前田利徳は昭和43年3月22日生まれ、長崎県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第34期の卒業で幹候71期、職種は野戦特科だ。
平成29年8月(2017年8月) 第4特科連隊長・1等陸佐
前職は陸上自衛隊研究本部主任研究開発官兼企画室企画調整官であった。
なお、第4特科連隊長は従来、久留米駐屯地司令職兼務であったが、2018年3月に同職は西部方面混成団長に移管された。
2018年5月現在、第4特科連隊長を務める前田だ。
2018年現在で、もっとも予算が切り詰められ、厳しい状況になっていると言ってよいだろう、野戦特科の指揮官であり、我が国の国防の最前線である第4師団隷下で、155mm榴弾砲FH-70を始めとした火砲を運用する。
なおその第4特科連隊。
全国で再編が進む特科連隊と同様に2019年3月に廃止され、70年の歴史に幕を下ろし、再編の上で西部方面特科連隊の隷下部隊になることが決まっている。
厳しい予算削減の煽りを一番まともに受けているのはこの野戦特科であり、無い袖は振れない以上、その流れはある意味で仕方ないだろう。
しかし、野戦特科は近代以降の陸上戦闘において、勝敗の行方を直接左右する兵科だ。
例えて言えば、湾岸戦争などで米軍などが実施した、地上戦が行われる前に徹底した空爆で敵の主力を叩く役割に似ている。
遠距離の面攻撃で敵の主力を叩き、大方を無力化した上で機甲科や普通科が制圧に乗り出すのは地上戦のセオリーであって、その基本は今後も変わらないだろう。
そのため、野戦特科に求められている要求は極めて過酷だ。
すなわち、兵力と装備は削減するが、戦力は維持もしくは向上せよ、である。
軍事組織というところは理不尽の固まりで、そう命令されたら手持ちのリソースで実現しなければならないものだ。
そのため野戦特科は、2018年現在、戦力の集中と機動力の向上という再編を、全国で進めている状況にある。
その具体的な再編はこの第4特科連隊のように、地方隊隷下にある全ての野戦特科を地方隊直轄の特科部隊として集中させ、有事には即応できるよう転地演習など、機動力を向上させる訓練を繰り返すことだ。
予算も人員も削減されながら、野戦特科の抑止力を維持するためにはそれしか方法はないだろう。
前田もまた、そのような厳しい状況の中で第4特科連隊最後の隊長として、再編準備を進めている。
では次にその前田と、前田を含む34期の人事の動向についてみてみたい。
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