嫌な予感があたったと言うべきだろうか。
統合幕僚長である河野克俊(第21期)の、3度めとなる定年の延期が閣議決定された。
最新の統幕長人事予想では、北朝鮮情勢が落ち着きを取り戻せば山崎幸二(第27期)・陸上幕僚長がこのタイミングで統幕長に。
問題が長引くようであれば3たびの定年延長が為され、その後に丸茂良成(第27期)が統幕長に着任するだろうというものだった。
不幸にして、北東アジア情勢は落ち着きを取り戻すこと無く、河野は老骨にムチを打って、自衛隊史上例がない”長期政権”で事態にあたることになった。
最初は、状況は一般国民が知る以上に緊迫しており、このタイミングで最高幹部人事はいじれないという理解であったが、恐らくそういうことではないだろう。
今回の人事では、定年の延長が1年。
半年ではなく、平成31年の5月まで延期するものだ。
これは、日本政府が北朝鮮を始めとした関係各国に対し、強いメッセージを出そうというものに思える。
陸自の幹部人事も、山崎の陸幕長着任にも関わらず、多くの27期組が残留し続けている。
空自でも、丸茂が空幕長に昇った2017年12月と2018年3月の2度の将官人事を経ても、未だに航空総隊司令官は同期である前原弘昭(第27期)が務めたままだ。
つまり今の自衛隊は、異例中の異例とも言える最高幹部人事が続いているということだ。
それは取りも直さず、今が非常時であるという認識を、日本政府が示していると言うメッセージにほかならない。
人事の慣例ではなく、最大の抑止力で直ちに事態に即応できる態勢を維持している。
そしてその状況は、北朝鮮が本当に態度を軟化させるまで、基本的には続く可能性が高い。
とはいえ、そろそろ下が詰まってくる。
河野の定年延長はともかくとして、陸空の27期組最高幹部はいつまで現職に留まるのかと言えば、恐らく夏の将官人事までだろう。
或いはここでも、一部の幹部を残すという、メッセージ性のある人事を採用する可能性もあるだろう。
いずれにせよ、米朝首脳会談は本当に破談になるのかそれとも開催されるのか。
開催されたとして、その内容は意味があるものになるのか。
自衛隊の人事は当面のところ、その行方次第と言うことになりそうだ。
自衛隊人事はもはや高度に政治的な領域にあり本当に予想が困難だ。
しかしそれでも敢えて予想しにいき壮大に外し、
「また外しましたね」
というコメントを貰いに行きたい・・・・。
なお、今回のアイキャッチ画像は、例によって美しい女性自衛官を探そうと思ったものの、今回は河野でいいかと思い、そのまま貼らしていただいた。
引用先の防衛省公式Webサイトは、河野のページで明記しているので、ここでは割愛したい。
また、いつもどおり敬称略で記載していることも、併せてご容赦願いたい。
その他、今回の辞令に関する内容は以下の通り。
自衛隊法第45条第4項の規定により平成31年5月27日まで引き続き任用する
(統合幕僚長)
海将 河野克俊
(以上5月28日付)
防衛省発表資料
http://www.mod.go.jp/j/press/sankou/2018/05/28a.pdf
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