陸将・陸将補人事|2021年12月・陸上自衛隊

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読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。

なかなか更新もままならない中、旧年中も多くの人に当ブログを愛して下さいまして本当にありがとうございました。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

さて、2021年12月、陸上自衛隊の陸将・陸将補の人事異動が防衛省から発令された。

定年延長の影響で遅れていた防大40期(相当)の1選抜将補が誕生するなど、12月は話題が満載の月になった。

東大出身の英才で、数々の要職を歴任したイケメン将軍、小瀬幹雄(第30期相当)のご退役など、ご勇退も多く発令された人事となっている。

もちろんその一つ一つが印象深い人事ではあるのだが、ここでは第40期組1選抜の陸将補で水陸機動団長に着任した、梨木信吾(第40期)に注目してみたい。

ご存知のように水陸機動団は、我が国の南西方面有事を想定し編成された、事実上の日本版海兵隊である。

海上自衛隊の掃海隊群と密接に連携し、文字通り命がけの殴り込みを担う部隊なので、心身ともに充実した幹部にしか務まるものではない。

そして梨木はといえば、陸自エースの指定席である第14普通科連隊長を経験している。

というよりも、第14普通科連隊の補職の後、将補昇任前の指定席の一つである統幕の防衛計画部計画課長を経ての着任だ。

別の言い方をすれば、1年9ヶ月前までは連隊長だった幹部であり、その幹部が今回この超重要ポストに回された形だ。

 

ちなみに前任の平田隆則(第34期相当)は、最終学歴高卒の叩き上げでこのポストに就いた。

第4代の特殊作戦群長を務めたほどに、陸自を代表する猛者であったが、その後任に梨木がついたということで、その期待の大きさをご理解頂けるのではないだろうか。

そして前任の平田はこのポストを最後に退役をしているわけだが、言い換えればこれは、

「水機団長については、本当の適任者を厳しく査定し補職させる」

という運用思想の現れのように思えている。

 

おそらくこれは、海上自衛隊と濃密な接点を持つポストだから、という意味合いが大きいのではないだろうか。

ちなみに、水陸機動団長のカウンターパートとなる海上自衛隊のポストは掃海隊群司令だが、このポストも、近年は「近い将来の海上幕僚長候補」ばかりが着任している。

これはもちろん、陸海共同で危機に対応するからには、それぞれのエースを出すという運用であるのは間違いない。

しかしそれとは別に、心身ともに充実した最高の人材を出さない場合、お互いに舐められてしまうという側面もあるのではないだろうか、という見方をしている。

陸・海が濃密に共同する接点で、その責任者が頭でっかちであったり、脳筋であったりしたら、大変だろう。

「今度の陸さん、大したことないな」

「海さんのこのポストに来る人、いつも頼りないんだよな~」

などという認識が広がってしまったら、下手したらそれぞれの職掌にまで影響がでかねないからだ。

そんなことで、この2ポストには掛け値なしの、最高の幹部が配置される運用が続いているのではないだろうか。

考えすぎかも知れないが・・・そんな意味合いでも、水陸機動団長および掃海隊群司令のポストには注目し、どんな人物が着任するのか、毎回楽しみにしている。

今回の梨木も、日本の安全保障を託す上でとても楽しみな幹部であり、とても期待している。

 

その他、一般大学出身でありながら中部方面総監に着任した堀井泰蔵(第32期相当)も注目だ。
いつも半袖腕まくりで、エアコンを付けずに執務していた心身ともにアツい男、大庭秀昭(第30期)のご退役も、寂しく思う。

大庭は、私が敬愛する陸自幹部の一人、田浦正人(第28期)・元北部方面総監の幕僚長を務め、東京オリンピックの開催にあたり頭号師団を任された男だ。

数々のアツいエピソードとともに、多くの幹部曹士から愛された陸将でもあった。

そのご退役を、本当に寂しく思う。

本当に長い間、お疲れさまでした、ありがとうございました。

他にも数々、書きたいことはあるのだが、長文になりすぎてしまうのこの辺りで筆を置きたい。

 

