松永浩二(まつなが・こうじ)は昭和44年11月4日生まれ、福岡県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第36期(電気)の卒業で幹候73期、出身職種は普通科だ。
平成30年3月(2018年3月) 自衛隊沖縄地方協力本部長・陸将補
前職は中部方面総監部幕僚副長であった。
画像提供:防衛省公式Webサイト 輝き活躍する女性自衛官)
(画像提供:自衛隊沖縄地方協力本部公式Webサイト)
2019年2月現在、ある意味における国防の最前線・沖縄地方協力本部長を務める松永だ。
陸上自衛隊の中でも激務中の激務として知られ、またエリートの指定席でもある陸上幕僚監部の防衛課長を務めるなど、国防の中心となる要職を歴任してきた。
その中でも、現職の沖縄地方協力本部長のポストは今まさに、我が国の平和と安全を担保する上で欠かせない、大仕事をこなしている真っ最中であると言ってよいだろう。
ではなぜ、沖縄地方協力本部長のポストが今それほど重要なのか。
地方協力本部の仕事といえば、新たな隊員の採用や退職する隊員の第二の人生の斡旋というイメージが強い。
しかし同等に重要な仕事が、地元の企業や住民と自衛隊の架け橋となり、自衛隊に対する理解を深めてもらい、また自衛隊の持つ様々な知見を民間に提供し活かしてもらうことも重要な任務だ。
災害時には地元の地方自治体と自衛隊の連絡役を務めるなど、その役割は非常に多岐にわたる。
そして沖縄は今、我が国の国防にとって極めて大きな役割を果たす、陸上自衛隊の石垣島・宮古島の両駐屯地を建設中もしくは建設準備中であり、地元の理解と協力を欠かすことができない状況にある。
なぜ、これら駐屯地が日本のみならず、世界の平和にも非常に重要な役割を果たすのかについては再三触れており、また下記の記事
防衛省・自衛隊の沖縄新ミサイル基地建設 本当の目的はどこにあるのか
でも詳述しているのでここでは割愛するが、早い話が中国人民解放軍を第一列島線の内側に封じ込め、その自由度を大きく制限する事が可能になるからだ。
そのようなこともあり、沖縄には今、県外のみならず国外からも、日本の国益と相容れない立場の人たちが集まり様々な活動を行う。
その中でも衝撃であったのが、2018年12月に発生した、この沖縄地方協力本部への放火事件であった。
この事件に際しては、報道各社とも、
「窓ガラスが外側から割られ、周辺にあった折りたたみベッドなどが燃えた」:2018年12月22日付時事通信
という穏便な表現でしか報道していないが、広範囲に渡り延焼する物体を含んだものを建物の外から投げ込んだというのは、すなわち火炎瓶もしくは火炎瓶様のものを、現住建造物に投げ込んだということである。
国防を担う政府機関に火炎瓶様のものを投げ込むなど、もはや国家に対する凶悪なテロと言ってよいだろう。
そしてこの事件で逮捕されたのも、県外の活動家であった。
加えて、このような凶悪テロであるにもかかわらず、報道各社の扱いは極めて小さく、その報道は「窓が割られた」「ベッドが燃えた」という程度。
燃えたのではなく、燃やすために放火をしたという事実に加え、そこで働く自衛官・自衛隊員の安全を考えても卑劣で理不尽極まり犯罪である。
このような報道姿勢は、もはや報道機関も加害に加担する側という非難すら免れない。
せめて報道機関の社会的責任を最低限、果たす意志はないものか。
非常に残念に思う。
話がそれたが、そのように重要な沖縄地方協力本部であり、その本部長なので、このポストは全国で数少ない、陸将補が着任するポストとなっている。
さらにそれだけでなく、近年では同期1選抜の、近い将来の陸上幕僚長候補の指定席とも言える扱いになっているのが特徴的だ。
参考までに、直近でこのポストを務めた幹部自衛官は、現役だけで見ると以下のようになっている。
第21代 上尾秀樹(第29期)・東北方面総監 陸将
第22代 本松敬史(第29期)・統合幕僚副長 陸将
第23代 山根寿一(第33期)・第13旅団長 陸将補
第24代 井土川一友(第35期)・北部方面総監部幕僚副長 陸将補
第25代 松永浩二(第36期)・現職 陸将補
※肩書は全て2019年2月現在。
以上のようになっており、全員が同期1選抜で将官に昇ったエリートばかりだ。
逆に言うと、それ程の最高幹部を配置するほどに、沖縄を中心にした地域の平和と安全を、防衛省は重視しているということである。
松永は今まさに、その重い責任を担い、活躍している真っ最中だ。
では、そんな重責を任される松永とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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