著になりつつある。

同様に海自の負担も増すばかりだが、中でも航空部隊は、国際貢献活動にも大きくその戦力を提供していることから、隊員たちの負担も限界まで高まっているのが実情だ。

しかしその中でも、「P-3C哨戒機1機で四国と同等のエリアをカバーできる」と言われるように、海自哨戒機はますますその能力と練度に磨きをかけて、抜かり無く 中国人民解放軍 我が国の国境を脅かすものに対し睨みを利かせる。

我が国の国防は、その対潜・対艦対処能力に依る所が大きく、市田以下、第5航空群の幹部曹士の活躍無しには、平和を享受することはとても叶わない。

 

さて次に、その市田と、市田を含む第33期組の人事の動向について見てみたい。

市田が海上自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

1等海佐に昇ったのが平成20年7月なので、以外なようだが1選抜(1番乗り)から半年遅れの1選抜後期と言うことになる。

さらに海将補に昇ったのが平成27年8月。

こちらは同期1選抜から1年遅れ、2選抜前期での昇任となる。

とはいえ海空自衛隊では、そもそも将官に昇る幹部の数がとても少ない。

そのため、海将補への昇任が1選抜の1年遅れであれば十分にトップグループであり、超がつくスーパーエリートと言ってよいだろう。

第5航空群司令(沖縄)の前職は第1航空群司令(鹿児島・鹿屋)。

これほどの最前線を任され続けている男が、並大抵の幹部であるはずがない。

 

なお、第33期といえば2020年に最初の海将が選抜される年次にあたる。

そのため2018年4月現在では、海将補が同期の出世頭ということになるが、その33期で海将補にある幹部は以下の通りだ。

 

関口雄輝(第33期)・統合幕僚監部指揮通信システム部長(2014年6月?)

齋藤聡(第33期)・海上自衛隊幹部候補生学校長(2014年8月)

真殿知彦(第33期)・統合幕僚監部防衛計画部副部長(2014年8月)

俵干城(第33期)・海洋業務・対潜支援群司令(2015年3月)

市田章(第33期)・第5航空群司令(2015年8月)

小峯雅登(第33期相当)・呉地方総監部幕僚長(2016年3月)

近藤奈津枝(第33期相当)・統合幕僚監部首席後方補給官(2016年12月)

今吉真一(第33期)・防衛装備庁長官官房艦船設計官(2017年3月)

※肩書は全て2018年4月現在。( )は海将補昇任時期。

※2018年3月の昇任海将補については、期別の確認ができていないために追記する可能性あり。

※関口については、2014年6月から米国防衛駐在官に着任しており、この際に海将補に昇任していると思われるものの、防衛省定員外であるため防衛省の人事記録で確認ができない。

 

以上のような状況になっており、まずは関口から市田までが、単純に海将補昇任後の期間を考えると、1選抜海将の候補として絞られることになる。

いずれ劣らぬ幹部ばかりであり、誰が選ばれても決してサプライズではないだろう。

なお幹部学校同期には、ネット上でとてもファンが多い 女将 海将補の近藤奈津枝(第33期相当)・統合幕僚監部首席後方補給官がいる世代だ。

この年次は近藤の動向とも併せて、特に注目が集まる。

 

現場指揮官のキャリアが厚く、海自内外の期待がとても大きい市田である。

その活躍からは今後も目を離さず、そして応援していきたい。

 

本記事は当初2017年9月10日に公開していたが、加筆修正が重なったので2018年4月28日に整理し、改めて公開した。

◆市田章(海上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 防衛大学校卒業(第33期)
12年1月 3等海佐
15年7月 2等海佐
16年8月 第4航空群第6航空隊長
18年3月 海上幕僚監部補任課
20年7月 1等海佐
21年12月 監察本部第4監察班長
22年12月 海上幕僚監部補任課補任班長
23年12月 第5航空群第5航空隊司令
25年3月 統合幕僚監部指揮通信システム企画課サイバー企画調整官
25年5月 統合幕僚監部指揮通信システム企画課サイバー企画室長
27年2月 第5航空群主席幕僚
27年8月 第1航空群司令 海将補
29年3月 第5航空群司令

 

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的とし、軽量化処理やオリジナルからトリミングし切り取って用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 第1航空群公式Webサイト(離任行事写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/kanoya/toukatu/koutai6-.html

防衛省海上自衛隊 第5航空群公式Webサイト(慰霊式写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/naha/topics/topics.html

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