上尾秀樹(あがりお・ひでき)|第29期・東北方面総監

上尾秀樹(あがりお・ひでき)は昭和38年2月28日生まれ、大分県大分市出身の陸上自衛官。

防衛大学校第29期の卒業(管理)で幹候66期、出身職種は普通科だ。

平成30年8月(2018年8月) 東北方面総監・陸将

前職は防衛大学校幹事であった。

なお、東北方面総監としての指導方針は以下の通り。

【統 率 方 針】所命必遂
【要 望 事 項】改善・向上せよ

(画像提供:陸上自衛隊東北方面隊公式フェイスブック


(画像提供:陸上自衛隊東北方面隊公式Webサイト

2019年9月現在、東北方面総監を務める上尾だ。

東北方面の防衛警備に責任を持つ最高幹部であることはもちろん、未だに震災の爪痕が大きく残る東北地方において、その防災と減災にも積極的に貢献し国民の生命と財産を守る。

そして何よりも、29期組を代表する、陸上幕僚長候補の一人でもある。

近年、陸上総隊の新設と自衛官の定年延長の影響で人事の流れが変わりつつあるが、一般に陸上幕僚長候補と言える最高幹部の陸将昇任後の補職は、

師団長

統合幕僚副長、陸上幕僚副長、防大幹事

方面総監

陸上幕僚長

という流れを歩むのが一般的であった。

そして現在、上尾は陸上幕僚長の一つ手前、東北方面総監に在る。

そしておそらく今後は、陸上総隊司令官ポストの新設と、陸上自衛隊における諸職種混合部隊の役割の高まりを受けて、以下のようになっていくのではないだろうか。

師団長

統合幕僚副長、陸上幕僚副長、防大幹事、富士学校長

方面総監

(陸上総隊司令官)

陸上幕僚長

なおこのうち、現陸上幕僚長の湯浅悟郎(第28期)がそうであるように、陸上総隊司令官は必ずしも通る道ではなく、方面総監から直接の陸幕長着任というルートも維持されるはずだ。

というより、陸上総隊司令官から陸上幕僚長に初めて着任するのはいつ、誰であるのか?

というのが、もっかの陸上自衛隊人事マニアの注目かもしれない。

あるいはその時には、

富士学校長

陸上総隊司令官

陸上幕僚長

というルートになる可能性もあるのではないだろうか。

当面のところ、我が国の防衛の大きな課題が

・西方防衛

・諸職種混合

であることを考えれば、ありえないルートというわけでもなさそうだ。

また同様に、やはり北部方面隊の圧倒的な火力と勢力、それら部隊を速やかに作戦地域に投入する機動戦闘も、今も変わらず我が国の中で重要なファクターだ。

もちろん、東北地方に在る戦闘部隊もこれに準じ、いかにしてこの日露戦争以来の誇りであり、我が国を代表する強兵を速やかに西方に展開させるのかも、陸自の大きな課題である。

そういった意味では、正直これまで、陸上幕僚長に昇ることはありえないとされていた東北方面総監の位置づけも、少し変わっていくかも知れない。

いずれにせよ、連隊長・師団長といった指揮官ポストで東北の要所を任され、なおかつ国防の最前線・沖縄の那覇で第15旅団長も務めたほどの上尾である。

あるいは現職が最後のポストになるかも知れないが、その知見は陸自のかけがえのない財産となり、後進に伝えられていくだろう。

東北の強兵をいかにして最前線に展開をするのか。そして戦うのか。

そういった過渡期を任された東北方面総監という意味でも、ぜひ今、注目して欲しい最高幹部の一人である。

では、そんな上尾とはこれまで、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

その上尾が陸上自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。

1等陸佐、陸将補、陸将への昇任がそれぞれ平成16年1月、22年7月、28年7月であり、その全てが1選抜(1番乗り)であった。

原隊(初任地)は山口県に所在する第17普通科連隊であり、同地で初級幹部として厳しく鍛えられ、自衛官生活のスタートを切った。

(画像提供:陸上自衛隊東北方面隊公式Webサイト

その後職種部隊では、中隊長ポストを真駒内に所在する第18普通科連隊で、連隊長ポストは福島の精鋭「獅子連隊」こと第44普通科連隊で上番。

中央(陸上幕僚監部)では、防衛部運用課、人事部人事計画課、補任課などを経て、班長ポストは監理部会計課の予算班長で着任し、課長ポストは統合幕僚監部の運用部運用第2課長で務め、部長ポストは陸幕で監理部長を任された。

