荒巻謙は昭和44年生まれ、長崎県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第36期の卒業で幹候73期、職種は普通科だ。
平成29年3月(2017年3月) 第21普通科連隊長兼ねて秋田駐屯地司令・1等陸佐
前職は第9師団司令部第4部長(青森)であった。
(画像提供:陸上自衛隊秋田駐屯地公式Webサイト)
2018年10月現在、第21普通科連隊長兼ねて秋田駐屯地司令を務める荒巻だ。
東北方面隊の第9師団隷下にあり、その規模の大きさで知られる連隊で、隊員の人数はおよそ1100名。
近年、部隊のスリム化で、軽編成では650名ほどという普通科連隊もあり、また通常800名程度の編成であることを考えると、その規模の大きさがおわかり頂けるのではないだろうか。
ちなみに、陸自最大の規模を誇る普通科連隊は東千歳に所在する第11普通科連隊で、その人数はおよそ1500名。
ここまで来ると、陸将補が指揮する施設団の中でも最大の、第3施設団(1600名)と同規模ということになる。
あるいは、このような大所帯ということもあるのだろうか。
第21普通科連隊長経験者には、将官に昇りその活躍が目立つ幹部が多い。
なお荒巻は第34代となる連隊長だが、現役で将官にある第21普通科連隊長経験者は以下の通りだ。
第27代 湯浅悟郎(第28期) 西部方面総監・陸将
第29代 蛭川利幸(第31期) 中部方面総監部幕僚長・陸将補
第30代 末吉洋明(第33期) 陸上幕僚監部運用支援・訓練部長・陸将補
第31代 橋爪良友(第34期) 陸上総隊司令部運用部長・陸将補
第32代 堺一夫(第36期) 富士学校普通科部長・陸将補
※肩書は全て、2018年10月現在。
以上のようにそうそうたるメンツであり、これだけでも、荒巻が国家から託された第21普通科連隊長と言うポストの重さが、おわかり頂けるのではないだろうか。
第21普通科連隊に限らず、東北方面隊隷下にある各部隊は2018年3月に実施された陸自大改革で、さらなる機動力と、最前線への展開力の向上が求められていくことになるだろう。
ただでさえ、予算削減の折で全体に装備と人員が削減されるつある陸上自衛隊だ。
このような中にあっては、東北方面隊がいかに、北方(北部方面隊)や西方(西部方面隊)に迅速に転地することができるか。
最前線への戦力の集中だけでなく、有事の際の国内の治安維持のためにも、東北方面隊が果たすべき役割は非常に大きい。
戦力の過渡期にあって、このような大所帯を任された荒巻にかかる陸自内外の期待は、ますます高まるばかりだ。
では、そんな全国屈指の規模を誇る第21普通科連隊を任された荒巻とは、これまでどのような経歴を歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、そのキャリアを見ていきたい。
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