竹中信行 (防衛監察本部監察官・海将補)|第36期相当・海上自衛隊

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竹中信行(たけなか・のぶゆき)は昭和44年12月9日生まれ、大阪府出身の海上自衛官。

龍谷大学を平成4年3月に卒業し、同年の海上自衛隊入隊の幹候43期なので、第36期相当の幹部ということになる。

我が国が世界に誇る、潜水艦畑の出身だ。

 

平成30年8月(2018年8月) 防衛監察本部監察官・海将補

前職は舞鶴地方総監部幕僚長であった。

(画像提供:海上自衛隊舞鶴地方隊公式Webサイト

(画像提供:海上自衛隊舞鶴地方隊公式Webサイト

2019年2月現在、防衛省全体の職務の遂行状況をチェックし、監視・監察を行う防衛監察本部で監察官を務める竹中だ。

竹中はこの組織における海上自衛隊の担当ということになり、全軍を俯瞰する能力が求められる、エリートポストで手腕を振るう。

一般大学の卒業生でありながら、1選抜で海将補に昇った注目の幹部だ。

 

1選抜で海将補に昇っただけあって、その経歴はいずれもとても充実しているが、中でも印象深いのはやはり、現在の安全保障環境も相まって、舞鶴地方総監部幕僚長のポストだろうか。

ご存知のように舞鶴は、朝鮮半島に対峙する最前線の極めて重要な拠点となっており、1999年(平成11年)には、「能登半島沖不審船事件」に対処したことでも知られる。

この事件では、北朝鮮の工作母船と思われる不審船が我が国領海に侵入し、日本人拉致を実行中と思われる暗号通信を海上自衛隊が傍受したところから始まる。

この一報を受けて直ちに、舞鶴を母港とするイージスシステム搭載艦みょうこうをはじめとした海自の最新鋭艦が追尾を開始し、能登半島沖でその船尾を捉えると実弾を発砲。

海上自衛隊に対し、我が国始まって以来の海上警備行動の命令が下ることになった。

結局この事件では、当時まだ海自には特別警備隊も存在しない中で発生した事案であったことから、最終的に不審船を取り逃がすことになる。

そして特別警備隊や高速艇の導入など、この教訓を活かした組織の再編と装備の更新が行われるきっかけとなった事件であった。

 

それ以来舞鶴は、一瞬も緊張を緩めること無く、朝鮮半島情勢への監視を強化。

近年では、竹中が幕僚長を務めていたタイミングで弾道ミサイル対応の最前線として機能していたことが印象的だ。

なおこの緊張状態にある時、おそらく2017年6~7月頃であったと記憶しているが、辛坊治郎氏が舞鶴地方隊を訪問し、停泊中であったイージス艦の中を見学させてもらうという番組が、日曜日のお昼に放送されていた。

その時に辛抱が発した質問。

「北朝鮮のミサイルが発射されたことを察知した時、イージス艦は、停泊中であれば停泊中の状態でこれを迎撃するのか」

という趣旨の質問に対し案内役の海曹は、

「出港して迎撃する」と回答する。

さらにこれに対し、辛抱が、

「どこまで沖合に展開して、迎撃をするのか」と質問を重ねたところで、広報担当の幹部自衛官が突然テレビ画面にフレームインし、その質問には回答不可であることを告げるシーンがあった。

その回答は、北朝鮮のミサイル発射を察知してから日本のイージス艦が対応可能な時間はどれほどであるのかを発表するようなものであり、慌ててNGを出したものだ。

直ちに回答を打ち切らせた幹部自衛官の対応もさすがであったが、同時に舞鶴地方隊が持つ最前線としての緊張感を感じさせる、印象深いやり取りでもあった。

 

では、そんな国防の最前線で幕僚長を務めるなど、要職を歴任した竹中とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見てみたい。

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2件のコメント

2019年2月時点での36期組の海将補ですが、星 直也 氏(防衛装備庁プロジェクト管理総括官)が抜けております。差し支えなければ追加していただけますでしょうか。

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