湯浅悟郎(ゆあさ・ごろう)|第28期・陸上幕僚長

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湯浅悟郎(ゆあさ・ごろう)は昭和34年12月6日生まれ、徳島県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第28期(電気工学科)の卒業で幹候65期、出身職種は普通科だ。

 

平成31年4月(2019年4月) 第37代陸上幕僚長・陸上幕僚長たる陸将

前職は西部方面総監であった。

(画像提供:陸上自衛隊第4師団公式Webサイト

(画像提供:陸上自衛隊西部方面隊公式Webサイト 鎮西新聞第609号)

2019年6月現在、陸上幕僚長にある湯浅だ。

2019年4月に西部方面総監から昇任し、第37代となる陸上自衛隊のトップを務める。

西部方面隊からは、2004年に着任した森勉(第14期)以来の陸上幕僚長であり、なおかつ湯浅が史上2人目となる。

 

なおこれまで、方面総監別の後職での陸上幕僚長昇任は、

北部方面総監・・・10名

東北方面総監・・・1名

東部方面総監・・・9名

中部方面総監・・・6名

西部方面総監・・・1名

という状況であったのだが、やはり我が国の国防の最前線を護る西部方面隊の重要度が増しているということであろうか。

私(管理人)にとっては、完全に予想を外された上での、湯浅の陸幕長昇任となった。

だって、山崎統幕長より年上の湯浅サンが陸幕長になるなんて、予想できなかったんだもん・・・(¯―¯٥)

 

その湯浅について。

前職である西部方面総監時代、我が国は文字通り、西方が喫緊の脅威に晒される国防の最前線となった。

在任中であった2018年3月から本格的に始まった陸自大改革では、その装備の変革と各部隊の編成替えは、全て西方を支援し、あるいは西方で戦える組織になるためのものであったと言ってよいだろう。

そしてその要諦は、当サイトで繰り返し述べているように戦力の集中と機動力の向上にある。

ただでさえ、我が国は少子高齢化の中で自衛隊を志す若者の絶対数が不足する未来が避けられない。

さらに、予算の問題でどうしても、カネがかかる海空の装備が充実すればするほど、陸自の予算が削られつつある。

F-35を100機導入するとなると、イニシャルコストはもとより、維持費もシャレにならないことになるだろう。

そのシワ寄せはまともに、陸自の野戦特科と機甲科をはじめとした、大火力の戦力に押し寄せている。

 

そしてこのような状況にあっても、陸上自衛隊は国民から常に、「完全試合」を要求されている。

戦力の不足を言い訳にした敗戦は絶対に許されない。

そして、善戦をしたので許されるというような世界でもない。

であれば、陸自が取りうる選択肢は、持ちうる戦力を集中させ、その戦力を任意の場所に速やかに投入する体制を整える以外に選択肢は無いだろう。

このようにして、2018年3月から陸自は、戦力を方面隊直轄に集約させあるいは非輸送力を高める装備に編成替えをして、大きな変革と新しい戦い方に備えている。

陸自で行われている改革とはこのようなものであることを、一人でも多くの国民に知ってほしいと、改めて思っている。

 

ところで先日、読者の大学生(高校生?)の「かてん」さんから、当サイトにとても嬉しい書き込みを頂いた。

それは、中村裕亮(第32期)・第15旅団長のご紹介記事に対する以下の書き込みだ。

「毎朝通学中に楽しく拝見しております。私も、相手国に海空が対応しきれず本土に侵攻されるまでは陸自は活躍しないのかとも思っていましたが、そんなことないのですね。管理人さんのご説明とてもわかりやすかったです。」

 

というものだった。

詳細は記事のリンク先を見て頂きたいと思うが、要旨。

西方、とりわけ尖閣をはじめとした南西方面の有事に際しては、主力となるのは海空であって陸自の出る幕はないのではないか。

そんな一般国民が持つ、大きな誤解を解くために書いた記事に対するコメントだった。

 

改めて断言するが、西方有事に際して主力となるのは陸上自衛隊であり、言い換えれば抑止力となるのは陸上自衛隊に他ならない。

海空自衛隊は、中国人民解放軍に対して、「全面戦争」の抑止力としては確かに強力に機能する。

というよりも、日中の全面戦争を避けるためにも、海空自衛隊が精強であることは国民からの付託であり、存在価値でもあり、最後の切り札でもある。

しかしこと、小規模で現実的に起こり得る紛争を抑止するためには、陸上自衛隊が精強である必要がある。

 

そしていつの時代も、全面戦争は小規模な紛争から発展する。

だからこそ、「誰も死なない」ために、陸自はその刀を磨き、精神を研ぎ澄まさなければならない。

その結果として、抜かずに済む名刀が鍛え上げられる。

陸上自衛隊とはそのような存在であることを、改めて一人でも多くの国民に知って欲しいと願っている。

 

自衛隊は戦争をするための組織ではない。

まして、人を殺すための組織でもない。

いわば、刀を抜かずに済むことを願いながら鍛錬に励む武士であり、鍛え上げる刀鍛冶であり、研ぎ師だ。

ぜひ、私たちが心から誇りに思う自衛隊という組織を、このように正しく理解して欲しいと願っている。

 

陸幕長の湯浅の記事を書くにあたり、話が大きくそれてしまった・・・。

要するに、その最前線を任されていた湯浅が、その後職としてこの2019年4月から陸自のトップに昇ったということである。

ぜひ、その人事の流れについても、多少なりとも理解してもらえれば幸いだ。

 

では、この大変な時期に陸自のトップを任された湯浅とは、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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