なお例によって、アイキャッチ画像の美しい女性は人事異動とは何の関係もない。

第9特科連隊で気象手として活躍する、五十嵐陸士長である。

ご存知のように特科では大火力を、長大な射程を経て敵に撃ち込むことをその任務としている。

そのため、僅かな気象条件の観測・解釈の狂いにより、その戦果にも大きな影響を及ぼしてしまう非常に重要な役割を任されているということだ。

陸戦ではどうしても、戦車や歩兵にばかり注目が集まるが、これら兵科の活躍は特科による事前掃討が無ければ甚大な被害を免れない。

どうかそういった意味でも、陸自の特科にはさらに注目し、応援して欲しいと願っている。

なお余談だが、大陸など陸軍国では、特科は「戦場の女神」と呼ばれている。

文字通り、こんな女神さんにサポートして頂いたら、おぢさんはFH-70を気合で100km飛ばして、敵を粉砕できそうである。

(●´ω`●)

 

その他、詳細な人事異動の内容は以下の通り。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊東北方面隊公式Webサイト

陸将に昇任させる
(陸上幕僚監部防衛部長)
陸将補 荒井正芳

(陸上幕僚監部装備計画部長)
陸将補 小林弘樹

(第5旅団長)
陸将補 廣惠次郎

(第13旅団長)
陸将補 兒玉恭幸

(補給統制本部副本部長)
陸将補 柿野正和

 

陸上幕僚副長を命ずる
(第3師団長)
陸将山根寿一

 

東部方面総監を命ずる
(陸上幕僚副長)
陸将 森下泰臣

 

中部方面総監を命ずる
(第8師団長)
陸将 堀井泰蔵

 

第1師団長を命ずる
(第13旅団長)
陸将 兒玉恭幸

 

第3師団長を命ずる
(陸上幕僚監部防衛部長)
陸将 荒井正芳

 

第8師団長を命ずる
(陸上幕僚監部装備計画部長)
陸将 小林弘樹

 

陸上自衛隊教育訓練研究本部長を命ずる兼ねて目黒駐屯地司令を命ずる
(第5旅団長)
陸将 廣惠次郎

 

陸上自衛隊関東補給処長を命ずる兼ねて霞ヶ浦駐屯地司令を命ずる
(補給統制本部副本部長)
陸将 柿野正和

 

退職を承認する
(情報本部長)
陸将 納冨中

(東部方面総監)
陸将 小野塚貴之

(中部方面総監)
陸将 野澤真

(第1師団長)
陸将 大庭秀昭

(教育訓練研究本部長兼目黒駐屯地司令)
陸将 田中重伸

(関東補給処長兼霞ヶ浦駐屯地司令)
陸将 小瀬幹雄

令和3年12月22日付
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2021/1222a.pdf

 

 

陸将補に昇任させる
(統合幕僚監部防衛計画部計画課長)
1等陸佐 梨木信吾

(陸上幕僚監部監理部総務課庶務室長)
1等陸佐 伊藤優一郎

(陸上幕僚監部人事教育部補任課長)
1等陸佐 今井俊夫

(陸上幕僚監部運用支援・訓練部運用支援課長)
1等陸佐 石原由尊

(西部方面後方支援隊長)
1等陸佐 柳田常泰

(福岡地方協力本部長)
1等陸佐 深草貴信

(情報本部情報官)
1等陸佐 伊部俊宏

 

統合幕僚監部運用部副部長を命ずる
(西部方面総監部幕僚副長)
陸将補 上野和士

 

陸上幕僚監部人事教育部長を命ずる
(幹部候補生学校長兼前川原駐屯地司令)
陸将補 藤岡史生

 

陸上幕僚監部防衛部長を命ずる
(統合幕僚監部運用部副部長)
陸将補 松永浩二

 

