荒巻謙(第21普通科連隊長・1等陸佐)|第36期・陸上自衛隊

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そんな期待を集める荒巻が陸上自衛隊に入隊したのは、平成4年3月。

その原隊(初任地)は、「風雪磨人」の合言葉で知られる、日本屈指の過酷な環境で知られる遠軽駐屯地に所在する第25普通科連隊であった。

日本屈指の精強な曹士を誇る駐屯地で、自衛官人生のスタートを切っている。


(画像提供:陸上自衛隊秋田駐屯地公式Webサイト

なお上記画像一枚目。。

2018年3月に開催された、第21普通科連隊と米陸軍歩兵大隊との共同訓練の最終日、日米の隊員たちによる打ち上げパーティーの模様だ。

何というか、こんな猛者ばかりの盛り上がりの中に、こんな美しい女性兵士が混じっても大丈夫なのだろうか。

とは言え、下手なことをすればセクハラで組織から消される前に、女性兵士から個人的に存在を消されそうな勢いではある。

女性らしい体を維持しながら、手脚が丸太のように太いのはいったどうなっているんだ。。

 

話を荒巻のキャリアに戻す。

先述のように、荒巻の原隊は遠軽駐屯地にあり、この過酷な環境で初級幹部としての素養をみっちり叩き込まれたわけだが、どれほど厳しい環境なのか。

そもそもの所在地が、北海道道東の最北端、オホーツク海から内陸部に入ったところである。

冬の寒さと雪の多さは冗談ではないレベルだが、どうやら厳しいのは自然環境だけではないようだ。

例えばこんな話がある。

第13旅団長や第1師団長などの要職を歴任し、2018年3月に幹部学校長で退役した西浩徳(第28期)・元陸将も、その初任地が遠軽駐屯地であった。

その西が若かりし頃、幹部候補生学校の卒業も間近で内示伝達式に臨んだ時、西の任地が遠軽であると発表されたとたん、その場の雰囲気が一気にザワついたそうだ。

西自身はなぜ同期たちがザワつくのか、その時は理解できなかったそうだが後に皆に聞くと、何のことはない、遠軽は同期たちがもっとも配属されたくない任地であったそうである。

正直、陸自の幹部候補生であれば、暑い寒いを忌避するような性根が座っていない者もいないだろう。

しかしそれでも、厳しい自然環境と、伝統的にその曹士の精強さで知られる遠軽駐屯地と第25普通科連隊は、陸自の幹部候補生をもってしても尻込みする者がいるほどに、厳しい任地であるということだ。

荒巻はそのような駐屯地で、自衛官生活の本格的なスタートの第1歩を歩みだした。

 

その後は、富士学校の普通科部や第4対舟艇対戦車隊などで要職を歴任。

中央(陸幕)では監理部の総務課などで同様に要職を歴任するキャリアを歩み、平成29年3月から、第21普通科連隊長兼ねて秋田駐屯地司令に着任している。

特に目立つのは、陸自大改革の目玉である諸職種共同を研究し、陸自の新たな戦い方を研究・教育する富士学校での勤務だろうか。

どうやらこのあたりに、荒巻の幹部としてのリーダーシップと能力の高さが評価されているようだ。

 

では最後に、その荒巻と同期である36期組の人事の動向について見てみたい。

36期組は、2017年8月の将官人事で最初の陸将補が選抜された年次にあたる。

そして、2018年10月現在でその任にあるのは、以下の幹部たちだ。

 

松永浩二(第36期)・沖縄地方協力本部長(2017年8月)

德永勝彦(第36期)・教育訓練研究本部研究部長(2017年8月)

堺一夫(第36期)・富士学校普通科部長兼富士学校諸職種協同副センター長(2017年8月)

藤岡史生(第36期)・北部方面総監部幕僚副長(2017年8月)

若松純也(第36期)・東部方面総監部幕僚副長(2017年12月)

南川信隆(第36期)・教育訓練研究本部訓練評価部長(2018年3月)

※肩書は全て2018年10月現在。( )は陸将補昇任時期。

※2018年夏の将官人事で昇任した将補について、年次未確認のために追記する可能性あり。

 

以上のようになっており、まずは松永、徳永、堺、藤岡の4名が、36期組の最高幹部人事で一歩リードしている状況だ。

荒巻については、国防の最前線である西部方面隊の第4対舟艇対戦車隊や、陸自の新たな戦い方を研究・教育する富士学校での勤務が豊富な幹部だ。

そのキャリアを考えるとあるいは今後、西部方面隊での要職や、陸上総隊の中でも水陸機動団の運用に関わるようなポジションで、さらに重い責任を担っていくことになるのではないだろうか。

いずれにせよ、第36期はこの先10年に渡り、我が国の安全保障を中心になって担っていく世代である。

その動向と荒巻の活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:陸上自衛隊秋田駐屯地公式Webサイト

◆荒巻謙(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
4年3月 陸上自衛隊入隊(第36期)
4年10月 第25普通科連隊(遠軽)
13年3月 第2師団司令部(旭川)
15年3月 富士学校付(富士)
16年3月 富士学校付普通科部(富士)
17年3月 中央業務支援隊付(市ヶ谷)
18年3月 陸上幕僚監部監理部総務課(市ヶ谷)
21年8月 第4対舟艇対戦車隊長(玖珠)
23年8月 富士学校普通科部(富士)
25年12月 中部方面総監部防衛部防衛課(伊丹)
27年8月 第9師団司令部第4部長(青森)
28年1月 1等陸佐
29年3月 第21普通科連隊長兼ねて秋田駐屯地司令

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