伊藤弘(いとう・ひろし)は昭和40年4月生まれ、千葉県出身の海上自衛官。
防衛大学校第32期、幹候は39期の卒業だ。
平成29年8月(2017年8月) 内閣審議官(国家安全保障局担当)・海将補
前職は統合幕僚監部防衛計画部長であった。
(画像提供:海上自衛隊公式Webサイト 活動紹介ページ)
2018年10月現在、内閣府に出向し、内閣審議官(国家安全保障局担当)を務める伊藤だ。
国家安全保障局は、時に日本版NSCとも呼ばれる国家安全保障会議に設置されている事務方の実務部隊であり、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣の決断に、非常に大きな影響を与える組織だ。
有事においては、防衛出動や治安維持などに関し、総理大臣の重大な決断をサポートすることはもちろん、平時においては防衛政策の立案や重要事態に際しての行動指針も策定する、非常に重い責任を担うポストである。
もはやこれだけでも、お腹いっぱいと言うほどに伊藤の凄さがわかるポジションだが、伊藤が持つ凄さはこれだけではない。
平成26年12月から務めていた第4護衛隊群司令時代には、アフリカ・ソマリア沖での海賊に対処する多国籍部隊、第151連合任務部隊の指揮官に日本人として初めて着任。
この部隊は、我が国と世界のシーレーンを守る目的で自衛隊も参加している、武装した海賊集団を排除する役割を担っている実力組織だ。
最近では余りニュースになることが無くなったが、訓練ではない実務部隊であり、実際に数多くの海賊の襲撃を未然に防ぎ、各国の商業活動に大きく貢献している組織でもある。
なお、この伊藤の第151連合任務部隊指揮官着任は、訓練ではない実務部隊にある他国籍軍の指揮官に、日本人が初めて着任するという歴史的な意味合いも持つものであった。
上記2枚の写真はこの際、指揮官として各国の部隊を周る伊藤を撮影したものである。
その後、第151連合任務部隊の指揮官には、福田達也(第34期)、梶元大介(第32期)も着任しているが、やはり何事も先駆者の成し遂げた功績は非常に大きく、歴史に残る。
我が国の誇りであり、今後もさらにその活動の幅を広げていくことになるのではないだろうか。
では、そんな要職を歴任し続ける伊藤とは、これまでどんなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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