陸上幕僚監部装備計画部長を命ずる
(北部方面総監部幕僚長兼札幌駐屯地司令)
陸将補 上田和幹

 

陸上総隊司令部日米共同部長を命ずる
(東北方面総監部幕僚副長)
陸将補 豊田龍二

 

北部方面総監部幕僚長を命ずる兼ねて札幌駐屯地司令を命ずる
(陸上総隊司令部日米共同部長)
陸将補 垂水達雄

 

北部方面総監部幕僚副長を命ずる
(第8師団副師団長兼北熊本駐屯地司令)
陸将補 廣瀬敏彦

 

東北方面総監部幕僚副長を命ずる
(陸上幕僚監部人事教育部補任課長)
陸将補 今井俊夫

 

西部方面総監部幕僚長を命ずる兼ねて健軍駐屯地司令を命ずる
(情報学校長)
陸将補 楠見晋一

 

西部方面総監部幕僚副長を命ずる
(第5施設団長兼小郡駐屯地司令)
陸将補 北島一

 

第1師団副師団長を命ずる兼ねて練馬駐屯地司令を命ずる
(陸上幕僚監部監理部総務課庶務室長)
陸将補 伊藤優一郎

 

第7師団副師団長を命ずる兼ねて東千歳駐屯地司令を命ずる
(防衛監察本部監察官)
陸将補 武田敏裕

 

第8師団副師団長を命ずる兼ねて北熊本駐屯地司令を命ずる
(関東補給処副処長)
陸将補 若松純也

 

第5旅団長を命ずる
(統合幕僚監部総務部長)
陸将補 鳥海誠司

 

第13旅団長を命ずる
(富士学校普通科部長兼諸職種協同センター副センター長)
陸将補 松永康則

 

第15旅団長を命ずる
(陸上幕僚監部人事教育部長)
陸将補 井土川一友

 

水陸機動団長を命ずる兼ねて相浦駐屯地司令を命ずる
(統合幕僚監部防衛計画部計画課長)
陸将補 梨木信吾

 

第5施設団長を命ずる兼ねて小郡駐屯地司令を命ずる
(北部方面総監部幕僚副長)
陸将補 満井英昭

 

陸上自衛隊幹部候補生学校長を命ずる兼ねて前川原駐屯地司令を命ずる
(陸上幕僚監部運用支援・訓練部運用支援課長)
陸将補 石原由尊

 

陸上自衛隊富士学校普通科部長を命ずる兼ねて兼諸職種協同センター副センター長を命ずる
(第1師団副師団長兼練馬駐屯地司令)
陸将補 相園和宏

 

陸上自衛隊情報学校長を命ずる
(情報保全隊司令)
陸将補 實藤聖

 

陸上自衛隊需品学校長を命ずる兼ねて松戸駐屯地司令を命ずる
(西部方面後方支援隊長)
陸将補 柳田常泰

 

陸上自衛隊教育訓練研究本部副本部長を命ずる兼ねて総合企画部長を命ずる
(西部方面総監部幕僚長兼健軍駐屯地司令)
陸将補 橋爪良友

 

陸上自衛隊教育訓練研究本部研究部長を命ずる
(第7師団副師団長兼東千歳駐屯地司令)
陸将補 末永政則

 

陸上自衛隊補給統制本部副本部長を命ずる
(第15旅団長)
陸将補 佐藤真

 

陸上自衛隊関東補給処副処長を命ずる
(教育訓練研究本部研究部長)
陸将補 池田孝一

 

自衛隊情報保全隊司令を命ずる
(福岡地方協力本部長)
陸将補 深草貴信

 

防衛監察本部監察官を命ずる
(需品学校長兼松戸駐屯地司令)
陸将補 池田頼昭

 

退職を承認する
(水陸機動団長兼相浦駐屯地司令)
陸将補 平田隆則

(教育訓練研究本部副本部長兼総合企画部長)
陸将補 藤岡登志樹

令和3年12月22日付
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2021/1222b.pdf

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