鳥海誠司(とりうみ・せいじ)|第34期・陸上自衛隊

鳥海誠司は昭和42年7月8日生まれ、埼玉県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第34期の卒業で幹候71期、出身職種は判明しないがおそらく普通科と思われる。

平成28年6月(2016年6月) 第6師団副師団長兼ねて神町駐屯地司令・陸将補

前職は兵庫地方協力本部長であった。

2018年2月現在、第6師団副団長兼ねて神町駐屯地司令を務める鳥海だ。

神町駐屯地は山形県の神町(じんまち)に所在し、びっくりするほどの山に囲まれた内陸部でにある。

北東に船形山、南東に蔵王山、北西に月山、南西に朝日岳があり、周囲を山地に囲まれた谷間に位置する駐屯地で、山形盆地の東部、将棋の駒で有名な天童市の北部だ。

豊かな自然環境に囲まれた駐屯地なので面積も広大であり、その敷地面積は全国で6番目に広い。

そのため駐屯地内には室内プールやテニスコートなども備えており、体を鍛え体力を向上させるには非常に恵まれたロケーションとなっている。

その鳥海が連隊長を務めたのは、強兵で知られる第39普通科連隊(弘前)。

39普通科連隊は、戦前の陸軍歩兵第31連隊(弘前)を引き継ぐ部隊だ。

1902年(明治35年)に発生した、歩兵第5連隊の幹部や兵士210人中199人が殉職したあの「八甲田雪中行軍遭難事件」の際には別ルートで行軍に参加しており、冬の八甲田山を踏破した歴史も持つ。

精強で知られた部隊は各地で大いに戦功を上げるが、中でも第8師団隷下で戦った日露戦争における活躍はすでに伝説と言って良いだろう。

陸戦最大の激戦の一つであった黒溝台会戦においては、第8師団はその緒戦で5倍近い兵力に及ぶロシア軍の攻撃を引き受けるが、その猛攻を長時間に渡り耐え抜き、戦線を維持。

この際に戦線が崩壊していれば、間違いなく日本は敗れていただろう。

ロシア軍は、それほどの要所に対し不意打ちで10万に及ぶ兵力で一点攻撃を仕掛けてきたにも関わらず、第8師団と、坂の上の雲で有名な秋山好古率いる秋山支隊が耐え抜いたことで、日本は反転攻勢に出ることに成功した。

この時の活躍から、歩兵第31連隊を含む第8師団は「国宝師団」とまで称されるようになり、以降「弘前の強兵」の名誉を長年に渡り受け続けることになる。

鳥海が連隊長を務めていた第39普通科連隊とは、そのような栄誉ある歩兵第31連隊を受け継ぐ部隊だ。

そのためその連隊長には陸自のエース級が就くことが多く、例えば第13代の連隊長は、第28代陸上幕僚長にして初代統合幕僚長である先崎一(第12期)。

現役で言えば、第21代連隊長が本松敬史(第29期)・統合幕僚副長であり、第22代は吉田圭秀(第30期相当)・第8師団長である。

(※肩書はいずれも2018年2月現在)

第39普通科連隊と弘前の強兵に対し、陸自がどれほどエース級を投入してきたか、おわかり頂けるのではないだろうか。

まさに「国宝級」の強さを誇る東北健児であり、その部隊を率いるリーダーもまた、我が国の安全保障を中心になって背負う指揮官ばかりということである。

さて、そのようなキャリアを持つ鳥海について、同期である34期の人事の状況と合わせて見てみたい。

鳥海が陸上自衛隊に入隊したのは平成2年3月。

1等陸佐に昇ったのが平成21年1月なので、第34期組1選抜のスピード出世だ。

陸将補に昇ったのは平成28年7月なので、同期1選抜の1年遅れということになるが、言うまでもなくこちらもスピード昇任であり、第34期組のエリートと言って良いだろう。

なお34期組は2021年に最初の陸将が選抜される年次にあたる。

そのため陸将補にあるものが2018年2月現在での出世頭だが、その幹部たちは以下の通りだ。

荒井正芳(第34期)・研究本部総合研究部長 2015年8月

柿野正和(第34期)・陸上幕僚監部監理部長 2015年8月

小林弘樹(第34期)・東部方面総監部幕僚副長 2015年8月

橋爪良友(第34期)・中央即応集団副司令官 2015年8月

佐藤真(第34期)・防衛監察本部監察官 2016年3月

鳥海誠司(第34期)・第6師団副師団長 2016年7月

松永康則(第34期)・陸上自衛隊幹部学校副校長 2017年3月

大場剛(第34期)・第4師団副師団長 2017年8月

※肩書はいずれも2018年2月現在。末尾数字は陸将補昇任時期。

以上のように、まずは荒井、柿野、小林、橋爪が1選抜で同期をリードしており、それを佐藤と鳥海の2番手グループが追う形である。

2021年まではまだ間があるため、陸将人事はこれからの活躍次第ということになるだろう。

いずれにせよ、上記34期組のエースたちは、この先10年近く、2020年代後半にかけて、我が国の安全保障を中心になって指揮する世代である。

その活躍が日本の平和と安全に直結すると言っても良い年次であり、目を離すことができない幹部たちばかりだ。

ぜひその活躍には注目して、そして応援して欲しい。

本記事は当初2017年9月7日に公開していたが、加筆修正が重なったので2018年2月23日に整理し、改めて公開した。

◆鳥海誠司(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
2年3月 陸上自衛隊入隊(第34期)
13年1月 3等陸佐
16年7月 2等陸佐
21年1月 幹部学校付 1等陸佐
21年8月 陸上自衛隊研究本部研究員
21年12月 陸上幕僚監部運用支援課企画班長
24年3月 第39普通科連隊長
25年8月 陸上幕僚監部運用支援課長
27年8月 兵庫地方協力本部長
28年7月 第6師団副師団長兼ねて神町駐屯地司令 陸将補

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 第6師団公式Webサイト(各種イベント画像)

※画像は、公式Webサイトで記載している第6師団広報誌「やまなみ新聞28年8月、29年3月、29年11月号」より抜粋したもの。

http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/yamanami.html

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