その後、沖縄那覇に所在する第15旅団で旅団長を務め、陸将に昇任すると神町駐屯地に所在する東北の精鋭・第6師団で師団長に昇り、後職では防衛大学校幹事も務めている。

そして平成30年8月、東北方面総監に昇ると地域の復興と防災に貢献し、また東北の強兵をいかにして強くたくましく育て、機動戦闘力として確立をするのか。

この極めて重要な任務を今まさに、全力で遂行しているさなかである。

29期組を代表する、ぜひ注目をして欲しい最高幹部の一人だ。

では最後に、その上尾と同期である29期組の人事の動向を見ておきたい。

29期組は、既に佐官までのほぼ全自衛官が定年を迎えている年次である。

そして将官もすでに勇退が始まっている世代であり、今は一部の将官に在るものだけが、現役として残っている状況だ。

そしてその29期組にあって、陸将にある最高幹部は以下の通りである。

高田克樹(第29期)・陸上総隊司令官(2016年7月)

上尾秀樹(第29期)・東北方面総監(2016年7月)

本松敬史(第29期)・西部方面総監(2016年7月)

納富 中(第29期)・防衛大学校幹事(2016年7月)

柴田昭市(第29期)・防衛装備庁長官官房装備官(2017年3月)

山内大輔(第29期)・陸上自衛隊補給統制本部長兼ねて十条駐屯地司令(2017年3月)

清田安志(第29期)・統合幕僚学校長(2017年8月)

岩村公史(第29期)・第9師団長(2018年8月)

※肩書はいずれも2019年9月現在。( )は陸将昇任時期。

以上のようになっており、様々な状況から考えてもし29期組から陸上幕僚長が選抜されるのであれば、高田、上尾、本松の3名に絞られたと言って良い状況だ。

そして間もなく、我が国と世界の平和に貢献し続けてきたこれら将官も、1年後には多くの方が退役を迎えるであろう。

29期組の活躍を見られるのは、残り本当に僅かとなってしまった。

上尾については、先述のように東北の現場経験が豊富であり、また国防の最前線にあって第15旅団を率いたほどの将官だ。

陸上幕僚長に着任してもなんらサプライズではない最高幹部だが、おそらく現職を最後に制服を置くことになるのではないだろうか。

なお念の為に申し上げておくと、管理人の人事予想は大体ハズレることで有名である・・・

そういった意味では、上尾が東北方面総監から陸幕長に着任するスペシャルサプライズが・・・在るかも知れない・・・(汗)

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:陸上自衛隊東北方面隊公式Webサイト

◆上尾秀樹(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 陸上自衛隊入隊(第29期)
61年3月 第17普通科連隊(山口)

平成
4年8月 幹部学校(市ヶ谷)
6年8月 富士学校普通科部(富士)
8年1月 3等陸佐
8年3月 檜町駐屯地業務隊付(檜町)
9年3月 第18普通科連隊中隊長(真駒内)
10年3月 陸上幕僚監部防衛部運用課(市ヶ谷)
11年7月 2等陸佐
12年8月 陸上幕僚監部人事部人事計画課(市ヶ谷)
13年8月 陸上幕僚監部人事部補任課(市ヶ谷)
16年1月 1等陸佐
16年3月 幹部学校(目黒)
17年3月 陸上幕僚監部監理部会計課予算班長(市ヶ谷)
19年3月 幹部学校教官(目黒)
19年8月 第44普通科連隊長(福島)
21年3月 統合幕僚監部運用部運用第2課長(市ヶ谷)
22年7月 自衛隊沖縄地方協力本部長(那覇) 陸将補
24年7月 陸上幕僚監部監理部長(市ヶ谷)
26年7月 第15旅団長(那覇)
28年7月 第6師団長(神町) 陸将
29年8月 防衛大学校幹事(横須賀)
30年8月 東北方面総監(仙台)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする